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その23「兄妹①」

◇兄と妹、妹の部屋にて



兄「……これまた、ひどい熱だな」


妹「あはは、久しぶりにやってしまったね」


兄「まったく、最近夜更かしばっかりしてたみたいだし、それが原因だぞ」


妹「遊んでいたわけじゃないよ、もうすぐテストがあるんだもん」


兄「テストだからって日頃からちゃんと予習復習していれば夜更かしなんて必要ないんだぞ」


妹「兄さんだってテスト前は連日徹夜だ~とか言ってるくせに」


兄「うぐっ…、まあ、それができたら誰だって苦労しないよな」


妹「……うん。テストが始まる前にはやく元気にならないと」


兄「そうだな。だったら兄ちゃんも気合入れて看病しないとな!」


妹「……うん」


兄「じゃあ俺は必要な物とか買いに行ってくるから、おとなしく寝ているんだぞ」


妹「……」


妹「……ねえ、兄さん」


兄「ん?」


妹「……もしさ、もしもの話だけど」


妹「私がこのままずっと病気だったら、どうする?」


兄「ふふ、そいつは困るなー。毎日お前に付きっきりじゃ何もできないし」


妹「……そう、だよね」


兄「大丈夫さ、今は具合が悪いせいで不安になっているかもしれないけど、すぐに良くなるよ」


妹「……うん」


兄「それじゃあ行ってくる」


妹「……行ってらっしゃい」





◇次の日



兄「昨日より熱が上がっている……」


妹「今回の風邪はちょっと厄介みたい、だね」


兄「今日は俺休みだから、一緒に病院に行こう」


妹「いいよ、別に」


兄「ダメだ、もっと悪くなるかもしれないだろ」


妹「行かない」


兄「何を言っているんだ。ほら行くぞ」


妹「……」


兄「おい」


妹「行かないって言ってるじゃん!」


兄「!」


妹「っ……」


兄「……」


妹「……病院には、行きたくないの」


兄「……」


妹「もう一日だけ、このまま自分の部屋で、寝ていさせて……」


兄「……明日、まだ熱があったら絶対に病院へ連れて行くからな」


妹「……ありがとう」





◆次の日


朝、目が覚めて一番に妹の部屋の様子を見に行った。

何か嫌な予感がしたからだ。


もちろんあいつの体調のことが心配だったのもある。

昨日のうちに病院へ無理矢理にでも連れて行った方が良かったのではと今でも思う。

だけど、それだけじゃなくてもっと何か、嫌な事が起きている気がしてならなかった。


妹の部屋の扉を開く。

見慣れた机や本棚にベッド。


そこに妹の姿はなく、代わりにたたまれたパジャマと一枚のメモがあった。





【今まで本当にお世話になりました ありがとう そして さようなら】





妹「ねえ兄さん、私、もう分かっていたんだ」


妹「ずっと看病していたからね」


妹「あの時も、こんな感じだった」


妹「私ね、たぶんママと同じ病気なんだ」

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