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出発は突然に

区切りの関係で短いです。


さて、出発の準備です!……何も持って行くものはありませんね。



おや?向こうでリオ君と脳筋隊の方々がお話ししていたはずですが、何故に泣き崩れているのですか?青ざめて固まる人達?号泣??

ーーーあ、きっと先程の謝罪がまだ続いているのですね。





「ドラゴン様、ユニコーン様、そろそろ出発しても宜しいでしょうか?」

先程泣いていた内の一人なのか若干まだ目が充血しています。


「あ、僕の名前はリオと言います。リオと読んでください」

「分かりました。私のことはシオルとお呼び下さい。魔法師団を束ねております。

此方は、騎士団隊長のダイスです。こう見えても彼は第二王子なんですよ」


肩で切り揃えた青い髪がサラサラ、ツヤツヤ、イケメンは髪まで完璧です!シオル隊長ですね。

リアル王子様!此方はダイス隊長ですか。金髪でワイルド系イケメンですね。

王子様でも尊敬はされていないようですが。

私も名乗りましょう。


「そうだな、私の名は……“リン”とでも呼んでもらおうか」

「リン様ですね、分かりました」

「主様のお名前は…リン様?」


私の言い方が気になるのでしょう。リオ君が不思議そうに確認します。


「リオ様、ドラゴンの皆様は真名というものがあるのですよ。

本当の名前の事ですが、真名は本質そのもの。知られると相手に支配されてしまうのです。

それを隠す為に、愛称や偽名を名乗るのですよ。

実際、我が国の守護竜アゼル様の御名前も真名ではありません」

「そうなのか!?」


リオ君ではなく、ダイスさんが驚きの声を上げました。自国の事でしょうに……アゼルさんは自国で影が薄いのですか?


「…ダイス、貴方は王宮で何を学んでいたのですか?国の恥になりますので黙っていて下さいね。」

「…………」


…王子様に対してズケズケと、シオルさんは意外にキツイ性格のようですね。敵に回してはいけないタイプです。



「まあ、私の真名を捕れる人間などいないがな」

「主様は大丈夫なのですか?」

「人はキャパシティ、つまり器が小さいからな。私の真名を呼んだ瞬間に身体がバラバラに飛び散るだろうな。

逆はまだマシだが、私が名を呼ぶことは、やはり危険だ。だから正式な名は呼ばない。

………私の真名を呼んで見るか?」


全員想像したのか、青ざめてますね。

私もグロいのは大嫌いですが実際に嘘も誇張もないですよ。

大きい滝の下に木箱を置いたら、バラバラになりますよね?あれと一緒で私の魔力を受ける事は不可能なのです。





向こうでは、リオ君がお友達と別れを惜しんでいます。

この場所からは見えませんが、私も自分の住処の方角を見ました。暫しのお別れです。

ーーーと。



「流石は主様、完璧に気配を消したつもりでおりましたが」


流石は長老様、完全に気配を感じておりませんでした。


木々の間からジュオンより一回りも大きいキメラが姿を現しました。

人語を喋れる知能と長年の深い知識に加え強靭な肉体を持つ、この森のスーパーチート長老様です。


「あ、長老様〜。

僕ね、主様の質問に答えられたの!長老様のおかげなの!後、主様とお外に行くんだ!」

「ほお?それは良かったの〜」


突然の魔獣の出現に殺気立っていた空気が、お祖父ちゃんと孫のようなやりとりに生暖かい空気に変わります。

一見すると、ユニコーンに襲いかかる肉食獣みたいですが。




「ところで主様、そのお姿で行かれるのですかのう?」

「?何かまずいか?」

「そのお姿では人間達は驚き、怯えましょう」


それもそうですね。

他の守護竜達も人の姿をしていますし。

ーーーうん。

一瞬にして自分の体が変化し、目線も低くなります。

前世(?)人間だった私には何の違和感もありません。



「主様、綺麗です〜」

「お見事ですな」


そ、そうですか?

照れますよ〜。(喜)


「「「…………女?」」」


どこをどう見たら私が男に見えるのですか!?脳筋隊。(怒)


「……人間はやっぱりあたま、じゃなくて目が悪いの?」

「オスとメスの区別もつかんとは嘆かわしい。

オスがオスに間違いで求愛行動しかねんのう」


脳筋隊の中からチラホラすすり泣く声が聞こえてきました。

後で知ったのですが、一目惚れでナンパしたら相手が男だったりオカマさんだったりされた方々だったようです。




「さて長老、暫く出る。後のことは任せる」

「畏まりました。

ご無事でのご帰還をお待ちしております。

リオも頑張るんじゃぞ」

「はい!頑張ります!」



「では、出発します」










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