悲劇の武蔵田と謎の顧問
1週間後
「よう。東崎」
「あ、おがさん」
学校へいく途中、おがさんと出会った
「東崎!!映画部に新入部員入ったんだってな」
「あぁ…というか、なんでお前知ってんの?」
「俺の情報網なめんなよ。お前の事は何でも知ってるんだからな」
「キモいな!!変態かお前は!!」
「ところで、倉見と一緒じゃないのか?」
「今日は、撮影機材を出すって言って先に行ったよ」
「そうか…東崎や」
「なんだ?」
「確か、聞いた話じゃ新入部員には女の子がいるんだったよな?」
「そうだけど…」
「確か、その娘は東崎に告白したとか聞いたけど…」
「うん。だから何で知ってんの?」
「ktkr!!!!!!!!!!」
ビクッ
なんだなんだ、何がキタんだ?
おがさんは知り合って1年になるが、まだよく分からないヤツだな
すると
「東崎先輩~おはようございますにゃ」
「あれ、咲川さん?」
そこに咲川さんがやってきた
「東崎先輩、方向こっちにゃんですね」
「あぁ、武蔵田君も同じ方向だよ」
「武蔵田?誰ですか?」
哀れなり武蔵田君
「あの…ところでこの人は…」
「俺と同じクラスの小笠原だよ。」
「そうでしたか。初めまして、咲川ねこといいます。」
「……………」
「おい、おがさん、後輩が挨拶してんだろ。お前も…」
「キターーーーーー!!!」
ビクッビクッ
ドカッ…
ガラガラ
「おはよー、明石」
「おはよう東さ………おい、おがさんどうした!?」
東崎を見ると、頭からタンコブが出ているおがさんが引きずられていた。
「いや…事情を話すと長いんだけど…」
「気になるから言ってくれ」
実はおがさんが叫んだ後、おがさんはいきなりの大声に気が動転した咲川さんに殴られてしまったというわけ
「まさか初対面で殴られるとは思いもしなかったぜ…」
「大声出したお前が悪いけどな」
~~~~~~~~~~
放課後
キーンコーンカーンコーン
「部室行くぞ、桜」
「う、うん…」
テクテク
「桜、今日は撮影機材出してくれてありがとうな」
「うん…///でも撮影機材を出してどうするの?」
「あの2人に撮影機材の使い方を教えようと思ってな」
「そうなんだ。」
話している間に部室に到着した
ガチャ
「あ、東崎先輩倉見先輩こんにちにゃ」
「咲川さん早いね。あれ、武蔵田君は?」
「武蔵田君?………えと、武蔵田君ならまだですけど」
「そうか、じゃあ先に撮影機材に説明始めるか」
「まずはこれだな」
「カメラですね。」
「こういうのは説明書見ても分かんないと思うから、まぁ最初は見よう見まねだね」
「そうですね。」
「じゃあ、この三脚持ってみて」
ググッ…
「重いですにゃん」
グラッ…
ガチャ
「こんにちは~」
「危ない!!武蔵田君!!」
「え」
ヒューーーーー…………… ガン!!!??
「ぎゃあぁあああぁあぁあぁ!!!!!」
「武蔵田君ーーーーー!!!」
…………………………
「大丈夫か?武蔵田君」
「一応…いきなり三脚に頭かち割られるなんて思いもしなかったです…」
「普通思わないよ」
「ごめんにゃさい…武蔵君…」
「咲川さん!?俺、武蔵田だからね!」
「じゃあ、続きな。これはさっき武蔵田君の頭をかち割った三脚だ。これを運ぶ時は気をつけるように」
「どうやって運ぶんですかにゃ?」
「こうやって…担ぐように運ぶんだ」
ガチャ
「運ぶ時は周りに気をつけてね。振り向くときは周りに注意して…」
ブンッ
ガン!!
「うぎゃあ!!」
「武蔵田君ーーーーー!!!」
「2度目…」
「それでこれは、レフ板だ」
「あっ、映画撮影に使われるあれですね!」
「これは直射日光を調節して逆光を防ぐ物だね」
「重くないんですか?」
「重くはないが、持ちにくいから気を付けてね」
「じゃあ謙人君、私が外に運んどくね」
ガタガタッ
「うんしょ…」
「桜、危ないよ」
ツルッ
ガツン!!
「うがっ!!」
「うわぁ!!武蔵田君!?」
「3度目の正直だな…」
~~~~~~~~~~
「ごめんね…武蔵田君」
「だ、大丈夫です…今、頭とおでこと背中のトリプルパンチで体中が痛みますが………」
「しかし、ここまで不幸に見舞われるのも珍しいな」
「もしかしたら、武蔵田君には不幸を吸収する力があるのかも…」
「なるほど」
「その言い方悲しいのでやめてください!!」
~~~~~~~~~~
「じゃあこんな感じで撮影機材は説明したからあとは…」
「あの東崎先輩」
咲川さんが手を挙げてきた
「なに?」
「前から気になってたんですけど、映画部には顧問はいないんですかにゃん?」
「う…」
「そういえば、入部の時にもいなかったですよね」
「顧問…ね。いるっちゃいるんだけど…」
「?」
なんで先輩達、そんなに言いにくそうな顔しているんだろ?
「紹介できない人なんですかにゃん?」
「う…できるけど、なんか………子供的ななにかだから…」
「子供的な!?なおさら気になりますにゃん。紹介してください!!」
「う~ん…」
「ここなんだけど…」
俺は部室の用具庫を指さした
「そういえばここに入ったことないですにゃん」
「入れたことないからな」
ガチャリ
「………開けるぞ?」
キイイィィィ………
「堀屋せんせ~い、起きてますか?」
「う…うにゅ…」
暗闇の中から誰かが小さい影が見えた
小さい………?
「ふぁ、けん君さーちゃんおはよう」
「おはようございます。ていうか、用具庫で寝ないでくださいってば…」
「だって職員室じゃ眠れないんだもん」
そこにはなんと、パジャマ姿の女の子が出て来た
「子供………?」
「子供じゃないよ!!」
「えっと…この人が顧問の堀屋冴子先生だよ」
「えぇ!?この子供が!!」
「子供じゃないってば!!」
堀屋先生は頬を膨らませる。
というかその行動が子供に見られる原因じゃ…
「堀屋先生は、こう見えて2年の学年主任やってるから…」
「へぇ…じゃあ本当に先生にゃんですね」
「えっへん他の先生方より偉いんだよ。敬いなさい」
「なるほー」
なでなで…
「なでるなー!!敬えってば!!」
この2人、気が合いそうなのは気のせいか…?
「ところでけん君!!私に新入部員を紹介しないとはどういうことですか!」
「いや~…だって紹介しても別にどうってことは…」
「新入部員を顧問に紹介しないのはイジメじゃないの?」
「う…なんて説得力のある言い方…」
「今何か失礼な事言われた気がするけど…」
「いえいえ(汗)えっと…こっちは咲川さん。こっちが武蔵田君です。」
「私が映画部顧問の堀屋冴子だよ!よろしくね」
「よろしくお願いします」
ナデナデナデナデ…
「2人して頭なでるなー!!」
堀屋先生…完全にナメられてるな
「ところで東崎先輩達はなんで顧問の事隠してたんですか?」
「いや…実は堀屋先生はいつも映画のロケにいつも付いてきて俺達の撮影を邪魔ばっかするから黙ってたんだけど…」
「そういう事だったんですか」
「だから用具庫に監禁していたんだ。だから堀屋先生には映画の話は言わないでくれるか?」
「分かりました」
「堀屋先生も一緒に撮影に行きましょうよ!!」
「いいの?」
「げっ!!!!!」
咲川さん言っちゃったよ!!
「咲川さん言っちゃダメだって!!」
「ふぇ?にゃんでですか?」
「なんでって…それは…(汗)」
「けん君!!私も撮影に同行するよ!!顧問だし!」
「ダメですよ、どうせ邪魔するだけでしょ」
「私もいーくーの!!」
なんか子供がごねてるみたいだな…
「あーもー!!分かりましたよ。」
「本当!?わーい!!」
はぁ………なんてこったい
またまた登場人物紹介です。
堀屋冴子[ほりやさえこ](26)
子供みたいな風貌と幼い性格のとても教師とは思えない2年の学年主任
いつも用具庫を占領して寝ているために東崎達からは敬遠されがちだが、特に気にしてない様子。
子供扱いされるのが嫌いで、なでると怒る