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怒りは突然に

不法侵入者ー!


私はダイヤモンドドラゴンだ!

ドラゴンの王…じゃなくて雌だから女王‼︎偉いのです!


鱗に黒色が入ってるから間違えられるけど竜王です!

格下と見られるなんて〜。

ダイヤモンド!金剛石!

幼少期に下っ端のオニキスと間違えられ過ぎて単語に反応してしまう自分が悔しい〜!

トラウマが〜(泣)


…腹いせに事故に見せかけてブレスでも…あれ?どこにいますか?



お兄さん達は咆哮の衝撃波で飛ばされて地面に這いつくばっていました。白銀の鎧やローブが泥だらけになってるのを見て少し溜飲が下がり愉快な気持ちになります。


どうやら殲滅魔法から咄嗟に重力魔法に切り換えたようで皆さん、体も起こす事も出来ない程重そうですね。

無意識に虐殺をしなかった良い子の私を誰か褒めて下さい。

因みに起きようとしたり攻撃を加えようとすると、重力が増すオマケ付きですか。

くふふ。

我ながら無意識でもやる事はやっているんですね。



私は軽いため息をつきました。

まずはいろいろ確認ですね。


ーーあ。

チラリと後ろを見るとユニコーン達が固まってプルプルしてました。

ふふふ。ユニコーンちゃんに嫌われたら重力魔法ぐらいではすみませんよ、お兄さん達。



誤解は後で解くとして、とりあえず先程の隊長?みたいな金髪イケメンと、他の人より上等な刺繍入りのローブを来た青い髪の魔法使い、二人の重力を若干緩めましょうか。

話してる時に、圧迫されて呼吸困難は困りますからね。

二人を見つめて口を開いた。


「何故人がいる?最高ランク、ジン条約によりここは立入が禁止されているはずだが?」

『ねぇ、条約って何?』


聞きなれない言葉だったのでしょう。まだ少し怯えをにじませたままユニコーンが周りの子達に聞いてきました。

場の空気を読んで欲しいなんて思いませんよ。

可愛い子は正義です。名誉挽回!もちろん、ここは印象を良くする為に私が親切丁寧に説明します。


「世界はこの森を中心に東西南北に四つの国と、その土地を守護する者たちがいるのは知っているか?」


…口調は相変わらずですが。


私から回答が来るとは思ってなかったらしく、目を丸くしながらも答えます。


『は…はい。長老様に教えてもらいました。えっと確か、創生神様が一番最初に誕生させたドラゴン様に世界を与え、ドラゴン様は後から生まれた人間に大地を貸しているんだと言っていました。大地に国を作った人が悪い事をしないように見張ってるのとえっと、土地の守護の為に各部族から選ばれたドラゴン様達の事を守護竜と呼ぶと教わりました』


合格ですよ。偉いですね〜

しっかりお勉強もしているのですね。

花丸をあげたいです。

因みに長老は700歳以上の例のキメラもどきです。

昔はやんちゃしていたらしいのですが今は、この森で生まれたばかりの子供達や外から来た魔獣などに物語や世界の成り立ちなどいろいろ教えているようでその姿はまさしく、縁側のお爺ちゃん、といった雰囲気です。


「合格だ。条約とは国家間、まあ国同士の決まり事だ。守護竜はあまり介入することはないが、守護竜同士の話し合いで決定されるものは最高ランク、初代竜王の名が付いたジン条約とも誓約とも名が付くんだ。

つまりは無視した場合は他の国々や守護竜達に滅ぼされても文句は言えないレベルの決まり事だな」

『怖いです〜』

「実際に滅ぼされた国もあるぞ。大抵は国が動く前に竜が滅ぼすがな」



…ん?

…お兄さん達、全員顔色が青くなってますよ?

まさか知らなかった訳じゃないですよね?




「…条約は知っているが、此方も悠長にしてはおれんのだ。ただの興味本位ではなく正当な理由もある。いざとなれば全員、殉職する覚悟で来たんだ」

「だいたい、国が滅びるとは少し大袈裟ではありませんか?」


騎士の方が偉そうに、魔法使いの方が少し呆れを滲ませた声で答えますが私の方が呆れているんですよ?

顔だけイケメンの残念おバカさん。

自分達が何をしたのか全く分かってないようです。

今のこの状況も。




「2000年以上前に、南のムガザ王国が守護竜によって滅ぼされたが?」

「ムガザ王国…?…ああ、一夜にして滅びた国ですね。あれは火山噴火が原因では?実際、火山灰の下から遺跡が発見されていましたよ」

「確かに火山噴火が原因だな。正確に言えば、当時守護竜だった火竜が引き起こした噴火だがな」

「…………え?」



錬金術が特化した大変栄えた国でしたが、実験の途中で出る廃棄物、地球で言う化学汚染物を地面や川に流した上、自国の守護竜の警告にも耳を貸さず、大地を汚染し尽くした国でしたが最後は自国の守護竜の手で滅ぼされました。


因みに何故噴火かと言うと、ルビードラゴンは短気が多く、ちまちまできるか!じゃあ一気にやっちまえと、身も蓋もない理由からだったような〜(汗)とりあえず黙っていましょう。



「もう一つは大陸の端にあるセル島という小島にあったノルドイル国があったが当時の王竜が島ごと海に沈めたな。」


ノルドイル国の王はドラゴンの卵や幼子を捕らえ研究を繰り返していたとか。定番の永遠の命やら力やら、らしいですが、寿命が長いだけで私達もちゃんと寿命ありますからね?

力って人間に比べたらあるに決まってるじゃないですか。

比較するのおかしいですよね?


先代だった当時の竜王の怒りと悲しみは島を沈めた後も収まらず、三日三晩咆哮が響き渡ったといいます。




…顔色が青から白くなってますね。

人間の顔色って不思議ですね〜(笑)


でもまだまだ終わっていませんよ?



「古すぎて伝わっていなかったか?まあいい、

ーーーーおめでとう、お前達は記念すべき三例目だ。なに、理由も心配事もなくなるぞ。国ごと消滅するのだからな」



我ながら意地悪ですか?





位はダイヤモンドが最高位でその後にサファイア、ルビー、エメラルド等があります。

因みに一番下がクリスタルで下から2番目にオニキスと続きます。

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