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思い込みは突然に

さて、ユニコーンちゃんの可愛いらしさは分かりますが、こんな騒ぎを続けていたら日が暮れますね。

皆さん、先ずは落ち着きましょう。



「喧しい」



ピタリと全員が固まります。


…落ち着いて下さいと言いたかったんですよ。(泣)


物音一つしない静寂の中、心の中で泣きつつ目的を果たすべくリオ君と向き合います。



「リオ、お前には守護魔法の他に、精霊達の祝福まで付いている。

外の世界に行っても問題はないだろう」

「精霊の祝福が!?」


周囲から驚嘆の声が上がります。

驚くのも無理はありませんね。

精霊は全ての力の源の様な存在です。魔法だって精霊の力を借りているんですよ。

元々精霊は人間や知的生命体に興味を持ちません。

彼らは大地を花を木々を愛し、まるで旅人のように世界を巡ります。

ぶっちゃけ言ってしまえば、世界の栄養剤的な存在なのです。


……我ながら本当に身も蓋もない例えですね。


中には変わり者と呼ばれる精霊が稀に気に入った相手に一時的に契約をしたり祝福を授けたりといった事はありますが、100年に2、3人程度でしょう。

ユニコーンといえども例外ではありません。

唯一の例外はドラゴンです。

私達は大地の守護者として世界を守っていますので、大地を愛する精霊達にしてみれば、ありがとう〜♫お礼に力も祝福もバンバンあげちゃう♫、と言うところでしょうか。


魔法使いと呼ばれる人達には条件があり、精霊の気配を感じたり声が聞こえたり、滅多にいないのですが姿が見える等など、存在を感じ取れる能力が無いとなれません。

物凄く簡単に言うと、

人間達は精霊の存在を感じ彼等からコッソリと力を貰っている、と言った感じが分かりやすいでしょうか?

契約者や祝福者、精霊に近い魔獣などは精霊自ら渡すので、力も段違いです。

私達ドラゴンは押し売りの様に力をドンドン渡されます。(笑)

王である私には、【消滅してもいいから力を使って】だの【王様の為に仲間を沢山連れて来たからいつでも…キャ♫】だの、愛が恐ろしいほど重いです。


私達の一族が他の追随を許さない程の力の一旦にはこんな理由があるんですよ。


因みに今も、精霊達は私の腕を引っ張り取り合っています。

うふふ。モテ期到来ですか?




「そうだ。

その上でリオはどうしたい?」

「……ぼ…僕は…」


返答は急ぎませんよ。

ゆっくり考えてください。

御免なさい、私自身はまだ外に行こうとはどうしても思えないんです。

周りには親衛隊もどきが出来つつあるし、きっと大丈夫でしょう。

リオを見守っていると、精霊達が話し掛けてきます。


【主様、何処かに行くの?】

【森を出るの?】

【じゃあ僕らのとっておきの場所を案内しょう】

【夜に光るキノコの森?それとも逆さまに流れる滝?】

【七色の花を見せてあげようよ】

【花なら歌う花の方がいいよ〜】


オタクの心を鷲掴みにする言葉がドンドンでます。

で、でも外にはーーー


【美味しい物がいいよ。人間達は幸せな気持ちになれるんだって聞いたよ】

【甘〜い、メロロンの実?アチェの実?】

【お城の塀の向こう側で人間が外で煙をモクモクさせてたよ】

【い〜っぱいあるよな、あれって屋台とか言うんだぜ】



ーーー出てもいいかも。


うう。何ですか!?

精霊かわいこちゃん達は私のツボを知ってるんですか!?

ドラゴンは基本食事は必要としていませんが、食べる事も味わう事も出来ます。

記憶が戻る前の私は知識はあっても物や食べる事に無関心でしたが私は違いますよ!

光るキノコ!お城!未知の食材!

う〜ん。


「………行くか」


行かないか迷いますね。

どうしましょう、この森は気に入っていますし。



「主様、一緒に来てくれるんですか!?」


ーーーへ?


「僕、一人で不安だったんです!

主様が一緒なんてとっても嬉しいです!」


ちょっ、違っ!


「良かった〜」


「おお、ドラゴン様も同行してくれるのか」

「これは心強いな」

「ユニコーンの為にとは、慈悲深い」

「流石は守護者様だ、森の住民一人一人を大切を大切にしているんだな」




ーーー結論から申しますと、こんなオメメがキラキラしている人達には勝てませんでした。


そろそろストックがなくなりますので更新が少し遅れ気味になります。

次はリオちゃん視点になります。


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