ep.3 職業の神殿
街に入ろうと思ったが困ったことに気がついた。
スノウを連れていたら身バレする可能性が出てきたことだ。
蓮はランキング一位だったこともありプレイヤー達の知名度はトップクラスだ。
もちろん戦術についてもよく知られている。
ユニークジョブが何かはバレていないだろうから、多少誤魔化すことができるだろう。けれど友人たちの目は誤魔化せない。
友人たちとは蓮と同じトップランカーたちのことだ。
塔の途中までは一緒に攻略していた仲だ。
彼らは蓮のユニークジョブがテイマーな事を知っているし、スノウのことも知っている。
だが、テイマーには便利スキルがある。
『対等な絆』
これは、蓮と契約した対象とスキルをお互いに共有するスキルだった。
そして、スノウには、認識阻害のスキルがある。
「スノウスキル借りるね」
「うん」
蓮は『対等な絆』を発動させ『揺らめく影』認識阻害スキルを発動させた。
「効果が切れる前に早く行っちゃおう」
蓮はスノウの手を引いてある場所へと急いだ。
「ついた!」
そこには白く輝く神殿が建っていた。
「蓮ここは何の建物なの?」
「職業の神殿だよ。ここで職業を選べるんだ」
蓮がここに来た目的は一つもう一つの職業を得るための準備と言ったところだ。
「ぱっと済ませるからちょっと待っててくれる?」
「分かった」
蓮は神殿の少し奥まで進むと目の前にメニュー画面が出てきた。
そこにはバリエーション豊かな職業の数々が用意されていた。
「選ぶのは決まってる」
蓮はある職業の元まで画面をスワイプし、選択ボタンを押した。
『錬金術師でよろしいですか?』
「YES」
すると蓮の体は光に包まれ、ポシェットのついた赤いマントの装備へと変化した。
これは初期配布装備と言われるものだ。
攻略で手詰まりしないようにとそれなりの性能をしている。
「用事も済ませたし早く外に戻ろう」
蓮は駆け足で外へと向かった。
「あ、蓮戻ってきた」
「待っててくれてありがとな」
次は聡との合流を図りたい。チュートリアルなら正規ルートで十分もかからないはずだ。
それならもうここらへんにいるはず。
辺りを見渡すと案外すぐに見つかった。
「スノウはどうしよう⋯」
これから一緒にいるなら明かしてもいいけどここじゃ目立つしなー。
とりあえず、スノウの分の認識阻害はキープしておこう。そう決めて聡の元へと向かった。
「よう聡。元気そうだな」
「蓮か!合流出来てよかった」
と聡は胸を撫で下ろした。
「ところでその装備って鎌使いのやつか?」
「よくわかったな」
「まあ、友人が似たような職業だったからな。ところで少し内密な話をしたいから人がいないところでいいか?」
少しなぜだろうという顔をしたあと。
「わかった。内密だな」
と言うわけで二人もとい三人は路地裏へと向かった。
「もうここならいいか。『揺らめく影』解除」
すると突然スノウがそこにいたかのようにそこに現れた。
「⋯お前、レンか?」
何かに気づいたかのように聡はスノウをみたあとはそう言った。