スパイス
虫食いのようにシャッターが下りている商店街の一角に、久美が働く弁当屋『わしのや』がある。ひじきやおからの煮物、筑前煮、魚の照り焼き、だし巻き卵が人気の昔ながらの惣菜店。しょうがを効かせたさっぱり味の鶏唐揚げは、濃い味が苦手な女性やシニアにも人気だ。
「はーい、総菜2パックセットで400円ね。菊五郎さん、おまけでお漬物もちょびっと入れておくからね」
「なんだい、もうちょっと多くつけてくれたっていいじゃないか、久美ちゃんよ」
「塩分取りすぎると良くないでしょ。これはお酢が入ってて体にいいから、ちょっとだけ」
「はいはい、わかったよ。それで、ウチの一郎のところにはいつ嫁に来るんだ?」
「行きませんってば」
久美は笑った。
一郎というのは菊五郎の息子で、45歳の独身だ。このやりとりは、久美がOLを辞めて家業を手伝うようになった25歳のころから今まで、ゆうに10年は続けている。最初の数年こそ熱心に薦められたものだが、今じゃあお互いに本気で話しちゃいない。お天気の話題と同じくらいの世間話だ。だいたいいつもは「それじゃあ」とここで会話が終わるのだが、今日は続きがあった。
「そういや、渡辺さんの店だったところは取り壊して、ワンルームのマンション建てるらしいな」
「ああ、聞いた聞いた。息子さん一家が戻ってきて、上階に住むことにするって」
ぽつぽつと姿を消す個人商店のあとには、大手のチェーンやコンビニエンスストア、マンションなどが入居する。三軒先の渡辺さんはクリーニング屋だったが、息子は跡を継がずにマンションを建てることにしたそうだ。都内でアクセスの良い土地柄、住居のニーズは高い。ただ、若い客は古びた商店街よりも、コンビニエンスストアや駅向こうのショッピングモールに足を運んでしまうのだが……。
「この店も客が増えるだろう。ますます嫁にいけねえな、久美ちゃん」
「そんなこと言って、本当になったらどうするの!」
久美はケラケラ笑って、菊五郎を見送った。
店の前を、学生や住民が足早に通り過ぎていく。
久美は、ワゴンに並べた総菜パックの乱れを直し、ショーケースの内側に引っ込んだ。炊飯器のなかでは、客に食べられるのを待つ白米が、じりじりしながら蒸れている。ぴゅうっと木枯らしが吹き、肌をかすめた。
久美はエプロンのうえからカーディガンを羽織った。
自宅と店を隔てているガラス戸に映った、三角巾にエプロン姿の自分から目をそらし、椅子に腰かける。店の営業時間は11時から19時。仕込みもあるので、実質的には丸一日働いている。定休日は水曜だけ。
「ここで出会いがあったら奇跡だわよ」
『わしのや』の顧客は年配が多い。若い客もいるのだが、働いている層にとっては19時閉店は早く、客を取りこぼしているという自覚はあった。ただ、毎日『わしのや』の弁当を食べているという独居のシニアが多いため、昼時の営業は欠かせない。8時から仕込むことを考えると、久美の体力的に19時までの営業が限界だ。
『わしのや』は久美の父親が「わしの味を存分に楽しんでもらう店」という意味で開業した。その父は10年前の病気が原因で足が不自由になり厨房に立つのが難しく、母は接客はできるが調理は苦手。年を取った今では長時間の労働が負担になるようで、久美の休憩時間や多忙な時にだけ店頭に立つ。
『わしのや』は実質、久美一人でもっている店だった。
10年前は華のOL、彼氏だっていた。
家業を手伝うという苦渋の決断をしたとき、実はプロポーズされることだって期待していた。ただ、久美と同い年だった彼にとって、結婚はまだ早いと思われたのだろう。交際を続けるうちに、土日も働く久美とは時間が合わなくなり、話し合いの末に別れた。
商店街の仲間に男性を紹介されたりもしたが、付き合おうという気持ちになれぬまま月日は経ち、今となっては誰かを紹介されることもない。
「見てみてーっ」
「きゃーっ、可愛い!」
黄色い声に顔を上げれば、女子高校生たちがドラッグストアのメイクコーナーで話に花を咲かせている。ああいう風にメイクを楽しむこともなくなった。久美がいまメイクをしているのは、同じ商店街にある化粧品店との付き合いがあるから、という消極的な理由だ。楽しむメイクではない、付き合いメイクだった。わしのやの看板娘として、元気な顔をしていなければいけない、という義務感もある。
「ごめんくださーい」
「はーい! あら、ヨネさん。こんばんは。病院の帰り?」
「そうそう。今日のお弁当、ごはん抜きでいただける?」
「はあい……、わかりました!」
今日も余ってしまう白米が頭をよぎったが、無理に買わせるわけにもいかない。
少量のおかずを買うヨネの向こうに、コンビニで買ったであろうホットドッグやおにぎりにかぶりつく学生たちの姿が見えて、久美はそっとため息をついた。
*
「はあい、いらっしゃい!」
今日はいつもと違う。
そう気づいたのは昼の12時を少しまわったころだった。
作業着を着た若い男性たちが次々と『わしのや』を訪れ、日替わり弁当を買っていく。
―― しまった、焼き鮭が足りなくなるかも!
メインで入れていた鮭がなくなりそうだ。
嬉しい悲鳴だった。
―― メインをほかのものに変えて出そうか。
客が途切れた隙にショーケースをのぞき込んでいると、「すみませーん」という掛け声が聞こえた。
「あ、はいっ! いらっしゃいませ!」
顔を上げると、首にタオルを巻いた若い男性が、突然現れた久美に驚いた顔で立っていた。短髪に日焼けした肌、耳にはずらりとピアス。
「えーっと。日替わり弁当って、ライス大盛りにできます?」
「大盛り!」
久し振りに聞く、その響き!
「できますできます。ライス大盛り無料です!」
「ああ、じゃあそれで。あと、日替わりに追加して唐揚げ3つください」
「かしこまりました! お箸は一膳でいいですか?」
「はい」
容器に、大盛りを喜んでつやつやしている白米をたっぷりと盛り、大きめの唐揚げを選んで3つ袋に入れる。
「これ、自家製の佃煮なんです。よかったら食べてくださいね」
料理好きな久美は、色々実験するのが好きだ。出汁をとったあとの昆布とかつおぶしで作った佃煮は、販売こそしていないが自信作だった。
「お……佃煮久しぶり。あざっす」
青年は、ぶっきらぼうに言うとガサガサと折れ曲がった札を出した。その肌の日焼け具合に、ハードワークが見てとれる。
「ありがとうございましたー!!」
久美は、明日の日替わりは酢の物も入れよう、と決めた。疲労回復にはお酢が良い。
その日店を訪れた青年たちは、渡辺さんの新築マンションの建設作業員たちだった。何故それがわかったのかというと、建設現場に座り込んで休憩しているのをたまたま通りすがって見かけたからだ。
ライス無料大盛りという点が広まったのか、彼らはほぼ毎日買いに来てくれる。あの、大盛りを言い出してくれた彼は「佃煮、美味かったっす」と言って、毎日来てくれていた。オーダーはいつも、日替わりと唐揚げ3つ。おかげで久美は張り合いができて、いつにも増して身体に良い献立を心掛けるようになった。お客さんが来てくれると、仕事の苦労も報われる。料理は元々好きだ。
好きなものを、また好きだと思えるようになって嬉しかった。
そんな日々にちょっとした変化が訪れたのは、二週間ほど経った頃だろうか。
「ちーっす」
いつもの彼が来た。
「お疲れさまでーっす! 今日は風が強いですねえー」
「マジ、半端ねえっす」
店の定休日以外は毎日来てくれることもあり、だいぶ態度も馴染んできたところだ。
「日替わり弁当ください」
「はあーい!」
つい癖で、唐揚げも3つピックアップする。
「あ……、すみません」
彼は、きりっとした眉をハの字にして、バツが悪そうに言った。
「今日は日替わりだけで」
「あ! きゃあ、すみませんー! 日替わりですね。どうぞ! 今日はイワシの梅煮も入ってます!」
骨がホロホロになるまで圧力鍋で煮た。何度も味見したので、味は間違いない。
しかし彼は
「あ、どうも」
と、久美の気合いを軽やかにスルーして店を後にした。
その日から、彼は唐揚げを買うのをやめた。
―― なんでだろう、味が変わったとか?
久美は出来上がりをひとつ口にしてみたが、それは10数年作ってきたものと変わらない、いつもの味だった。
単に、そこまでおなかが空いていないのかもしれない。
彼が唐揚げを買わなくなった理由なんていくらでも思い当たるのだが、以前は店に来ていた、ほかの作業員仲間の足が遠のいているという事実が、久美に不安をもたらした。
「ちょっと出かけてくる」
水曜の定休日、昼の12時前。久美は、サングラスをかけて外出した。目指すは、渡辺さんちの建設作業現場。サングラスは一応、何かあったときに気づかれないため。
顔を見られたところで気にすることはないのだが(なんせ定休日だ)、やましさのある久美は身をすくませるようにして目的地に向かった。
とはいえ、サングラスをかけていてもご近所さんにはバレてしまうもので、声をかけられてつい世間話をしてしまう。ようやく現場付近に着いたころには、みんなすでに休憩に入っているのか作業員の姿は見えなかった。
「うわ、見失った?」
焦ってあたりをきょろきょろと見回す。
すると、少し先にあるコンビニエンスストアから、作業服を着た集団が出てくるのが見えた。久美は脇道に逸れ、電柱の陰から彼らが通り過ぎるのを見守った。注目すべきは彼らの手元だ。
大きな弁当が入っているらしき袋が見える。歩きながら口にしているのは、ホットドッグ、肉まん、そして……
いつもの彼が笑いながら手にしていたのは、赤いパッケージだった。コンビニがオリジナルで出している唐揚げだ。独自のスパイスが売りで、部活帰りの高校生などがよく買って食べている――
彼らが十分通り過ぎたのを確認して、久美はコンビニに入った。弁当コーナーに直行して、陳列を見る。
カルビ弁当、ハンバーグ弁当、鶏の照り焼き弁当、麻婆豆腐弁当、かつ丼弁当、タイカレー弁当、ナポリタン……
ホットスナックコーナーには、唐揚げが三種類。スタンダード、スパイシー、激辛ホット。レジ前にはおでんがほかほかと湯気を立て、ホットドッグはケースのなかでてらてらと光り輝いている。
「唐揚げのスパイシーとホットをひとつずつください」
お茶と一緒に唐揚げを買い、近くの公園に出向く。
ベンチに腰を下ろして袋を開けると、ふんわりと食欲をそそる匂いが広がった。
スパイシーは独特の香りがあとを引き、激辛は「辛い!」と喉をひりつかせながらも、ついパクパクと食べてしまった。
食べ終わってから、お茶を一口も飲んでいなかったことに気づく。
「……美味しかった」
ぽつりと呟いたら、急に涙があふれてきた。
美味しかった。すごく美味しかった。食べ終わったあと、油で口がべとべとになるけど美味しかった。もしかしたら胃もたれしちゃうかもしれないけど、美味しかった。
私は、いつのまにスパイスを忘れちゃったんだろう。
店の唐揚げなんて、10年間も同じ味だ。
体に優しいとか、疲労回復だとか。安心できる味ばかりを考えて、ワクワクするような味を忘れていた。
古いのは店じゃない。商店街でもない。
私自身だ。
35歳にもなって看板娘のままで、時が止まった女。
できることは、もっとあったはずなのに……!
久美はひとしきり泣くと、お茶をぐいっと飲み干しゴミ箱に入れた。
「……どこから行こうかな」
スパイス専門店や輸入食材の店、馴染みの肉屋にも行きたい。
ルートを頭で計算すると、よいしょっとベンチから立ち上がった。
*
「ちーっす」
「あ、こんにちは!」
いつもの彼は、翌日またやって来てくれた。
定休日以外は必ず訪れてくれることに、感謝の気持ちが沸き上がる。
「日替わりで」
「はいっ。あの、日替わりのメイン、試しに増やしてみたんです。今日は白身魚の西京みそ漬け焼きか、カルビのピリ辛ソテーです。副菜は、ショーケースの一番上の段から二種類、お好きなものを選べます」
定番のひじきやおからの他に、ジャーマンポテトサラダや春雨サラダ、ミートボールにイカのチリソースなどを作ってみた。
「うわ、これは悩む」
「あと、唐揚げも、定番のほかにスティックを作りました」
「スティック?」
「3つ、串に刺してます。ガーリック醤油、スパイシー、ジンジャーレモン。味の違いを一串で楽しんでいただこうと思って」
「それは夢のスティックっすね」
「わ、ありがとうございます!」
好感触が嬉しい。
「マジかー、悩むな。唐揚げスティックと、日替わりはカルビのピリ辛ソースで……付け合わせはどうしようかな。ポテトサラダと、ひじきにしようかな」
まさか、ひじき煮も選んでくれるとは思わなかった。
この機会にメニューはすべてリニューアルしようかと思ったのだが、従来のお客様のためにも定番はすべて残したのだ。
「ありがとうございます!!」
「どれも美味そう。次はミートボール食いたい。明日もあります?」
「はい、副菜は、定番以外は週替わりで出す予定なので明日もありますよ!」
「おー、じゃあ来週は違うのか。制覇できるな」
「よろしくお願いします!!」
嬉しくて思いっきり笑顔になってしまう。
すると、彼が日に焼けた耳たぶを触ったりと、そわそわしはじめた。
「……ええと。いくらになりますか」
「あ、すみません! お会計は合わせて900円になります」
「じゃあ1000円で。……これで900円はすげーな」
独り言のように言って、彼は帰っていった。
翌日、彼の弁当を見て触発されたのか、久しぶりに作業員仲間たちが一斉に店にやってきた。
「メインはハンバーグで、おかずはミートボールとイカのチリソース、あと唐揚げスティックね!」
「お肉もりもりですね!」
ワイワイ言いながら選んでもらうのも楽しい。
肉ばかり選ぶ人の健康に配慮して、味噌汁のサービスも始めた。
唐揚げスティックは、「3つの味を一度に楽しめるBig唐揚げスティック、300円!」と看板を作ったところ学生の目に留まり、特に運動部の子たちに大人気になった。買い食いと言えば『わしのや』になりつつある。唐揚げスティック人気に連動してか、コロッケやメンチカツ、おにぎりなどの売上も伸びた。その場で食べる子が多いため、シャッターを下ろしていた元八百屋の隣人にかけあって、場所代を払う代わりにテーブルと椅子を置かせてもらうことにした。簡易的な休憩所だ。そのために担当の保健所に相談したり、ドリンクも置いた方がいいだろうと自販機の契約をしたりと、久美の日常はめまぐるしく変わった。
すべては彼が唐揚げを買わなくなったあの日のおかげだ。
幸運は、アンラッキーな顔をしてやってくるのかもしれない。
久美は、彼が通ってくれたご縁に感謝した。
定休日以外は毎日会える、その時間が嬉しかった。休憩所を作ってからは、仲間とそこで弁当を食べることも多くなり、彼との会話が増えた。
ナツ、と仲間に呼ばれている。苗字なのか名前なのかはわからない。北の地方出身で今は都内に一人暮らし。会話の雰囲気からすると、まだ若手。黙々と仕事をこなすらしい。ピアスを開けているのは高校時代にバンドをやっていた名残で、いまは音楽はやらずに聴く専門。たまにライブに行くほかは、休日は家で寝ている――
久美は、ナツに惹かれているのを自覚していた。あまり表情は変わらないが美味しいものを食べたときは口元がゆるむとか、口数は少ないが「美味い」とか「おもろい」など、感動は素直に口にするとか。
ただ、顔も良くてガタイも良く、性格も良さそうな若い男が自分に釣り合わないことは自覚している。見れるだけ、話せるだけで充分幸せだった。
だから、会うことすらなくなってしまうなんて、想像していなかった。
「おう久美ちゃん」
「菊五郎さん! いらっしゃい」
「総菜、この二つをセットでね」
「はあい、400円です!」
「ほいよ。ところで、渡辺さんところのマンション見たか? 今どきのは外観も洒落てるねえ」
「そうなんですね」
「入居希望者殺到でもう満室だとよ。景気がいいねえ」
「もう?」
あれが出来上がってしまったら……彼は、ナツさんは?
もうここに来ることはなくなる。
ふっ、と立ちくらむような感覚がした。
「ちーっす」
「あ、こんにちは……」
噂をすれば、だ。
ナツは、先にいた菊五郎に遠慮したのか会釈をすると、遠目からショーケースの中をのぞいた。
「マンションの建築が終わっちまうと久美ちゃんも寂しくなるなあ」
菊五郎は、作業着姿のナツを見て言った。
「どうだ、一郎の嫁にはいつ来るんだ」
「いっ、行きませんって!!」
ナツの目の前でそんなことを!
久美が慌てると、菊五郎が二ヒヒと笑って去っていった。
「すみません。今日はどれにしましょうか。日替わりのメインは、エビとブロッコリーの卵炒めと、スコッチエッグです」
熱くなった頬をごまかすようにショーケースをのぞき込む。
ナツの返事はなかった。
「……あの?」
顔を上げると、 ナツはいつになく硬い表情をしていた。
「嫁に行くんですか?」
口数少ない彼の言葉はいつも直球だ。
「まさか、行きません! 挨拶代わりみたいなものです。菊五郎さんの息子さんも私も独身だから、面白がってて――」
「久美さん」
「は、はい」
「オレ、明日で現場引き上げます」
「そう……なんですか」
明日。もう会えなくなるという心の準備ができていない。
思わずうつむくと、日焼けした手が差し出された。
「なので、良かったら連絡先教えてください」
その手には、スマホが握られている。
「いつも美味しい飯ご馳走になってたから……、今度はオレがご馳走したいなって」
「えっ、作ってくれるんですか?」
「え!? いや、えーっと、自分で作るのはちょっと無理があるから外にメシ食いに行く感じですけど……」
「あっ、そうか! そうですよね」
素で勘違いしてしまった。恥ずかしい。
「久美さんみたいに料理上手な人にメシ作るとか、マジ苦行」
ナツが苦笑した。
「お弁当……、美味しかったですか?」
「毎日通うほどに。まあ、通う理由はそれだけじゃないけど」
こんがりとした指先が久美に向いた。
喉がひりつく。ドキドキする。こんな刺激は、経験がない。
「久美さん」
「は、はい」
「これからも会いたいです。誘っていいですか?」
「はい。……私も会いたいです」
絞り出すように勇気を出して言ったら、ナツがパッと笑った。
その笑顔は明るくて屈託がなくて、また深く恋に落ちてしまったことを知る。
アプリで連絡先の交換をした。
彼のプロフィールには神谷夏樹と表示されている。ただ、苗字を意識することはあまりない。
ナツ、クミ、と呼び合うようになったから。




