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《第二章完結》世界が静かになっても君の羅列と耳障りな雑音《ノイズ》は消えなくて  作者: 三愛 紫月
第二章 悲しみと新しい日常

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side 琴葉

昨日は、あれから誰も来なかった。

お母さんは、もう一度来ると言ってはくれたけれど……。

私が断ってしまった。



「おはようございます」

「おはようございます」

「体調は、どうですか?」

「特に、大丈夫です」



お医者さんと看護士さんに最後の診察を受ける。

別の看護士さんがやってきて、退院の手続きをしてくるので帰る準備をしていてくださいと言われた。

荷物を纏めながら、考える。

明日は、音は仕事が休み。

お昼にでも、家に行って……。

無理矢理でも、話さなきゃいけない状態を作ったらどうだろうか?

いくら、嫌でも。

そんな状況になれば、仕方ないと話してくれるだろう。



「手続きが終わりました。お会計をして帰ってくださいね」

「はい。わかりました」



退院の手続きの用紙をもらって一階に降りる。

支払いだけすれば終わり。



「琴葉」

「真弓」

「よかった。間に合って」

「どうして?」

「昨日、一葉ちゃんからお姉ちゃん明日退院するって聞いて。退院って、午前中かなって思って急いで来たんだ」

「わざわざ来なくてもよかったのに……。お会計して帰るだけだし」

「お会計って言ったって、大きい病院だし時間かかるでしょ!それに、1人だと心細かったでしょ?」



真弓の言葉に何故か涙がポロポロと零れ落ちた。

音なら絶対一緒にいてくれたとか、音なら来なくてもいいって言ったって来てくれたとか……そんな事ばかり考えていた。



「ほら。やっぱり、心細かったんじゃん」

「だね」

「もう、琴葉は素直じゃないんだから……」

「そうだね」

「お会計待ちながら何か飲む?」

「確か、コンピにあったはず」

「せっかくだから、お洒落な飲み物飲もうよ」

「うん」


真弓が来てくれただけで、安心する。

よかった。

一人じゃない。



「退院の手続きって、長いね」

「そうなの。朝から、看護師さんがやってくれてたんだけどね。会計は、病院の会計が開いてからみたい」

「へぇーー。そうなんだ」

「私も大人になってから入院した事ないから、よくわかんなくてね」

「それはわかる。私もないから」


真弓は、私がどうして倒れたのか聞かなかった。

気になっているはずなのに……。

この怪我の時も聞かなかった。

あの時は、音が徹君に話していたのかも知れない。


「どうした?」

「ううん。何でもない」

「何でもない事ないでしょ?深刻そうな顔してるよ」


ずっと聞きたかった。

聞きたくなかった。

でも、今なら……。

音と同じ立場になった今なら……。

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