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魔人を倒して  作者: みき はるか
黒髪の女性と魔人
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寮にて

「とりあえず、あしたからあの森に行って探索をしてみることにするよ。」

ウォルターはいろいろ思案した後にそういって宿屋を後にした。

そして寮に戻ってみるとルームメイトのアルドがいた。

「よう、なにかいいことでもあったのか?」

アルドはここ要塞都市であり帝国の防波堤を唯一つとめるグセフのいくつかいる隊長格の息子だ。

彼の父は平民でありながら100隊長であった。しかしこれとアルドがここ騎士見習いであり王国で高等教育を受けれる環境にいるのは関係はなかった。

帝国の大規模な軍がいつ来るかもわからないここは常時兵士がつめており、それは基本的に志願制であったが、何年もそこでつとめることになり、故郷に帰れるのは3~5年後になることは普通にあった。

王国は合併するまで要塞都市を除いたら王都と港町2つしか所持しておらず周りの国々にいろいろな物資を送ることや交易で利益を上げていた国であった。

人口に対して高い税金が納まっていて、また商業で成り立つということは商売とかかわる人間が多く高い教育の重要性を理解していた。

そこで王国は要塞都市に軍人としてかかわればその子供や本人が初等的教育を受けれる制度を取り入れた。

人口自体は少ないので数を質でカバーしようとした結果であった。また金に任せて高い防衛機能を持つ都市にもしあげた。

家族が同じ都市につめていることから兵士も死ぬ気でがんばるだろうし、生きて帰れればそこで受けた教育でどこかしらで就職することや商売もすることも可能だった。

とはいえ今でこそ農民の子供が受けている授業だが昔は商売をやっている家の次男などが王国に就職するために受けていた。

なぜなら初等的教育で高い成果を出したものは普通は高い金を払わないと受けれない高等教育をうけれ、その間は騎士見習いとして、卒業後は騎士として内政や軍事で10人隊長などに就職することができた。

そしてアルドはウォルターが事情を話した数少ない人間の一人でもあった。

彼を味方だと思ってるウォルターは口を開いた。

「ああ、北の森で魔人が出たかもしれない。」

これを聞いてアルドは驚いた。

「おいおい、そりゃまたとんでもんえのが出て来たなあ!」

魔人は上級魔術師10人くらいいないと討伐できないといわれている。今の王国には126人いる。一昔前は30人くらいしかいなかったことを考えると割と大物である。

だがそれは戦闘に強いという前提でだ。もし幻覚をつかうならそれを対処できるものがいなければ100人いようが全滅するし、そして今回の魔人は記憶の忘却、またはそれに類似した魔法を使う魔人だと思われた。

「けれど魔人は忘却魔法を主として扱うはずだ、なのでそれ対策をしっかりおこなえば、一人でも対処できる。」

それを聞いてアルドは歓声をあげた。

「おお!もう魔人の使う魔法がわかってるのか!さすがウォルター!できる男は違うな!」

そしてこうも付け加えた。

「なら今回はお前一人で行ったほうがいいか?二人で討伐より箔がつくだろうし...」

アルドはここの王国の第一王女と交際関係があり、それを認めさせるためにウォルターと同じく手柄を欲しがっていた。

だが今回はウォルターのほうが事情が切迫してきている。そして今回は見送っても次の魔王との戦いがあった。

もともと魔王を妹の代わりに討伐するからといって、同じ部屋に転がり込んできた男だ。

王女のほうも魔王を討伐してくれるような人と結婚したいなあとかいって婚姻を遅らせるとかいきまいていたらしいし、今回は素直に譲ってもらうことにした。こっちが失敗しては元も子もないのだしょうがない。

「ああ、そうさえてもらうよ、だけど準備はてつだってもらうよ、そのほうが次につなげやすいし」

アルドは元気に答えた。

「おお、あたりまえだぜ!」

二人は準備のため寮を後にした。

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