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魔人を倒して  作者: みき はるか
黒髪の女性と魔人
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宿屋にて2

ウォルターはいろんな感情を顔にでるのをつとめて平静を装った後、こうたずねた。

「他には、なにもおぼえていらっしゃらない?」

黒髪の女性は雰囲気が少し変わったウオルターの様子から、今まで袖に扱われたことを思い出しのか、あわてている様子だった。

コレだけのやり取りでウォルターが思ったことはここまでひどいというか、記憶がなくても日常生活が送れているのだから、もっとほかにも覚えていてもいいのではないだろうかということだった。

魔人を倒して欲しい以外に何もほかの事を覚えていないとかありえるのかと思ったのである。

ここに来るまで魔人と対面して逃げたときの記憶が恐怖によってほとんど覚えてないとか、ただ単に記憶が混乱していて、また頼れるものがいないことからくる心細さや、魔人に遭遇して一刻を争う情報の伝達からあせってうまく話をまとめられないくらいの笑い話の可能性すら考えたのだから。

自分があまりにも魔人に固執するあまり、他の人間がそもそも魔人の情報を聞き出すだけでなくまず本人の情報を聞き出すという可能性を失念していたことに、ウォルターは気がついた。

そしてコレだけの違和感から魔人がいることに確信を持った。そうして若干ドヤ顔で口を開いた。黒髪の女性が沈黙に耐え切れず話しかけようとするのをさえぎってである。

「あの、でも本当なんです。」

「ああ、大丈夫です。多分魔人はいると思います。信じますよ、あなたの話を。」

それを聞いた周囲からこそこそとした話し声が聞こえてきた。内容は今のどこに信じる要素が?とかあんまりにもきれいな女性だから信じる振りをして信用を勝ち取った後ゴニョゴニョなどだ。

黒髪の女性も話を信じてもらえたくせに若干不審げな顔をしている。失礼な連中だそうウォルターは感じた。

「理由はあります。あなたの記憶喪失です。通常記憶喪失は頭に強い外的衝撃が加えられることによる外傷性。次に病気や薬、飲酒によって意識を失ってその拍子に起こる薬剤性や症候性。この二つは当てはまらないと思う。見た感じの様子では酔っても頭を強打した感じではなかった気がする。ありえるとするなら心的な衝撃やストレスに脳が防衛本能として現実逃避しようとする心因性なのだが」

周囲からのざわざわや黒髪の女性は納得が行ったという感じになっている。

しかしウォルターはこう続けた。

「だがそれも違うと思う」

周りはもったいぶるなという雰囲気にまでなった。

「私はあなたの記憶喪失は魔法によるものだと思います。そしてその魔法を行使したのは魔人です。」

周囲の人間と黒髪の女性ははっと息をのんだ。なんだかそんな気がしたからである。

「正直記憶喪失は軽度から重度があって、あなたがどのような経緯で記憶をなくなったかは正確に判断することはできません」

「けれど、昨日私は森の中で強い魔力の反応を感じてその場所に向かったところ、あなたを見つけるにいたったのです。」

「あなたの記憶喪失とあの魔力の反応、私はこう思います。」

ここまで一息に言って、そのあとウォルターはこう続けた。

「森で不幸にも魔人に出くわしてしまったあなたは、魔人に忘却の魔法をかけられたのです。国などに正体が露見するのを避ける意図があったのでしょう。殺さなかったのは多分人殺しが苦手な類の魔人だと思います。記憶を失った人間が森を無事に出れる可能性は限りなく低いので、攻撃魔法が使えないとか直接手を下したくなかったとかそんな理由だと思います。」

忘却魔法はここまできれいに忘れれるレベルになると多分魔人も忘却魔法に特化した部類だと思われた。つまり戦闘力は非常に低いということだ。しかしここでウォルターはそれを言わなかった。できるなら強力な魔法を使える魔人を倒した。そう宣伝して欲しいのに下手したら忘却魔法しかつかえないレベルの魔人を倒したとか言われたら、せっかく人払いをせずに魔人討伐の話を受けるという流れが台無しになるからだ。

多分王や一部貴族たちには気づかれるかあやしまれぐらいはするが、確証もなくそちらのほうが大半にとって都合がいいこともまた事実なので目を瞑ってくれると思われたのだ。

ウォルターは今王国の穀倉地帯すべてを管理している大貴族の一員でそして自身の実家である家から排出された勇者、しかしあまりにも体が弱く勇者の務めが果たせない妹の代わりに勇者としてのちから、勇者が出てから数年以内に出現されるといわれる魔王を討伐するだけの力があると示さなければならないのだ。

どうせ、魔人討伐の瞬間は誰にもみられないはずなのだからどうとでも言い訳できるのだしな。そう思いながらウォルターはこういった。

「あなたの記憶を奪ったにくき魔人、必ずや討伐してあなたの記憶を取り戻して差し上げましょう!」

食事どころは歓声があがり、目の前の黒髪の女性はとてもうれしそうな顔をしてこちらに御礼を言った。

それを少しバツの悪い思いをしながら、それをおくびにも出さないでおいた。

自分の頭の中で完結してて描写不足な文章だと思われた。そのうち書き足すといいな。

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