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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

夜道で怪物に声を掛けるのは危ないよ

作者: 孤独

最近、この近辺では夜、女性を狙った犯罪事件が増えている。


若い子に声をかけ、家に連れ込んでの………凶悪犯罪。


「鯉川婦警。あなたは”特別警官”に任命されるだけあって、1人での捜査ができましょう。しかし、それではいつ犯人を捕らえられるか。事態は早急です」

「そうですね。じゃ、私の友達に協力してもらいます」

「え?」

「大丈夫、私より強いか同じくらいの奴等にします」



◇    ◇



「とゆうわけで、これより。夜中に出歩く女性達を狙った犯罪者をとっ捕まえるため、腕っ節の美女達に来てもらいました」


鯉川友紀こいかわゆき、”特別警官”という協力な暴力を有する婦警さん。そんな彼女の友達も、”超人”と言われる桁外れの力を持つ女性達であった。


「いいわね、それ。犯人を好き放題殴っていいわけね」


その1.山本灯。同級生。”拳女王”、脅威のパンチ力は一瞬で相手をKOする。


「女の敵だね。僕も参加するよ」


その2.山寺沙耶。”死屍姫”、ゾンビを超えるタフネスぶりを持つ。鯉川の後輩に当たる。


「面白そう。こんな障害者にも声をかけるのかしら?」


その3.福道春香。歩行不能なため、車椅子生活を余儀なくされているが、この怪物達と遜色ない傑物。


「ふっ、美女を襲うか。私の人選は間違っていないな」


その4.木見潮朱里咲。未婚。福道の師匠。”軍神”と謳われる人で、テクニックにおいては人類最高レベルの武術家。それでも未婚!!


「30過ぎてますよ、私達」

「年齢は関係ないわ。強がり」


その5.その6.槌谷姉妹!姉、槌谷実麗。妹、槌谷美咲。

妹は灯の師匠。姉は病弱。朱里咲とは同門で一般人くらいなら百人ぐらいは同時に戦える。2人揃って未婚だけど、恋愛はしてるらしい!


「……やばいかな?なんか、犯人さんが可哀想に感じる」


呼んでおいて、呼びすぎてしまった感。しかし、鯉川。悪い事をしているのは犯人だからまぁいいかと、すぐに忘れる。



「ねーねー。朱里咲さんと、槌谷姉妹講師を、呼ぶのってどーなの?」

「そうですよね。3人共、30代じゃないですか」

「まさか、あんた等……犯人と結婚する気?」


アカン。早速、師弟同士の挑発が始まった。


「いかんなぁ、若いからって調子乗ってるんじゃないぞ。油断したらシワできるからな」

「そうだそうだ。学生恋愛なんて、将来まで続くと思うな」

「げほっ……恋愛なんかより、辛い時を大切にしてくれるパートナーこそが大事よ。私達姉妹みたいに」


キレてるんですけど。本来の目的、絶対もう忘れてそう。


「こうして、”超人”同士が集まれば」

「喧嘩するのがサダメってもんね」


絶対こいつ等、どーでもいいと思ってた!犯罪者を逮捕するより、戦いたいからここに来ただけだった。誰か止めて、この怪物達!あ、私しかできなかった。


「ストーップ!私が呼んだのは、犯人を逮捕できて、なおかつ。声をかけられるくらいの美人さんって条件!みんな、当てはまるじゃん」

「嬉しい事を言うな。30過ぎても、魅力ってのは失わない」

「ペラペラ喋ると焦ってるのバレバレ」

「朱里咲さん、犯人がイケメンだったら捕獲するでしょ。自分用に」

「いかんなぁ!そんな馬鹿な奴、どこにいる!?いくら未婚だからってそんな犯罪行為は最終手段だ!」


案にはあるのかよ!


「鯉川さーん。一ついい?」

「なに、沙耶ちゃん」

「声掛けてきた男を手当たり次第、捕まえろって事でしょ?めんどくない?」

「そうね。女を襲う奴だし、殴り殺した方が早いわ」

「違うでしょ、灯。警察に届けるのがめんどいのよ」


それも違うんだけど!つまりね



「声掛けられるまで待つの嫌だ。面倒」

「そんな顔だから声など、掛けられないものな。顔に残る火傷のせいで、若さが台無しだ」

「ババアにはもっと声なんてかけないわよ」

「いかんなぁ、今言った奴誰だ?先にぶっ殺すぞ」

「あー、よーするに沙耶ちゃん。面倒ってわけね、声を掛けられるのが」


そうそう。そーいうこと。


「私が一番美人だし、他は要らないわよね」

「げほぉっ……美咲。美しさだけじゃなく、こうして血を吐くことで心配したくなる気持ちを誘発できるんだぞ。女は見かけだけじゃない」

「それ、救急車呼ばれるだけだし!」

「犯人が1人だし、こんなに呼んだのは間違いだったわね」


少しでも犯人の情報があれば違っていたのにね。男だけしか分かっていない。短気な人達だから、探すのは嫌いだよね。なんか良い方法ある?


「僕、考えたんだけど。今の時間帯でうろつく男共を潰していった方が早くない?」

「あ、それ良いわね!ついでに犯人もくたばるね」

「ほう。若い子も、ありなんだろ?」

「手っ取り早いね」


呼んだ連中が一気に納得し、賛成すれば。呼び出した鯉川の声などまったく聞かずに散り散りになった。



「じゃあ、誰が一番。男をKOしたか勝負しましょ!」

「いいね!楽しそう!」

「それでは芸がない。イケメンは5ポイント、フツメンは3ポイント、ブサイクは1ポイント、結婚してる女100ポイントの得点制にしよう」

「標的絞るのも楽しそう」

「奪い合いも必死になるな」


夜の街に、怪物達が解き放たれた。


「男みっけー。死ねオラァ!!」


チャラチャラした男2人を、灯はなんの挨拶もなく、数を重視して拳で倒す。


「ごめんなさーい」


福道は拳法などを使わず、車椅子の突進のみで男達を華麗に轢き倒していく。


「ヤクザもどきが、調子乗ってるな!本当のヤクザの武を見せてあげる!」


沙耶はチンピラ気取りの集団を発見し、壊滅させる。


「なんで男子がこんな時間に女子とうろついている!体罰してやる!」


学生カップルを狙う美咲。カップルにむかついたから、女子も倒しておいた。


「イケメン。綺麗に倒さなきゃ!」


一方で実麗は標的を選び、いかに相手を傷つけずに倒したかを考えた。なんか芸術性を求め始める。


「結婚して幸せか?子供も連れて、どこかに食べに行っていたのか?そんなに家庭の幸せを私に見せ付けるのか?」


こんな時間でも出歩いている家族を狙い始めた朱里咲。完全に人の幸福を潰しに来ていた眼であった。


「お前!結婚するなら、私に良い男を紹介しろ!」


なぜだか、彼女だけ。男より女の方が倒している人数が多かった。



「あー。街がヤバイ。私、ヤバイ」


怪物共を呼んでしまい、後悔して路上で蹲る鯉川。


「あのー。お嬢さーん、お1人かな~」

「五月蝿い!もう!」


声を掛ける男にムシャクシャをぶつけ、腹パン一発でKOする鯉川。彼女も開き直る!


「こーなったら、私も暴れてやるー!男狩りしてやるわーーー!わははははは」

「う、うぐ」


ちなみに、鯉川が犯人をKOしたのであった。しかし、逮捕したのは別の警官だったらしい。

こうしてこの街の、女性への脅威は薄れたのであった。



◇    ◇


「えー、鯉川くん」

「はい」

「逮捕への協力。マコトに感謝する。しかし、君の呼んだ仲間達によって、やられた男の数は1000人を超える。酷い傷害罪が……」



バリンッ



鯉川は署長室の窓から凄まじい勢いで逃げた。もう追跡できないぐらいの距離まで逃げた。


「私だって知らないよ~~、そんなの~~!!」


とりあえず、風呂と洗濯がしたくなるくらいまで走ってよ。





たまには会話重視の物語も悪くないですね。

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