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君を愛していました。
第二章は、こちらの音の言葉から始まります。
二人は、完全に『別れ』を選びました。
だけど、本当はあの時。
本当は、あの時「ありがとう」って言いたかったんだ。
だけど、俺は酷い言い方をして君を傷つけてしまった。
あの時の俺は君を傷つけなくちゃ、自分を保っていられないぐらいだったんだと思う。
でも、そんな事関係ないよね。
あの瞬間に「ありがとう」って言えなかったんだから……。
今さら、何を言ったって言い訳にしかならないだろ?
「音には、笑っていて欲しい」
あの日の君の声が、頭の中に響く。
今の俺は、幸せなふりをするのが精一杯なんだ。
もしも、もう一度会えるなら……。




