植物育成は突然に
拙い文章を見て頂きありがとうございます。お気に入りや評価、感想等とても励みになります。m(__)m
短いですが、お祝いに久々の連続投稿です。
おお!ナイスアイディアですよ私。
先ずは倒れている隊員さん達を移動させなければいけませんね。
「アゼル、今からあの木に向かって攻撃魔法を放て」
「し、しかし我が主様、あの木は攻撃を吸収します。これ以上力を与えるのは危険です。それに先程、私はあの木に力をだいぶ吸い取られています。あれを破壊するのは困難かと」
あ〜、あそこ迄大きくなったのはアゼルさんの魔力のせいでしたか。
しかし、守護竜や他の人の魔力を吸収してもまだ成長を続けているなんて、どれだけキャパシティの大きな木ですか?
「大丈夫だ。破壊しろとは言っていない。木に直接衝撃を与えてくれれば、後はどうにでもなる。…アゼル、頼りにしているぞ」
「ーー!?は、はい!!この私めにお任せ下さい!」
はい。頼りにさせて頂きますが、こんなに単純でこの人、この先大丈夫ですか?……将来悪い女性に引っかからない事を祈ります。
周囲の人達が下がるのを確認し、アゼルさんが結界を解きます。
同時に力を込めているのはーー風ですね。
魔力に反応し足元から風が巻き起こる中、手を正面に翳してモモンゴーの木に向かい一気に力を解放しました。
「我が主様へ捧げる、私の忠誠と愛の力を受けなさい!」
いるかい、そんなもんっ!!
私の突っ込みを置き去りに、解き放たれた風がカマイタチとなって地面を抉りながら、無数に木へと襲いかかります。
攻撃が吸収される中、幾つかが突破し次々に葉や枝を切り落としていきます。
ああ!モモンゴーちゃん!
破壊するなと言ったでしょう!衝撃を与えろと言ったのに〜。
ーーしかし、あの障壁を突破するなんて、ストーカーの力とは恐ろしいものですね。
あ、見ている場合ではありませんね。ダメージを受けて吸収する力が弱まった今がチャンスです。
私も倒れている隊員さん達を視界に入れながら、腕を横に薙ぎます。
教わらずとも呼吸ができるように、力の使い方も同様に何となくわかります。今のはスマホを指で動かす感覚に近いですね。
一瞬だけ空間がぶれ、ダイス隊長さんの前に全員移動させました。
……時空魔法ですが人命救助なので許してくれますよね?
さて、人命救助も終わりましたし…うふふふふふ。
口元が緩んでしまいます。これからが本番です。
夢に向かってGO!GO!ですよ。
「我が主様?」
アゼルさんを無視し、木に向かいます。確かに近づくにつれ魔力が吸い取られていくような気がしますね。
このくらいなら問題な〜い、ですよ。うふふ、モモンゴーちゃん。たくさん魔力をとって大きくなって下さいね。
あ、私が直接モモンゴーちゃんに魔力を与えたら、もっと早く大きくなりますか?
うんうん。今日の私は冴えていますね。
では、早速取り掛かりましょう!
木に直接手をつけると、そこから一気に魔力を流し込みます。
おお〜どんどん吸い込みますよ。何だか楽しくなってきました。調子に乗ってやっていると、幹が葉が、どんどん上に向かって成長し、空を覆い尽くしていきます。これぞリアルト○ロですね。早い、早い。
果実が幾つもあちこちで大きくなってきています。
希望はスイカサイズですが、日本人らしく控えめにメロンサイズでもいいです。
初めはそのまま食べて、タルトやジャム、ゼリーやそのまま果肉を干しても美味しそうですね。
“ 早く実がなれモモンゴーの木、実がならないならアゼルさんがちょん切ってしまいますよ〜 ”
なんて何処かの蟹の様に歌いながら魔力を流していると、 “ ピキッ ”、と音がしました。
………?
ピキッ、ピキッピキッピキッ
………???
ピキッ、ピピピピッ、ピキッ
バキッバキッバキッ!
バキィイイィィッッッ!!!
…………………………はい?
はいぃぃぃ!!??
……真ん中から真っ二つに裂けましたよ。
これってもしかして、魔力の与え過ぎ、とかですか?
し、しまったあぁぁっ!!(大泣)




