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《第二章完結》世界が静かになっても君の羅列と耳障りな雑音《ノイズ》は消えなくて  作者: 三愛 紫月
第二章 悲しみと新しい日常

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27/48

side 音

「二階は、貸しきりにしてもらったんだ。白山君のお店、オープンして3ヶ月だから。ようやく落ち着いたって話聞いてね」

「うん」

「どうしたの?いつもみたいに話していいんだよ?」

「……」

「珍しく人見知り?だったら、スマホのアプリに入力して」

【わかった】

「ちょっと待ってね。美佐子ーー、由奈ーー」



ちょうどやってきた同級生達と一緒に二階に上がってくと……。

二階には、もっとたくさんの同級生達がいて。

お昼に食べたお寿司が上がってくる。


徹……。

早く来てくれないか。



「才川、久しぶり」

【久しぶり】

「28会の時と違って、完全に話せなくなった?」

【今日は、調子がよくなくて。白山のお店、素敵だね】

「ありがとう。後、28の時はごめんな」

「白山……おっ、才川も来てくれたんだ」


白山が話しかけてきたこど、内心帰りたくて……。

そこに田村まで、現れた。


「あーー、白山君。すごいね」


白山がいるから、女子まで集まってくる。


「才川って、耳完全に聞こえなくなったんだろ?」

「らしいよ」

「やめろよ、聞こえるだろ」

「聞こえるわけないじゃん」

「スマホアプリ開いてたし」

「それって話してる時だけだろ?ってか、これ考えたのって誰?」

「美弥子ちゃんだって」

「うわーー。あいつ酷いな」

「才川は、顔がいいからだろ?耳聞こえなくたって十分おつりくるだろ」

「ヤバい、ヤバい、公開処刑じゃない?」

「まじで!黒瀬くろせにフラれた腹いせか?」

「違うって。私は、耳が聞こえない男も愛せる優しい女の子なんだよってアピールしてるの」

「って、松波まつなみから黒瀬取り戻す作戦か?」

「美弥子ちゃんなら、有り得る」

「そうそう。昔から、そうだったよねぇーー。男子は、騙されるから駄目なんだよ」

「特に、才川はモテてたしな」

「本当!あの頃の才川を奪われたのはショックだったけど。今の才川なら、ショックじゃないかな」

「それって耳聞こえないから?」

「そうそう。耳って大事じゃん。同じ音楽聞けないとか映画やドラマも見れないし。まじで!終わってるから」

「あーー、わかる、わかる」

「いい加減に才川の前で話すのやめろよ。俺、仕事戻るわ。才川、ゆっくりしてけよ」


俺は、白山の言葉に頷いた。

鞄の中にあるスマホに映る羅列は、俺をただただ傷つけた。


もう見たくない。

俺は、スマホの電源を落とす。


「才川ってスマホ使ったら話せんの?」


鞄から真っ黒な画面のスマホを見せて、申し訳なさそうに笑った。


「スマホじゅうでんぎれか?これで、わかる?」

【いいよ、気にしないで。他のみんなと話して】

「わかった。ごめんな」


お笑い担当の田村は、申し訳なさそうに謝って、今までいたメンバーを引き連れて離れて行く。

よかった。

終わるまで、このままいよう。


美弥子は、友達と話して戻ってこない。


「これ、うちのオススメ。食べて」


白山がやってきて、パンケーキとコーヒーを置いてくれる。

俺は、さっきと同じようにスマホ画面を見せて謝る。


「いいって、いいって。おれも、しごとだからごめん。さいかわとはなしたいけど、しごとしなきゃだから」


白山は、俺にわかるように一字一句ゆっくりと口を動かしてくれる。

喫茶店を始めたからかも知れない。

いや、28会の時に徹が話してくれたからかも。


「じゃあ。ゆっくりして」


白山の言葉に頷いた。

このパンケーキは、白山の名字の白い山をイメージしたたっぷりのクリームが絞られている。

琴葉なら、喜んで食べるかもな。

一口食べると口に甘味が広がる。

その甘味は、嫌な甘さじゃなくて優しくて……。

泣きそうになる。


帰りたい。

消えたい。

ブラックコーヒー飲んだからだ。

胃が痛い。



助けて……徹。

早く来て……徹。

じゃなきゃ、俺。



「ちょっと、あんた!さっき、トイレで言ってた言葉撤回しなさいよ」


な、何で……?

俺の視界に映ったのは、徹じゃなくて琴葉だった。


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