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Life is choice.  作者: 小野田ラコ
第1章 はじまりのはじまり
9/85

9.嫌われたのかな

カオルさんがコータ、なんてことは

なかった。何処をどう探っても

そんなことはなかった。


けれど、どうもその日を境に

カオルさんのあたしへの態度が

おかしい気がしていた。


あたしの勘違いかもしれないけど、

おかしいというか、よそよそしいような。

なんとなく避けられているようにも感じる。


でもそれは、あくまでもなんとなくで、

これと言った確証はなかった。


海で会えば、普通に会話はするし

携帯でのやり取りだって、滞りなく進む。


ただ本当に、なんとなく

例えばLINEでのやりとりだったら、

いつもより言葉が少ないかな、と感じたり

言い回しや語尾などが、妙に丁寧な気がしたり


海で話すにしても、なんとなくだけれど

会話をする機会が減らされているような気がする。


気のせいかもしれなかった。

単にあたしの思い過ごしかもしれなかった。

でもこういう時の女の勘って、的中率高かったりする。


どうしよう。

あたし、カオルさんに嫌われちゃったのかな。

そう思うと、あたしの心は悲しい気持ちでいっぱいになった。


あの日、2人でランチをしたけれど

二人きりで食事するのは、あれが初めてだったのだ。


いつもはできない話もして、楽しくて

これからはもっと仲良くなれると、期待していた。

でも今は逆に、カオルさんが離れていってしまう気がする。

あたしは悲しくて落ち込んだ。


あたしの言動の、何かが悪かったんだろうか。

不愉快な思いをさせてしまった事が

あたしの気が付かない時に、あったんだろうか。


それとも、あたしなんかと友達付き合いするのは

つまらなくなってしまったのかとも、と思った。

サーファー仲間の一人としてならともかく

個人的に深く関わる気は、ないとか……


こういう時のあたしのネガティブは

とまらなくなる。

普段は前向きで弱くないつもりでいるけど

根っこの部分ではコンプレックスの塊で

自分への自信は全くないのだ。


あたしは美人でもなければ、

トークが面白い訳でもない。

サーフィンだって、特別上手い訳でもない。


カオルさんなんていうスゴイ人と

釣り合うほどの、何かを持っている訳じゃない。


ネガティブなあたしは、それでも

あたしなりにポジティブに考えてみる。


彼女はあたしをサーファー仲間の一人のとして

面倒を見てくれていた。

今の環境を得られただけでも、ラッキーだった。

これ以上を望むのは、そもそもがゼイタク。


何も気にしないで、あたしはこれからも

カオルさんのいちファンでいればいいんだ。

よし。そうしよう。


次の休みは、あたしにしては珍しく日曜だった。

カオルさんは週末休みだから

この前みたいにランチに誘われるかもしれないけど

誘われないかもしれない。

その他大勢と行くかもしれないし、行かないかもしれない。


どっちにしても、もう気にしないでいこう。


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