おまけ
明け方にふと目が覚めた時、
あたしは自分がどこにいるのか
一瞬、分からなかった。
薄暗い中に、見覚えのある景色。
ああそうか、
ここはカオルさんの部屋……
泊まっていたんだった、と
ぼんやり思い出しながら
何気なく寝返りをうった時、
あたしはものすごく
ビックリした。
すぐ目の前に
カオルさんの寝顔があった。
!!!?
なんで!?
どうして?
なんであたし、カオルさんと!?
あたしは息を止めて、
必死に記憶を探った。
徐々に、うっすらと蘇ってくる
頼りない記憶。
そう……だった。
なんか、そんな流れだったんだ。
で、一緒に……
状況がようやく把握できてきたところで
あたしは再び、ビックリした。
柔らかい枕だと思っていたのは
それは半分、
カオルさんの腕だった。
あたしの頭の上の方は
枕に乗っているけれど
頬や首のあたりからは
カオルさんの腕に乗っている。
ウデマクラ。
あたしは文字通り
カチーンと固まった。
カオルさんのベッドに入ったのは
なんとなく覚えてるけれど
腕枕の記憶は、完全にない。
いつの間に
どうしてこんなコトに……!
カァッと頭に血が上り
心臓がドキドキした。
思い出せない。
全然、覚えていないけど――
ヤバイ。嬉しい。
ちょっと
恥ずかしいけど。
いい歳して腕枕が嬉しいとか
ありえないとは思うんだけど
それに腕枕なんて
寝心地悪いだけだって
小馬鹿にしてたんだけど
けれど頬に当たる感触は
とても柔らかくて
心地がよくて。
首を寝違えそうになるほどの
太い腕でもなくて
すごく自然な、腕枕。
こんなのは初めてだった。
なんて居心地がいいんだろう。
それであたしは、妙に納得してしまった。
カオルさんは紛れもなく女性で
あたしは女性であるカオルさんが
ちゃんと、好きなんだなと。
それは不思議な安心感だった。
柔らかく甘い心地よさに
うっとりしながら、再びそのまま
眠ってしまいそうになったところで
あたしは我に返った。
このまま寝たら
カオルさんの腕が痺れちゃう。
いや、もう既に痺れてるかもしれないけど
もし痺れないとしても
ずっとこのままは、しんどいに決まってる。
それに。
万が一にもカオルさんの腕に
あたし、ヨダレでも垂らしちゃったら……!
カオルさんを起こさないように
あたしは慎重にそぉっと、そぉーっと
腕枕を外した。
寝息が変わっていないことを確認して
あたしは外したその腕に、
抱きつくように、ぴったりと
身をすり寄せて眠った。




