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男の本能と勘違いの恋

6月

ガチャ

「こんにちは~」

「こんにちにゃ」

「お、咲川さん…」

放課後、部室に入ると咲川さんひとりでいた

なんてこった………咲川さんとふたりきりて…

「あれ?倉見先輩は一緒じゃないんですか?」

「あ…あぁ…掃除当番で遅くなるって」

「そうですか………ニヤリ」

何か企んでやがる


「ところで東崎先輩」

「なんだ…」

「ちょっと手伝って欲しい事があるんですが…///」

「嫌だ」

「私、何も言ってませんよ!?」

「どうせロクな事じゃないと思われる」

「違いますよ…!!私、まだ学校に入って2ヶ月なんですがまだ学校を全部覚えてにゃいんですよ。」

「あ、そういうことか。まぁ、うちの学校は複雑だからね」

「だから…先輩に案内してほしいにゃん…///」

「ん…まぁ、まだ2人来そうにないし、案内してやるよ」

「本当ですか!?じゃあ早速行きましょうよ」

「え?………あぁ…」

咲川さんはなんでそんなに嬉しそうなんだ?


うちの高校は、都内では2番目に広いマンモス校で生徒数もなんやかんやで多いのが特徴だ

敷地には校舎と体育館。それに野球場・サッカー場・校庭…

そしてやたらデカい花壇と何に使っているか分からない旧校舎などなど…

1年生なら100パー迷う所なのだ


「咲川さんも映画部の部室に行くのにだいぶ迷ったかい?」

「結構迷いましたよ。10分位ずっとグルグル…(汗)」

「そうかw俺も1年の時は迷ったなぁ…」

「先輩も…ですか?」

「俺もというか、皆そうなんだがなww」

「先輩も一緒に…///」

「え?」

「にゃ…にゃんでもないです///」

「そうか。………じゃあ…まずは野球場に行ってみるか」


~~~~~~~~~~

カーン…カーン…

野球場に行くと野球部が練習をしていた

「おーい!!明石」

「お、謙人じゃん」

明石が俺達に寄ってきた


「あれ、この娘は?」

「後輩の咲川さんだよ」

「あー…あの………そうかそうか!!なるほどww」

「何がなるほどなんだ?」

「いや、別にww」

「それより、今年もスタメン入れるのか?」

「あぁ!!甲子園出場の暁には応援に来てくれよ」

「ま、前向きに考えとくわw」

すると

「お、明石の女か?」

「明石先輩。誰ですかその娘?」

女の匂いを嗅ぎつけて、野球部員がわらわら寄ってきた


「俺の女じゃねぇよ。映画部の後輩なんだって」

「へぇ~、可愛いなぁ」

野球部員がじろじろ咲川さんを見る

「可愛いな。お嬢ちゃん俺と放課後デートしない?」

「そういうのはちょっと…」

「てめ、抜けがけすんな。なぁこんなヤツより俺とデートしない?」

「お前は引っ込んでろ。俺の方がいいよな?」

なんか野球部員達が騒ぎはじめた

そんなに女の子に飢えてるのか…?


「じゃあ、こうしないか?」

すると後ろから声がした

「坂本キャプテン!!」

そこには野球部のキャプテンが立っていた

「そこのお嬢さん。今からバッティングしてみないか?」

「にゃ?私がですか?」

「そうだ。お前ら今から守備位置につけ」

野球部のキャプテンは何をするつもりなんだ?

「今から俺がボールを投げるから、お嬢さんは思いっきり打ってくれ。そのボールをキャッチしたやつがデートをするというのはどうだ?」

え?なにそのルーレット的なものは

「皆、いいよな?」

「うおぉぉぉぉぉ!!やってやる!やってやるぞぉぉぉ!!」

うわぁ…めっちゃやる気じゃないか…


その頃

ガチャ…

「あれ?武蔵田君だけ?」

部室に来ると、武蔵田君だけがいた

「あ、倉見先輩こんにちは」

「謙人君は…?」

「見かけてないですけど…」

謙人君どこ行ったんだろう?それに咲川さんもいない…

……………

……………


「武蔵田君、私ちょっと探してくるよ」

「え。じゃあ俺も…」

「武蔵田君は部室に残ってて!!」

タタタタタタ…


~~~~~~~~~~

野球部員は皆、守備位置についてキャプテンがマウンドに立った

「お前ら、準備はいいか?」

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

よほどデートがしたいのか、部員らは高校野球優勝決定戦張りの気合いの声を出す。

「って…明石はやらないのか?」

「そんな事参加するわけないだろ。」

「ですよねw」


「行くよ、お嬢さん」

「に、にゃん!!」

キャプテンは軽く振りかぶって

ふわ…

キャッチボール並のゆる~い高めのボールを投げてきた

と…思ったら…


ストーン

「フォーク!?」

このキャプテン、女の子相手にフォークボール投げてきやがったぞ!?どういうつもりだよ!!

しかし


カキィン!

落ちたボールを何とか咲川さんは打った。

上に高く上がったボールはピッチャーフライになった

そうか…フォークを投げたのはそういうことか…


「あー!!キャプテンあんた…」

「ハハハハ!!俺だってこのお嬢さんとデートしたいんだ!」

本性を表したキャプテンは落とさないようにミットをがっちり構えていた

「させるかー!!」

ドスッ!!

「ぐはっ!!」

部員がキャプテンにタックルしてくる

「このアホキャプテン!!許さねぇぞ」

「皆でメッタ打ちだ!!」

部員が皆マウンドに集まって大乱闘を始めた

な…何したいんだコイツらは…


そんな大乱闘をよそにボールはポーンと地面に落っこちた

……………

……………

「さて、誰も取れなかったことだし帰るか」

「えっ!?いいんですか?」

「大丈夫だよ。な?明石」

「一応な。じゃあまたな謙人」

「おう」


~~~~~~~~~~

「東崎先輩本当にいいんですか?」

「大丈夫だって。それに、咲川さんだってデートする気はなかったんだろ?」

「それはそうですが…」

「……………」


ポンッ

「にゃっ!?///」

ナデナデ…

「咲川さんは優しいんだな」

「そ、そんな事にゃいです…///」

「でも、あんなしょうもない賭けにもちゃんと乗ったんだから…」

「それは…そうですが…///」

「そんなに優しいなら、俺じゃなくてもいいような気がするんだけどな」

「ふぇっ?」

「咲川さん。映画部に入るとき、俺に告白してくれたよな?」

「はい…」

「でも、その咲川さんの優しさは俺よりもっといい人にするべきじゃないかと思うんだけどな」


「そ…そんな事ないです!!」

「なんで?」

「なんでって…それは先輩がす、好きだから…/////」

「……………」

ポンッ

「にゃふ!?」

「ありがと」

カァァ…///

「はい…///」

「んじゃ。そろそろ桜達も来るだろうし、部室に戻るか」



「っ……………」

タタタタタ…

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