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第二十九章 真の犯人

 彼の足元の魔法印は一瞬にしてビュービューと吹雪を巻き起こし、大量の雪がロナたちの足元に降り積もり、彼女たちの足はあっという間にカチンカチンに凍ってしまった。ロナたちはうつむいて自らの体にどんどん降り積もっていく雪を目にし、驚きの声をあげた。


「まずい、動けない!」


 金滋は大笑いした。


「ハハハ、お前たちを殺しさえすれば、国連も私の話を全て信じるだろう。もともと余計な説明は要らなかったんだ!」


 この時、異星の第十二君主が閉じ込められている氷塊に突然黒い亀裂が入った。その亀裂は「ギギ…」という音を立てながら徐々に全体に広がっていった。


 金滋の魔法印はまだ作動しており、大量のつららが空から降り注ぎ、ホール全体をすっぽり覆った。下半身を吹雪で凍らされたロナたちは逃げることができず、相前後してつららに貫かれ、美しかった容貌は一変し、クラゲの姿をさらした。


 彼女たちは声を揃えて悲鳴を上げた。


「王様、助けてください!」


 ドカンッ!


 異星の第十二君主が閉じ込められている氷塊が突然爆発した。氷霧はすぐに消失し、金色の模様を持つ巨大な濃褐色のタコが空中に浮かんでいるのが目に飛び込んできた。異星の第十二君主の変身に伴う巨大な衝撃により、ホールの氷は一掃され、ロナたちは体の自由を取り戻した。


 驚く間もなく、金滋を突き刺そうとする巨大な触手が激しい勢いで伸びてきた。金滋は素早く体を傾け、なんとかかわすことができた。


 異星の第十二君主はこれまでとは違う低く力強い声で言った。


「寒河江殿主よ、時機を逸するとつまらない目に遭うぞ!」


 触手がホールの床板に突き刺さり、砕けた石が飛び散った。


 紫と赤のクラゲが突然左右から金滋を挟み撃ちにした。金滋はかわすことができず、クラゲが彼の体に絡み付いた。絡み合った紫と赤の触毛が発生させた強力な電流が金滋に炸裂し、彼は慌てて両手を振り上げ、触毛を引きちぎった。金滋は驚愕しながらつぶやいた。


「彼女たちの共同攻撃で、私は負傷したのか?」


 金色の模様を持つ濃褐色の触手が金滋の胸に向かって放たれた。金滋は反応する間もなく、驚きの表情を浮かべ、無意識に呟いた。


「限りなくSSランクに近い!」


 瞬く間に金滋の体は透明な氷の色に変化した。金色の模様を持つ濃褐色の触手は、透明な氷と化した金滋の胸に当たり、瞬時に凍結して粉々に砕け散った。


 空中に浮かんでいた異星の第十二君主は、目を少し細め、警戒して言った。


「氷体になることができるのか?」


 ほぼ透明な金滋が傲然と笑った。


「命の源を費やして氷体に変化せねばならぬところまで私を追い詰めたんだ、お前たちには今日ここで死んでもらおう!ハハハハ!」


 異星の第十二君主は高所から金滋を見下ろし、不服そうに言った。


「最後のあがきだ!」


 彼は全ての触手を広げ、金色の模様を持つ無数の黒い雷電球がジジジという電流音と共に触手の吸盤から放たれた。


 「こくごうらいじゅ!」


 時を同じくして、剣一けんいちおりべにまる、そして炎の人が星空の亀裂から飛び出し、出口の外側は星殿の戦士の死体ととてつもない数の異星獣で溢れていた


 剣一と氷織は同時に驚きの声をあげた。


「誰かが封印を解いた!?」


 炎の人が遠方に見える星殿主殿の方角を眺めていると、金色の模様を持つ巨大な濃褐色の触手が「ドーンッ」という音とともに星殿の屋根を突き破った。


 炎の人は慌ててその場所を指差し、叫んだ。


「早くあそこを見ろ!」


 剣一は気が違ったかのように大声で叫び、まっすぐ突進して行った。


「人でなし野郎、父の命を返せ!」


 剣一のスピードは突如何倍にも加速した。


 封神システム: Dランク上級にランクアップしました!


 遠ざかる剣一を見て、炎の人はすぐに氷織と紅丸を抱え上げ、剣一を追って星殿主殿のホールへ急いだ。


 主殿のホールは外壁と屋根がすでに全壊し、ほぼ廃墟と化していた。地面はでこぼこで、至る所に黒焦げの穴が開いており、白い煙も立ち上っていた。


 異星の第十二君主は空中で濃褐色の稲妻を(まと)った触手を振り回し、氷体の金滋目がけて勢いよく振り下ろした。金滋は素早く後退し、何度も攻撃をかわしたが、それでも彼の体は無数の黒い傷で覆われてしまった


 紫と赤のクラゲが突然金滋の背後に現れ、触毛を振り回し、金滋を縛り上げた。金滋は不意を突かれ、彼女たちの術中にはまった。金滋は顔を上に上げて大声で叫ぶと、彼を縛っている触毛は次々と凍り付き、順々に砕け散った。


 濃褐色の触手が再び空中から放たれ、金滋の胸を貫き、にわかに氷のかけらが四方に飛散した。金滋は後ろへ吹き飛ばされ、剣一の近くにドシンと落ちた。


 剣一は空中で絶えず触手を振り回すタコを眺め、憤慨して叫んだ。


「異星の君主だと?」


 剣一は目を血走らせ、大声で問いただした。


「この触手……まさか父を殺したのはお前か?」


 異星の第十二君主は空中に浮かんだまま剣一を見下ろすと、疑いを抱かずにはいられなかった。


「ありえない、お前…転生したのか!?」


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