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その10「夢落ち」



妹「兄さん、ねぇ兄さん!!」


兄「……ん、んんっ?」


妹「良かった、気がついたんだね!」


兄「え、なに?」


妹「今の状況を説明するね。兄さんが気を失ってから43秒。さっき仕掛けてきた機体をちょうど撃破したところだよ」


兄「な、なんだって?」


妹「もう、しっかりしてよ兄さん! はやく操縦桿を握って!」


兄「操縦桿…? それより、ここは一体どこなんだ?」


妹「兄さん? もしかしてさっき気を失ったとき、記憶に障害が……」


兄「待て待て、ちゃんと説明してくれよ。今何が起きているんだ?」


妹「……分かった。時間が無いから簡潔に説明するね」


妹「ついにエレフェント軍が地球に攻撃を仕掛けてきた」


妹「私たちキリン軍はこれに対抗するべく宇宙を舞台にロボに乗って戦っているの」


兄「まじか」


妹「うん、そして現状はこちらが少し不利。でも私たちは決して諦めない。だってここで逃げたら、地球で私たちを信じてくれている皆を裏切ることになるんだから」


兄「それはヤバいな」


妹「そう、とにかくヤバいの。だからはやく兄さんも操縦桿を握って! この機体は二人じゃないと100%の出力を出せないんだから」


兄「いや、でも動かし方とか分かんないし」


妹「もうっ! 一度だけしか言わないからちゃんと聞いてて、動かしたい方向に操縦桿を倒すとロボを動かせるの。移動が兄さん、攻撃が私の担当だからね」


兄「意外と簡単なんだな。よし」


妹「じゃあ兄さん、このポインターがたくさん集まっているところへ向かって」


兄「ここで味方と敵が戦っているのか?」


妹「うん。今は味方の数が若干少ないみたいだからすぐに救援に行かないと……って兄さん!?」


兄「お、動いている。けっこうスピード出るんだな」


妹「兄さん! そっちは逆だって!」


兄「いや、こっちでいいんだ」


妹「どうして……。あ、そっか、なにか作戦があるんだね!」


兄「いや、危ないから逃げるんだって」


妹「逃げるって、私たちだけで? そんなの地球の皆への裏切りだよ!?」


兄「地球の皆なんて知ったことか。俺にとっては妹の命が第一だ。危険なところにお前を連れて行けるわけないだろう」


妹「兄さん……」


兄「どこか遠くの星へ行こう。戦いの無い、平和は島で二人で暮らすんだ」


妹「……わかった、兄さんがそれでいいのなら――」







兄「――ああ、行こう。どこまでも」


妹「兄さん?」


兄「てかさっきから思ってたんだけど……そのパイロットスーツみたいなの……ピッチリしてて……」


妹「ねぇ兄さん」


兄「エロいな」


妹「兄さんっ!!」ペシッ


兄「ぬわっ!?」


妹「まったく、どんな夢見てたのよ」


兄「え、夢?」


妹「寝坊だよ、兄さん」


兄「なっ、もうこんな時間!?」


妹「私はもう学校行くからね」


兄「お、おう。行ってらっしゃい」


妹「……欲求不満?」


兄「ほ、ほっとけ!」








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