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【冒険者ギルドの特命執行官】  作者: 琥珀 大和
第二章 DE OPPRESSO LIBER
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第26話

さすがにこちらの冒険者ギルドに数ヶ月も在籍していれば、周辺の地形はある程度把握していた。


冒険者の初級講座を行うにしても、何も知らない洞窟に新人冒険者を連れてくるような真似はしない。


この洞窟も何度かひとりで潜っており、奥がどうなっているかは把握している。


「ナオさん、奥から出られるのか?」


煙の流れが勢いを増している。


入口でキョウチクトウを燃やしている奴らが、空気送りのためにふいごなどを用いているのかもしれない。


強制的に空気を送り込むことで煙を効率的にこちらに押し出しているのだ。


間違いない。


奴らはこの洞窟の地形も把握しているのだろう。


冒険者ギルドで金さえ払えば、探索済みの洞窟の地図くらいはすぐに手に入れることができた。


この洞窟はもともとは熊系の魔物の棲みかだったそうだ。


ある冒険者パーティーがその魔物を討伐した後に盗賊団が拠点に使い、依頼に応じてまた別の冒険者パーティーが殲滅した。


ゴブリンが出入りを始めたのは、ほんの数ヶ月くらい前の話である。


ここにいるゴブリンはそこまで所帯が大きい訳ではなく、まだ依頼にされるほどの被害も出ていなかった。


だからこそ俺が利用しようと考えたのだが、今の状況はいろいろと不味い状態である。


「最奥は外部とつながっている。ただ、そこは断崖絶壁とまではいかないが、足場のない崖だ。落ちたら死ぬくらいの高度は十分にある。」


「それって、窮地に陥ったってこと!?」


さすがにミオの声音に焦りが混じっていた。


「外部への開口部近くにちょっとした溝がある。そこに入れば煙にまかれることはない。」


「そこで煙がおさまるのを待つってこと?」


「そうだ。」


実際には煙がおさまって様子を見に来た相手を潰すしかない。


この洞窟の情報を得ているのであれば、溝のことも知っている可能性があった。


「相手は誰なの?」


ミオの声が低くなった。


「さあな。俺に狙われる心当たりはない。君らの祖父に毒を盛った奴らじゃないのか?」


「···もしかして、ナオさんはそれを知っていて私たちをここに連れて来たの?」


「君らが犯人の可能性もあった。」


一瞬黙ったミオがディレクの方に視線をやるのを感じた。


「あなたは俺たちのことを疑っているのか?」


「今はそうでもない。犯人が自分から行動を起こしたからな。」


そう言うと、ふたりが何とも言えない表情をしているのが煙越しにわかった。




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