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専属騎士は突然に ぷらす 小話

お気に入り200件超えありがとうございます。

お礼小話が一番下にありますのでお楽しみ下さい。

兄弟に親切丁寧なお説教タイムが暫く続きます。


品物を壊して逃げた事、周囲に迷惑をかけた事、マザーさんが悲しむ事、特に女性の年齢に関する事柄は万死に値する事など。まあ、これに関してはマザーさんも同じように言っていたらしいですが。

因みに途中で止めようとした、ジルさんとその他数名の男の人達も一緒に正座付きの説教中です。

話の途中で入ってきたらいけません。中途半端な説教は逆効果なのですよ。




「…と、まあ、こんなところか?お前達、分かったな」

「「「………………。」」」

「分かったな?」

「「「………………はぃぃ…」」」


声に力がありませんが、まあいいでしょう。

奥ではコソコソと怖いだの怒らせるな、だの聞こえますがそこはスルーです。




「さて、次に…」

「まだあるの!?」

「当たり前だ。先程リオにぶつかった謝罪は終わったが、今度は果物を踏み潰した件だ」

「…それって、さっきの謝罪に含まれない?」

「それとこれとは別だ。私は食べ物を粗末に扱う奴は嫌いだからな」


私、もったいない精神で宮廷料理しれんに挑み見事勝利しましたが、何か?

ミオの実という、私からすれば天国の果物を踏み潰すなんて許しません。



「わざとではなかろうが、私の支払いで買ったものだ、罰は受けて貰う。

……そうだな、お前達はこの辺りに詳しいのだろう?罰として二時間ほど、店などを案内をしてくれ」

「それ罰になるのか?…姉ちゃん達は貴族様だろう?後ろは付き人みたいだし。

俺達みないなのの、案内なんているのか?」

「私は貴族では無いし、お前達に頼んでいるんだ。それに一緒に歩くならむさ苦しい男どもより子供の方が断然いい」


後ろから『ひでぇ!』と、声が聞こえましたが気のせいです。

別にジルさん達も顔は整っているのですよ?ただ、子供目線の案内の方が楽しめそうです。

改めて、お互い自己紹介の後、ニック君がリオ君に質問をしました。




「なあなあリオ、このすげー姉ちゃんとは姉弟?あんまり顔は似てないけど」

「違いますよ〜。主様はリン様です。僕は主様の……森の住人?……部下?……下僕?、奴隷?……う〜ん」


リオ君が喋る度に、周りの温度が下がっていく気がするのですが!?

ちょっ!誤解です!

そこへジルさんが、助け舟を出してくれました。


「何処でそんな言葉覚えたんだか。この子はリン様の騎士なんだよ〜」

「僕が騎士?」

「そ。主に仕え剣と忠誠を誓う、まあ、命をかけて主人を守る職業だな。かっこいいぞ〜」

「…忠誠…守る……かっこいい……うん!僕は主様の騎士になります!!」


え?勝手に!?

ダンジュさんが魔法使いも良いぞ、と小さな声で言ってますがジルさんがリオ君を言葉巧みに誘導してますよ!?リオ君、気づいて!





「僕は騎士〜♫、主様の騎士〜♫お守りする騎士〜♫いつもおっそっばっにいる騎士〜♫」


…誰がこんな純粋無垢の存在に文句を言えますか?

ジルさんやトーマス君、周りの大人達も楽しそうに一緒に歌いながら、リオ君をその気にさせるのはやめて下さい。

恥ずかしくて居た堪れないですよ。

遠い目をした私をニック君が大変だな、と労ってくれました。うう、いい子ですね。惚れてまうやろ〜。





その後はニック君とトーマス君の案内でいろんな場所や店に行きました。

ファンタジー定番の剣や防具が置いているお店や薬屋さん、何と冒険者ギルドもありましたよ!ギルド内には入りませんでしたが、近いうちに登録をしたいものです。

ジルさんやダンジュさんも知らない店が沢山あり二人を褒めていました。

やっぱり子供はいろいろ見ていますね。


後、この時間に噴水広場で人形劇があると言うので皆さんで見に行きましたよ。

何とアゼルさんが主人公なのです。(笑)

代替わりで守護竜になる為に、ドラゴンの姿でこの国に降り立つところから物語が始まります。この国の王様や騎士団、魔法師団達と協力して悪い大臣や魔獣を倒し、貴族のお姫様を助けたりと、定番の物語でしたがアゼルさんをからかうネタが出来ました。

まお…いえ、勇者(笑)アゼルさんと呼んであげましょう。




ぶらぶらしながらの散策は目に映るもの全てが新鮮でワクワクします。

焼き魚を皆さんで食べたり(リオ君は野菜で、副隊長さん達は少年らが遠慮して食べれないだろうと脅して)、果物や野菜、甘さ控えめ素朴な味わいの日持ちのする焼き菓子(試食済み)、後でパンケーキを作ろうと小麦粉や卵、蜂蜜なども買いました。後は何を買いましょうか〜♫



「ね、姉ちゃん、まだ買うのか?」

「そのつもりだが?」

「幾ら何でも買いすぎだろ!後ろ見てみろよ!」


後ろですか?

…………小型とはいえ、リヤカー2台分のお買い物は多過ぎますか?

ダンジュさんは平気そうですが、ジルさんは息も絶え絶えですね。頑張ってください、騎士様。


「…少し買いすぎたか?」

「いや、少しじゃねーし」


ナイスツッコミですよニック君。

だって、異世界産直?のものですよ?

ぜんせから気に入った物は大量買いする癖があり、大好きなゲームソフトは勿論のこと、文房具、食料品、特に生ものは悲惨でした。できるだけ冷凍して後はひたすら食べ続ける。玉子を段ボールで大量買いした時には、周りの人達に配りまくり、残りは玉子かけご飯や天津飯など玉子料理のオンパレードでした。複雑ですが、アレで料理の腕前が上がり結果オーライですか?



しかし、どうしましょうか?

城で使ってもらうという手もありますが。…私は一応アゼルさんの上司ですし、無駄使いがバレたら威厳が!?いけません!!


「…お前達の家は人数が多いのか?」

「?孤児院だしそれなりにいるぜ。」

「…頼みがある。このまま帰ると私的に不味いことになる。少し持って帰るので残りを孤児院で使ってくれないか?」

「は!?何で!?使うから買ったんじゃないのか?」

「世の中は不思議で溢れているんだ」


「…それって姉ちゃんの衝動買いなだけじゃん」




そうとも言います。

















(小話)


200年以上前のある日、ある場所、ある守護竜たち。




「ちょっと待ちな、ルト」


そう言うとレイラはルトの頭を鷲掴みにする。


「な、ちょっ!僕の頭を掴まないでくれる!?少し自分の身長が高いからって」

「あ〜、そりゃあ悪かったね。ちょうどいい位置に頭があったもんでね〜」

「………ま、まあ、まだまだ僕は成長期だし、これから身長は伸びるし?どっかの誰かさんみたいに後は下り坂、な〜んて事もないからね」

「…誰の事を言ってるんだい?」

「さあね?僕はレイラとは言っていないよ?」


一触即発の空気の中、ガイラルが呆れながらルトを軽く小突いた。


「いてっ!何するんだよガイラル!」

「そうやってレイラを煙に巻くのは止めろ。…レイラは何を言いたかったんだ?」

「あっ!そうだよ!危うく忘れるところだった」

「…そのまま忘れてくれて良かったのに」


口を尖らせるルトをレイラは睨むと、彼の手にあるクッションを指差した。


「アンタそれ、我が主様がお休みに使われたクッションだね!」

「なんですって!?」


今まで我関せず、と隅で本を読んでいたアゼルが本を放り投げ、電光石火の素早い動きで彼らの側に来た。

因みに元々劣化し、かなり傷みがあった金貨900枚の貴重な古文書は、彼のせいで修復不可能なまでボロボロになり、おそらく二度と日の目を見る事は無いだろう。




「ルト、説明しなさい。

場合によっては我々に対する裏切り行為になりますよ」

「裏切り者には死を!ってね〜、ルトちゃ〜ん。あたし達にも納得できる説明をしな」

「ルト、悪い事は言わない。

正直に言った方がいい。言いにくいなら500文字が入る紙が1000枚ほどある。書くか?」

「そんなの要らないよ。“ほしいから”、以上で5文字だもん……ゴメンね♫」


首を傾げて謝る姿は容姿と合間って大概の人間が許すほど可愛らしいのだが、残念な事に他の守護竜達の感情を一ミリも動かせなかったようだ。



「ゴメンね♫、で済めば守護竜などいりませんよ」

「だって〜、我が主様の使われた物をいつも四人で分け合うんだよ?

少ないよ〜、僕はもっともっとコレクションしたいのに〜。気持ち、分かるでしょ?」

「確かにそれは俺も感じた。

最近我が主様は気配を消す魔法を覚えたらしく、一人で何処かに行かれてしまう。それによって我々の収集が困難になった」

「誰だい!?あたし達の不利益になるような魔法を教えたのは!?」

「……あ。あ〜、アゼルだ〜。馬鹿だ〜。考えたら分かるのに」

「私だって分かっていましたよ。…しかし想像してみて下さい。我が主様におねだりされる自分を!!断りますか!?断れないですよ!」


全員、暫し想像してみる。


「喜んで教えるだろうね〜」

「僕、手取り足取り教えるよ」

「断る方がおかしい」


全員納得した。



「は〜、それにしても困ったね。ルトは後でシメるとして、今後どうするかだね〜」

「シメないでよ。でも難しい問題だよね。あ〜あ、我が主様が頻繁に使っておられる物とか何処かにないかな〜。……ん?」

「そうだね〜、よく触ってる物とかさ〜。……ん?」

「……ガイラル、そういえば貴方最近よく我が主様と移動されていますよね?」

「そうそう、僕らを差し置いて抱っこ権を勝手に取ったんだよね〜」

「…我が主様をずっと抱えていた手、ね〜…」

「お前達、目つきが怖いんだが?」


ちょっとやそっとでは動じないガイラルではあるが、自分、いや自分の両手を見る他の者達の目つきに、思わず後ずさる。


「う〜ん。あのガイラルの手かい?ホルマリン漬けは嫌だね〜」

「何を言っているんですか?時空魔法を使いますよ。

禁じたのは初代竜王ですが、私達の主ではありません。故に従う理由が何処にもありません」

「そうだね〜、綺麗なまま保存出来るし〜。ただ二本しか無いんだよね〜」

「それは由々しき問題ですね。……ガイラル、実は腕が三本あったりしませんか?」

「あるか!!…と言うかお前達、俺の手を切り落とすことが前提か!?」

「「「…ふふふふふ」」」




ここに攻防戦の幕が切って落とされるーーーーかも知れない。










小話はチョッピリ黒いアゼルを書こうと思っていたのですが、煮詰まってしまい、ふと、いつも通りの小話で他の守護竜達を出したら、あら不思議。あっと言う間に書けました。(笑)

呪いか!?アゼルばかり贔屓するなと?


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