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近状報告は突然に

今回は少し短めです。


あれから一ヶ月が経ちました。

気候も穏やかになり、私の散策も絶好調です。


城下町の人達にも顔見知りが増え、今時期の美味しい果物やら魚やら驚きと発見で、面白いものがいっぱい。毎日が新鮮です。



そうそうこの間、非公式でキラキラ国王一家と食事会をしたのですよ。

辞退をしたかったのですか、こちらは居候の身ですから断り切れませんでした。……またあの試練を受けろと言うのですね。(泣)

前もって謝罪や礼は無しでとお願いしたので、アットホームな雰囲気の中でのメンバーは国王夫妻と第一王子のロウカさん、それに私とリオ君です。

第二王子のダイスさんは謹慎中の上に、王族から外れるとの事でした。原因は私!?、と焦りましたが条約を無視し、森に行った時点で決まっていたらしいです。

私には政治的な問題は一切分かりませんが、親子関係が無くなる訳ではありませんよね?本人達が納得済みなら部外者の私がどうこう言ってもしょうがないですし。

因みにアゼルさんはどうしても抜けれないご用があるとかで、欠席です。……歯ぎしりをしながら、『我が主様との時間を邪魔したあの馬鹿貴族を(ピーーッ(不適切用語))で(ピーーッ(自主規制))してやりましょうか』、と恐ろしい呟きはスルーします。

私、中身は一般人ですよ?怖くて泣きそうですよ?夢に見そうです。



果実を絞った100%ジュースを飲みながら会話をしたのですが、王様も王妃様も親バ…いえ、子供を大事にされているようで息子自慢が凄かった。

やれ学校では主席で卒業しただの、国政では革新的な政策を打ち出しているだの、婚約者はいないだの、好みの女性のタイプだの。

反対に私に森でどの様に暮していたのかだの、好きな食べ物や好みのタイプだの、まるでお見合いみたいでしたよ。わっはっは。



和やかな雰囲気の中、料理が運ばれて来ましたが、私にはここからが試練の始まりです。

前菜は大きな白いお皿に魚のマリネ?もどき。紫と黄色のソースの色がアクセントになっています。

前回の見た目と味のギャップを思い出し内心顔が引きつりそうになりますが、面の皮が厚い事に感謝しつつナイフとフォークを持っていざっ!……これが美味しかったのですよ〜。

私が薄味?庶民派料理が好きなことを何処からかリサーチしていたみたいです。

ウマ〜です。これぞおもてなしですよ。


ふむ。王様達は何処と無く物足りなさそうですね。あんな食事を生まれた時からとっていたら舌が馬鹿になりそうです。



ついでにと、パクパク食べながら糖尿病や動脈硬化、高血圧症など食事改善をしないと恐ろしい事になりますよ〜っと、軽〜く脅してみたところ症状に心当たりがあるのか顔色が若干青ざめ、鬼気迫る感じでの怒涛の質問攻撃。

お見合いの雰囲気から一変、食事療法や医学的な症状等の説明会になりました。

自分の命がかかっていますからね。真剣になりますか。

おかげで王宮内で食事改革が始まり私、料理の先生の真似事をしてます。




その流れで週一でお料理教室を開催しております。

今回はリオ君も一緒に食べれるようにと、簡単パンケーキを作って料理長さんやメイドさんに味見をしてもらったところ大好評でしたよ。リオ君の満面の笑みにお姉さんクラクラです。

口いっぱいに頬張りアムアム食べる姿を見続けたいが為に、材料が無くなるまでやき続けました。

途中、ジルさんやダンジュさん、サリーさんも加わり感想を聞かせてもらっている途中、扉の奥から何か聞こえてきます。

遠くから轟音を響かせてやって来たのはアゼルさんでした。何処からかパンケーキの試食会の話を聞きつけてきたらしいのですが、残念ながら材料切れてす。



絶望に打ちひしがれ、崩れ落ちたアゼルさんの前に、サリーさんがそっと差し出したのはお皿に乗ったパンケーキ。…主従愛ですね〜。


「アゼル様、こちらのパンケーキはナイフで半分にしただけなので口はつけておりません。

残念ながら半分は食べてしまいましたが、残り半分は二口分はあるでしょう。

一口、一山で保管室にある書類二山、本日中に処理をして頂けるならお譲りしましょう」


「やりましょう!」


「ありがとうございます。ではこちらをどうぞ」



喜ぶアゼルさんと微笑むサリーさんですが、………あれぇ?…これって本当に主従愛ですか??




サリーさんと言えば、この前に聞いたのですよ。お部屋の改装の進み具合を。

アゼルさんの仕事を優先して下さいと、お願いしたので遅くなるとは思ってましたが遅すぎませんか?もう一ヶ月近く経ちますし。


サリーさんのご報告によると、山のような仕事を放り投げ私に会いに来る。その後サリーさんに連行され、嫌々ながら仕事をするも効率が落ちまくり、何とか時間の合間で部屋の改装に取り掛かると、横から華やかさが足りないと、宝石や黄金で装飾し始めサリーさんからダメ出し。

これがエンドレスに繰り返し。


……それは進みませんよアゼルさん。

申し訳ございませんと謝るサリーさんですが、貴方は全く悪くありません。寧ろアゼルさんを締めなければ。



まあ、あの客室に私物が増え、どんどん住み心地はよくなってますし、今の生活に不満は全くありませんので、暫くこのままでもいいかな〜、なんて思っています。





そして今は城の図書館に来ています。


本日はリオ君とお勉強会です。



そんなこんなで、森に居た時よりも充実した毎日を過ごしております。




















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