説教は突然に
「なっ!国を滅ぼすだと!?理由も聞かずに一方的に…」
「関係ない」
激昂した騎士の言葉を遮ります。
「どんな理由も関係ない。誓約はそんな甘いものではない」
そこで一旦言葉を切るとゆっくりとここにいる全員の顔を見ました。
「お前達はたかが森に入るだけ、としか認識していなかっただろう?
殉職の覚悟か…お前達の命はそんなに立派なものなのか?」
「なに?」
「お前達の命は誓約を破棄出来るほど、全ての国が納得出来るほどのご立派なものかと聞いているのだ」
「!………」
やっぱり黙りますよね。
ここで肯定すれば何様だ?、とツッコミますよ。
「では一体どうすればよかったのです!?」
もう一人いる青色の髪のイケメンさんに逆ギレされました。
美人のイケメンが怒ると2割り増しに見えるお得顔ですね。
「マリエラ王妃が倒れてからもうすぐ半年です!
どんな治療も守護竜でさえも目覚めさせる事が出来ませんでした!その間にも少しずつ衰弱している王妃の為、ユニコーンの癒しの力を求めて何が悪いのですか!?」
「守護竜であるアゼル様は俺達の再三の求めにも応じず、薬やら魔術やらの研究ばかりだ!目の前にこの森に可能性があるのに、だ!」
「考えて行動するのはお前達の勝手だ。だが、安易に目の前の可能性に縋り付いただけではないのか?」
「……?」
「アゼルも出来るなら真っ先にユニコーンの力を借りたかっただろうが、守護竜達は誓約の恐ろしさをよく知っている。
聞けば王妃は今日明日亡くなるような状況でもない。だからこそ限界まで努力していたのではないか?」
「!」
「お前達も手は尽くしたんだろうが、それはギリギリか?言っておくがユニコーンにとって人間の側は、命が削られているのと同じだ。
まさか王妃の事しか考えていなかったとは、言わせんぞ」
『…………』
図星ですか?
猪突猛進ですか?
私のユニコーンちゃんを何だと思ってるんですか?
これからは脳筋隊と呼んで差し上げますよ。
「話にならないな。これで国を滅ぼされるなどになったらアゼルも浮かばれんな。
…先程の光球はアゼルからの通信魔法だ。
今の状況、お前達が森に向かった事、全て自分の責任だと連絡してきた。本来なら私に連絡する事も禁止されている。にも関わらず奴は自分の命一つで納めて欲しいと言ってきている」
「…………」
「アゼルは何も考えていないか?
王妃もお前達の事も」
「…………」
物音一つたたない静寂の中、誰も何も言いませんが、握り締めた拳が真っ白になっています。中には血が滲んでいる方や泥だらけの顔を歪めている方もいます。
やれやれ、です。
反省しているようですし、意地悪はここまでにしましょうか。
カミングアウトをしてしまえば森の立入禁止は私の、鬱陶しい連中から離れたい、独りでゆっくり過ごしたい、と私情が入りまくった思いから出来たものでした。
あの頃はまだ幼竜で沸点も低く、寄ってくる鬱陶しい連中にキレまくり連絡禁止!接触禁止!森に入った奴は潰す!
、と言い残して引きこもったのですが…。
正直、あの連中さえ入らなかったらどうでもよかったんです。
ここだけの話、人間が入っても別に気にしなかったんですよね。
寧ろ、怒り狂うのは守護竜達(鬱陶しい連中)です。
自分達が会えないのなら、他の連中も会うべきでは無い!、と勝手にジン条約を結んで自分達の首を絞めることになったおバカさん達ですから。
人間達の方がいい迷惑ですね。
忙しくて少ししか書けませんでした。(泣)
時間が欲しいです。