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Life is choice.  作者: 小野田ラコ
第4章 もうひとつのはじまり
83/85

20.初めての夜

洗面所で歯磨きを終えたあたしは

鏡の中の自分と向き合い、大きく大きく深呼吸した。

とうとうこの時が来たんだなと思った。

この一線を越える事に、あたしは今までどれほど

悩んできただろう。思い起こせば

ずいぶんと遠くまで来てしまったようにも感じる。

けれど後悔や迷いは、今は一つもなかった。

ようやく踏み出せる、これは一歩。

あたしはもう一度深呼吸した。

とてもドキドキしている。おそらくこんは想いは

最初で最後になるだろうと思う。

そう思うと鼓動の速さも、何もかもが

愛おしく思えた。



寝室ではカオルさんが先にベッドに入っていた。

上半身を起こし、くつろいだ様子で雑誌を見ている。

あたしが姿をあらわすと

カオルさんは優しく微笑んで

あたしに向かってその長い腕を伸ばした。

こういう時のカオルさんは何故だか

普段よりも一段と魅力的に見えて

思わずドキリとしてしまう。

「おいで」

乙女心にトドメを刺すようなセリフに

思わず顔がニヤけてしまう。

ベッドに入るとカオルさんの腕が

すぐさま、あたしを引き寄せた。

「やっとつかまえた」


暖かい腕にすっぽりと包み込まれて

あたしはドキドキしながら

大好きな甘い匂いに目を閉じた。

なんて心地の良い、あたしの居場所。

そういえば昔、誰かの歌にあったなぁと思い出す。

甘い匂いに誘われたのは……あれはなんだっけ。

「ああ……ヤバいな」

カオルさんが戸惑うように言った。

「何が、ですか?」

「なんか色々と、嬉しすぎて」

気付けばカオルさんの心臓も

内側からドンドンと叩くように鳴っている。

自分のものよりも大きく聞こえて

あたしはクスっと笑った。

「カオルさん、心臓速い」

「バレたか……情けないよね」

「そんなコト」

「シノ」

「はい」

「ホントにいい? 後悔しない?」

「……今そういうの聞いちゃ、ダメです」

「そっか、そうだね」

カオルさんはあたしの頬に手を添えた。

「でも、もし嫌だったら、ちゃんと言うんだよ。

 ……やめれるかどうかは、分かんないけど」

「わ、分かんないの?」

「うん」

そう言ってひどく優しい目で微笑むと

カオルさんはあたしの唇を塞いだ。


「ま、待って」

「……何?」

「で、電気、電気。電気消して」

「ああ、電気ね」

ふっと笑うと、カオルさんは部屋を暗くしてくれた。

再びカオルさんの身体がのしかかってくる。

「ま、待って待って」

「?」

「電気……」

「消したよ?」

「でもまだ、ついてる。それも」

豆電球だった。

「……消したら、暗くて見えないよ」

「み、見えない方がいい」

「えー……」

「お願いです」

「仕方ないな」

カオルさんは渋々といった感じに

最後の電気を消してくれた。

できることなら真っ暗にしたいくらいだった。

けれど今夜は月が明るいのか、真っ暗にはならず

わずかな月明かりが、二人を優しく照らす。

「可愛い。シノ」

カオルさんは再びあたしの唇を塞いだ。


カオルさんの本気のキスに

あたしは早くも、たじろいだ。

エロモードに入ったカオルさんのキスは

ヤバい。容赦なく攻められる。

それに、のしかかられた身体の重み、

わずかに荒い、カオルさんの息遣いが

余計にあたしの脳天を、全身を痺れさせていく。

苦しくて甘くて、溺れそうで、あたしはもがいた。

けれど、もがけばもがくほど絡みつき

切ない声を漏らしても

その声すらもカオルさんに飲み込まれる。


不意に唇が離れ、ようやく安堵した矢先、

カオルさんの唇が耳元に降りた。

「――っ!」

あたしは思わず身体をのけ反らせた。

休む間は少しも与えてはもらえず

今度は耳元から首すじを執拗に攻められる。

カオルさんはあたしの弱点を知っていた。

知っていて攻めるのだから、余計にタチが悪い。

逃げようとしようものなら

さらに容赦なく追い詰められて

あたしの理性は飛びそうになる。

そして、そうこうしているうちに

いつの間にかパジャマは脱がされてしまっていた。

カオルさんは手慣れてる。小さくなった理性が

そんな事を考える。


胸にカオルさんの手が触れた時、

あたしは驚いた。少しも嫌じゃなかった。

違う。嫌だとかではなく、あまりにも自然で

あたしはその自分の感覚に驚いていた。

相手が男性の時は、そうではなかった。

素肌に触れられる時は、なんとなく

自分のテリトリーを冒されているような

そんな気がして身構える部分もあったのに

今は全くそれがない。

同性だからなのか、カオルさんだからなのか

どちらにしても柔らかく優しい手の感触は

自然にあたしを快感へと導く。


だから、困ってしまった。

身体が勝手に、素直に反応してしまうから

むしろ気持ちが、身体についていかない。

感じ過ぎてしまう自分の身体を

コントロールできない。

必死に声を押し殺しながら耐えているあたしに

無情にもカオルさんが、耳元で囁いた。

「シノ、感じやすいね。可愛い」

言葉とともに息が、舌が入り込む。

「ん――っ!」

もうヤメテ、と叫びたいくらいだった。

これ以上、熱に浮かされたら

あたしはどうにかなってしまう。


これほど抵抗できない状況も珍しかった。

陸に打ち上げられた魚のように

あたしは息をしているのが精一杯で。

けれど、カオルさんの頭が下へおりた時には

あたしは死に物狂いで抵抗した。

「ダ……メ! やだカオルさん、それは」

「……」

「は……恥ずかしいから、イヤ……!」

「……舐めたいのに」

「や! やだ、絶対やだ!」

それだけは阻止したかった、なんとしてでも。

どうしたって恥ずかしすぎる。

「やめて、お願い。ね。カオルさん、お願い」

「……」

必死の抵抗に、なんとかカオルさんは諦めてくれた。

「まったく。恥ずかしがりだな、シノは」

「だって」

「そういうところも、可愛いけど」

……思うにカオルさんは、とても意地悪だと思う。

そう言って優しくキスをしておきながら

その手は不意をつくように、あたしの下半身に沈んだ。

「ん――っ――!!!」

突然の刺激に身体が跳ねる。

「や……っダメ……!」

「シノ……こんな、感じて……」

カオルさんが呟く。

あたしは恥ずかしさで発火しそうだった。

イヤだとかダメだとか口では言っていても

身体の方は、そんな状態なのだから。

カオルさんは指を泳がせながら、低く唸った。

「ヤバいよシノ……エロすぎる」

違う。エロいのはカオルさんなの。

そう抗議したくてももう

あたしにはなすすべがなかった。


自分のどこにそれほどの感覚があったのかと

驚くほどの快感の波に、あたしは翻弄された。

あたしはカオルさんにしがみつく。

「や……も、やめて、カオルさん」

「……無理だよ」

「お願い、待って。ね」

「んー……」

「だ、ダメ。お願い、い……」

「……痛い?」

「ち、違うの……い……」

「?」

「いっちゃい……そう」

あたしは涙目で訴えた。恥ずかしかった。

何しろ、早すぎる。

けれどもう耐えられそうになかった。

カオルさんはあたしの顔を見つめた。

「イきそう?」

「う……ん、だから」

「可愛い」

「あ……っ、ダメ、ね、カオルさん」

「うん……」

「や、まっ……て……っ」

待ってくれるどころか、その逆だった。

カオルさんの指は巧みに動いて

あたしを確実に攻めたてる。

「ダメ……ダメ、カオルさんっ、も、ほんと、ダメ」

「いいよ。イって、シノ」

カオルさんの掠れた声に導かれて

あたしは全身を震わせた。


カオルさんはずっと抱きしめてくれていた。

「可愛いかったシノ。すごく可愛いかった……」

ため息混じりにカオルさんは言う。

「大好き。大好きだよシノ」

一方のあたしは恥ずかしくて顔が上げられない。

予想以上にあられもない姿を見せてしまって

穴があったら、本気で入りたい。

「嫌じゃなかった?」

腕の中でウン、と頷く。

カオルさんのバカ、と思った。

そんなコト聞かなくても嫌だったら

あんな風になったりしない。

「ありがとう」

カオルさんは言った。

「今、すごく幸せだよ」

「……」

「ありがとう」

ありがとう、その言葉が不思議と心に沁み込んだ。

あたしはカオルさんにぴっとりとくっついた。

「あたしも、幸せ……です、すごく」

「本当に?」

「うん」

恥ずかしさはさておき、嬉しかった。

カオルさんが幸せだと言ってくれて。

あたしを抱いて、幸せだと言ってくれて。

目尻に涙が浮かぶ。

「カオルさん」

「ん?」

「大好き」

「……またそんな、可愛いコト言って……」

カオルさんは苦笑する。

幸せに満たされて、あたしは安堵していた。

こんな事ならもっと早く

抱いてもらえばよかったと思った。


男性経験しかないあたしは

交わりのない女同士のSEXではどこか

満たされない、欠けた部分を感じるのではと

不安に思うところがあったけれど、そうではなかった。

むしろ欲望に支配され過ぎないSEXは

カラダとココロをちゃんと結び付けてくれる。

あたしは満たされて、この上なく幸せだった。


けれど、不満な事が一つだけあった。

それはカオルさんが裸ではない事。

脱ぐ事には抵抗があると言っていたから

仕方がないとはいえ、本当は素肌で触れ合いたい。

カオルさんの熱を肌で感じたい。

いつかそんな時が来ればと思う。

きっと、来るんじゃないかなとも思う。


それにそもそも

あたしだけが全裸だなんて恥ずかしすぎる。

不公平だ。

だって今もカオルさんはパジャマ姿のままで

あたしだけが丸ハダカなんだから。

いよいよ恥ずかしくなったあたしは

カオルさんの腕の中から抜け出した。

背を向けて、ずるずるとベッドの端へ移動する。

「どこ行くの」

「……パジャマ、とろうかと」

おそらくベッドの下に落ちていると思った。

「そんなの、着なくていいのに」

カオルさんはサラリと言う。

「そういう訳には」

「いいから、おいで」

カオルさんの腕があたしを後ろから抱きかかえる。

「ちょ、ちょっと待って、カオルさん」

「ん?」

「せめて……下着だけでも……」

「……どうせ脱ぐのに」

「え?」

カオルさんの手が胸に回りそうになり

あたしは身を縮めた。

「待って……え? カオルさん、まさか……」

「まだ足りない」

「!」

「もっとしたい」

「む、無理ですって! あたしそんな、何回もとか」

「無理?」

「うんうん。一回だけ、一晩一回だけ」

「あんなに感じやすいのに?」

「ほ、ほんとに。そんな、したことな……」

ない、と言いかけた時、

カオルさんの舌が背中をなぞった。

「ん……っ」

「感じやすい。背中も」

意地悪く楽しそうな声が背後に響く。


不満な事がもう一つあった。

カオルさんには、終わりがない。













お読みいただき、ありがとうございます!

そしてお詫び申し上げます。

ここは本来、R15指定の場なので、

こーゆーシーンはふさわしくない

かもしれません。

不快に思われた方がいらっしゃしましたら

心よりお詫び申し上げます。


以下言い訳ですが

ここだけR18カテゴリに飛ばすのも

話が途切れてしまうと思いましたので

極力、エロ度があがらないようにして

1ページのみUPさせていただきました。

不快に思われた方、

うっかり見てしまった若い方、

(もしくは物足りないよ!と思われた方)←?

重ね重ねお詫び申し上げます。


次回、最終話です。


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