北朝鮮の危機について
日本へのミサイル攻撃の可能性は第1空母任務群よる囮で大分減りました。
完全にないとまでは言い切れませんが、オハイオ級潜水艦の露出で可能性はかなり低くなっています。
むしろ北朝鮮北の国境がキナ臭くなってます。
北朝鮮の地理的な意味というのは、中国、ロシア、親米政権のクッション領域です。
中国は首都経済圏、ロシアはウラジオストックによる太平洋経済圏、親米政権は言うまでもなく韓国です。
この3つが触れないように配置されていますが、今回それが壊れるかもしれません。
壊れた後を想像しながら、作戦行動を推定してみました。
今回は起こる可能性は低いと思っていますが、北朝鮮は単に打倒すればいいという地域ではないことを知らせるために書いています。
前回のエッセイ時には影も形もなかった。北朝鮮との戦争報道がマスコミをにぎわせるようになり、
アメリカも第1空母打撃団の配置を行うことで、朝鮮半島付近は第7艦隊との2個任務部隊が対応にあたっています。こんな中、中国は北朝鮮の国境に10万の兵力を集結、準戦時体制での待機を行っています。
今回、中国が資源を盾に北朝鮮に勧告しても反応が薄いというのが現実です。
一体何が起きているのでしょうか?
現時点でですが、アメリカは北朝鮮との開戦は望んでいないようです。
北朝鮮も開戦は望んでないので起きなそうなのですが、ここで韓国系米国人の人質問題が絡んできます。
もし人質問題を北朝鮮が外交カードとして使った場合には、アメリカは軍事作戦を行います。
これはアメリカという国の根本(多民族国家における民族間の平等)に関わることですので手を抜くことはあり得ません。
人質救出作戦になるとは思いますが、限定的空爆を伴わないとは言えないのが難点です。
そして空爆が始まると中国軍は国境を越え、北朝鮮に侵入します。
おそらくは北朝鮮の占領を目的とした部隊でしょうが・・・北朝鮮への援軍の可能性も1%くらいはあります。
北朝鮮の地理的な立ち位置の問題から、友好陣営以外に占領させるわけにはいかないのです。
北朝鮮を押さえるということは黄海側にある港から大連・天津・煙台・北京に対して、海路を通じた圧力をかけられることになります。
反対側の日本海側にはロシアのウラジオストックがあります。
ここを親米政権に抑えられることは何としても止めたいと中露は考えていると思います。
今回北朝鮮が中国に対して強硬なのはロシアからの支援約束があるからとも考えられます。
万景峰号もロシアとの交易航路についたようですし・・・
おそらくアメリカもこの地理的な条件には苦慮していると思います。
下手に韓国が北朝鮮を併合すると、中露に挟まれた弱国を作ってしまいますので・・・この辺りがアメリカが政治体制の変更を求めないと明言している理由だと思います。
そうなると、穏健派のトップに交代してもらうしかないのですが、有力候補の金正男は暗殺されました。
次の候補は彼の息子ですが、叔父と甥ということだと叔父の方が正当性を主張できます。
このため、息子は金正男の代わりにはなりません。
中国にしても軍を動かすのは最後の手段ですが、首都経済圏の安全確保のためには仕方ありません。
その際には黄海側を南進して沿岸部を押さえ、既成事実を作ることでしょう。
この時に事故での米中の交戦は起きるでしょうが、事故による紛争として処理される可能性が高いとは思います。
問題はロシアです。
ロシアにとってウラジオストックは太平洋への窓口で不凍港です。
ここが危険にさらされることは絶対に承服しません。
自分で兵を出すか、中国に確保させるかはわかりませんが、日本海側の沿岸部にロシア支配領域を確立すると思います。
そして、その後の半島経営で、飢餓、天災に会い、かなりの資本投下を余儀なくされると思います。
アメリカと北朝鮮の戦争というよりは、米中露の思惑による再編成という可能性が高いのですが、現行の北朝鮮支配層がそれをすんなり認めるかというと甚だ疑問で、トリックスター、ロシアの援助次第では北朝鮮VS中国という、中国にとっては悪夢のような状況があり得るかもしれません。
何しろ、北朝鮮の核ミサイルは北京に届くのですから・・・