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その2「ゲーム」

◇妹、兄の部屋へやってくる



妹「兄さんはいるか!」


兄「い、いるけど、どうしたんだ」


妹「エマージェンシーなんだよ、兄さん」


兄「何かあったのか」


妹「いいからこっちへ!」





◇兄と妹、妹の部屋へ


妹「これ見て」


兄「……」


妹「コイツの悪逆非道な技によってたくさんの私が無残に力尽きていったの」


兄「ゲームの話かよ」


妹「兄さんの大切な妹がもう何人もアイツに殺されているんだよ、兄さんは悔しくないの!?」


兄「別に」


妹「ひどい、意気地なし、薄情者、死ね!」


兄「ひどい!」


妹「もうほら、隣に座って、よく見てて」


兄「はいはい」


妹「ほら、まずこう動くじゃん。するとこうなって……ここでいつも時間切れになっちゃうの」


兄「なるほど、連打してゲージを溜める感じなのか」


妹「そうそう、私の連打力じゃあダメみたい」


兄「そういうことなら任せろ!」





◇数分後


兄「ぜぇー…ぜぇー…」


妹「兄さんカッコ悪い」


兄「こ、これは、人間には無理だって」


妹「もう、情けないなー」


兄「これはもう“あれ”を使うしかないな」


妹「“あれ”って?」


兄「秘密兵器だ。妹よ、定規は持っているか?」


妹「定規? うん、筆箱に入っているけど」


兄「よし、じゃあそれを貸してくれ」


妹「いいけど、定規なんて何に使うの?」


兄「うむ、昔ゲーム好きのオジさんが教えてくれた技なんだがね」





◇数分後


妹「すごい! 本当にクリアできた」


兄「ふっふっふ、ちょっとは見直したか?」


妹「うん、オジさんってすごいんだね」


兄「まったくもう。じゃあ兄さんはもう戻るからな」


妹「あ、待って」


兄「まだ何かできないところがあるのか」


妹「そうじゃなくて。ねぇ兄さん、一緒にレースゲームしよ」


兄「ん、別に良いけど。今やっているゲームはいいのか? もうすぐエンディングなんだろ」


妹「もう飽きたの。……嫌なら別にいいけど」


兄「ふふ、はいはい、やりますよ」


妹「別にどうしても兄さんとゲームがしたいってわけじゃないんだけど」


兄「はいはい、分かっていますよ」


妹「はいはい言うの禁止! ほら始めるよ、とっとと隣に座って」


兄「はいよ」


【町の住人紹介その2】

20歳

大学二年生

アルバイトをしている

貧弱

実は妹とは「甥」と「叔母」の関係



【町の流行情報その1】

二年前発売の据え置きゲーム機用レースゲームのソフト

妹と兄が対戦したゲーム。

ゴーカートに乗ってスタジアム内に作られたコースを

相手よりも速く走りきれば勝ちというルールで勝負が行われた。

結果は妹の圧勝。

兄「レースゲームの技は教わってないんだよ。オジさん、レースゲームだけはめちゃくちゃ下手だったんだ」

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