表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【冒険者ギルドの特命執行官】  作者: 琥珀 大和
第二章 DE OPPRESSO LIBER
67/197

第17話

人を指導することについてはそれなりに経験があった。


とはいえ、こちらで元の世界で身につけた戦闘術を広める訳にもいかない。


「驚きました。Aランクの冒険者を紹介すると言われたので、どれだけ厳つい人が出てくるのか不安だったのですよ。」


人当たりのいい男だった。


常に笑顔を貼りつけて、柔らかい雰囲気を放っている。


貴族というよりは、やはり商人に近い物腰といえよう。


「基本的にはあまり殺伐とした依頼は受けないからな。」


「それでどうやってAランクまで上がったのですか?」


次女の方も愛嬌のあるお嬢様といった感じだった。


三男の方が少し年上で兄にあたるそうだが、一見すると仲の良い兄妹に見える。


「辺境の地で盗賊狩りをやっていた。それで一気にランクが上がったんだ。」


嘘ではなかった。


執行官になる前は辺境の各地にのさばる盗賊団のアジトを探し回り、殲滅することを主にやっていたのである。


「それって、かなり危険な依頼じゃないですか?」


「危険といえばそうだが、魔物を相手にするよりははるかにマシだと思う。」


盗賊たちが拠点とする洞窟は狭く天井も低い。


長物と呼ばれる武器は使用出来ず、同士討ちの危険から奴らは弓や魔法も使うことができないのだ。


狭小かつ暗い所では、盗賊よりも俺の技量の方が上回った。


建物を拠点としている場合もあったが、その際は連れ込まれた人間の有無を確認して救出が無理な状況なら火や毒攻め、魔物を誘導するなどして潰すことにしていた。


盗賊たちは多くの人々の財産を奪う。


それは金品に限らず人や家畜、食糧や女性の貞操にまで至り大きな爪痕を残す。


だからこそ他国からの流入が激しく、犯罪に手を染める冒険者や傭兵出身者の多い辺境の地では討伐依頼が後を絶たなかった。


さらにその被害を考えると、報酬額もそれなりに高額で戦利品などの分配も条件に入っていることが多く、ソロの冒険者としては相当な実入りだったといえる。


もちろん、それを主体に活動していることは伏せていた。


盗賊の討伐は冒険者の依頼の中でも一二を争うほど犠牲者が出る危険なものだったからだ。


対人戦闘や拠点壊滅のノウハウを持った俺のことが噂になれば、当然甘い汁を吸おうとする奴らも増えてくる。


そういったことへのリスクヘッジとして冒険者ギルドと連携を深めていったことが、執行官という立場に至る要因だったといえるのだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ