表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【冒険者ギルドの特命執行官】  作者: 琥珀 大和
第一章 the Only Easy Day Was Yesterday
44/195

第44話

「そう思うでしょう。私たちも最初は目を疑ったわ。」


「冗談じゃなければ反地球ってやつか?」


試しに知っている単語を口にしてみた。


「誰かに聞いたの?各国の情報局ではカウンターアース、もしくはアンチクトンと呼称しているみたいだけれどね。」


反地球。


確か太陽の反対側には地球とそっくりな惑星が存在するという古代ギリシャから語られる空想である。


近代天文学で否定され、実際にはただの空想であるというのは既に周知の事実だが、高い人気を誇る仮説だったと記憶している。知人の天文学者がよく酒の席で話していたからすぐに思い出せた。


因みに、アンチクトンとは古代ギリシャ語である。


しかし、ミューフの言葉によると、やはり各国の情報局が絡んでいるようだ。


「一体、この世界は何なんだ?それと、元の世界との関連性についてわかっているなら教えてくれ。」


「その前に、先ほどあなたが話した内容に漏れはないの?」


「ない。人の負の感情が理外の存在を復活させるための贄になるから、理不尽な死を防ぎ人を救えといわれた。もし理外の存在が復活したなら、その世界は滅びるだろうとも。」


先ほど話した内容を再度口にした。


「本当にそれだけ?」


俺はさらに記憶を手繰って言葉にする。


「運が良かったら勇者が召喚されるかもしれないが期待するな。最悪の場合はピアスに魔力を通せば···」


ハッとしてアドルを見た。


「そのピアスって···」


「ああ、支給品だ。転生前に説明されていた場所に保管されていたのを回収した。」


「それに魔力を通したから全身タイツ姿になったのか?」


「···いちおう、あれはパワードスーツだ。」


マジか?


恥ずかしいパワードスーツだな。


「もしかして、俺のピアスもそうなのか?」


「それは知らない。ただ、日本の防衛庁とメーカーが共同開発したと聞いているぞ。耐火耐蝕防刃性に優れていて、通気性もかなり良い。」


なんだその無駄にすごくて意味のわからない装備は。日本の防衛庁とメーカーは何を目指した?


異世界でヒーローごっこでもしろと?


「あなたが知っているのはそれですべてということで良かったのかしら?」


「あ、ああ。そうだ。」


「それで愚直に人助けをしていたということね。」


「まあ、そういうことだな。」


「そう。あなたに重要な情報を何も与えなかったのは、現役を退いて長かったから。それと、極東の関連部署が杜撰だったからということね。ただ、あなたはそんな状況でも成果を出した。」


「成果?」


「あなたが担当した地域では負の感情は標準値以下なのよ。これはあなたが尽力した結果だと思うわ。」


「その負の感情はどこで測っているんだ?元の世界とコンタクトでも取れるのか?」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ