暴走後輩と影薄後輩
前回のあらすじ
フラグが突然立った(以下略)
「……………は?」
俺は突然の事に言葉を失った
「さ、咲川さん…これはどういう…」
「だ、だから東崎先輩の事が好きにゃんですよぉ…何度も言わせないでください///」
やっぱり状況が掴めない
「ちょ…ちょっと待ってよ、咲川さん」
すると、桜が言ってきた
「入ってきて早々に告白はちょっと…」
「確かにそうですが、でも東崎先輩が…///」
「だから俺何かした?」
「この前、校門前で部活勧誘をやってましたよね?」
「あぁ…」
「私、友達と映画部を観に行ったとき、先輩を見て一目惚れしてしまったんですにゃ///」
……………あぁ、そういえばあの女子達の中に咲川さんいたな
「だから、急に付き合うとは言いません…先輩の側にいちゃ…ダメですか?///」
「あ~………うん。部員としてなら」
「あ、ありがとうございます///」
俺はこの娘を入部することにしたのだが、なんか…俺、妙な事に巻き込まれてるような気がしている
「ムーーー」
桜から視線も感じるし…(汗)
すると
ガチャ…
「あの…映画部ってここすか?」
「え…はい」
ある男子生徒が入ってきた
「俺、入部希望の1年4組の武蔵田健吾です」
「君も入部希望なのか?」
「はい。…あれ、咲川さん」
武蔵田君は咲川さんを見た
「あ…確か同じクラスの………誰だっけ?」
「咲川さんヒドい!!同じクラスの武蔵田ですよ」
「武蔵田…あ、そうだね、同じクラスだっけ?」
「咲川さん!?」
武蔵田君ってもしかして影が薄いのか?
~~~~~~~~~~
てなこんなで俺と桜、咲川さんと…だれだっけ?
「武蔵田です!!」
「あぁ、そうだったじゃあ早速だけど、咲川さんと武…武蔵田君にはどれほどの演技力があるか確かめるから」
「じゃあ、私からやりますにゃ」
咲川さんは俺の前に立った
「えっと…じゃあ、泣く演技をやってみて」
「泣く…演技ですかにゃ?」
「あれ?もしかして苦手?」
「いえ、先輩はソフトMかと思ってたんですが、Sなのに意外で………でも、そんな先輩も素敵…///」
「?いいからやってくれよ」
咲川さんって何か変だな
「じゃー、アクション!!」
……………ぐすっ…先輩の…バカぁ…
おぉ…演技上手いな。これは期待できそうだな
「よし、OKだ。咲川さんは演技上手いな」
「えへへ…///それで先輩、興奮しましたか?」
「は?」
「私の泣く姿を見て、何か目覚めましたか?」
「目覚めるって何が?」
「もう、素直じゃないんですから」
咲川さんの言いたいことが分からない…
で、その後はむ…武…武蔵田?君の演技を見て(省略)
「うん、2人とも演技は大丈夫そうだね。じゃあ早速だけど、8月に『全国高校文化映画大賞』というのに出場するために映画を作らなければならない」
「俺達もそれに参加するんですか?」
「あぁ、でも大丈夫だよ。2人の演技力なら北総高校にも勝てる気がするし」
「北総高校?どこですかそこ?」
「毎年、映画大賞で優勝している強豪校でね。謙人君の中学時代の人が部長をしているんだって」
代わりに倉見先輩が説明してくれた
「つまり…東崎先輩はその北総高校の部長をライバル視してるって事ですか?」
「そういうことだね」
「とにかく、この大会を目標にこれから何の映画を作るか会議をしよう」
~~~~~~~~~~
「じゃあ、とりあえず何でもいいから案をドンドン出してくれ」
「そうですにゃあ…東崎先輩。私からいいですか?」
「おぉ、咲川さんは何か案が?」
「はい!!それは東崎先輩と私の恋愛ストーリーですにゃ!!/////」
「……………は?」
「歓迎会で見た恋愛物にちなんで、先輩と私の軌跡をプロモーションビデオ風にするんです」
「………え、と…PV風というのはいい発想だけど、映画はフィクションだから俺らの名前は使えないよ?」
「そこはノンフィクションで行くんです。正直言うとPV風じゃなくてもいいんですにゃ!!」
「どっちだよ!!」
ガタッ
「そ、そんな事…認めるわけにはいきません!!」
いきなり桜が立ち上がった
「ふぇ~、ダメですかにゃあ」
「絶対ダメだよ!!」
「なんでダメなんですかにゃ?倉見先輩、必死に否定してますけど」
「っ……………!と、とにかくダメなのーーー!!/////」
はぁ…、なんでこの2人は俺が絡むとケンカするんだろうな
「あの…東崎先輩」
「………ん、誰だっけ?」
「武蔵田ですってば!!いい加減覚えてくださいよ」
「あ、ゴメ武蔵田君は何か案ある?」
「俺、社会派ドラマを作ってみたいんです」
「社会派ドラマ?」
「はい。世の中に溢れる理不尽な問題に立ち向かう話なんてどうですか?」
「……………それは、気が重いからやめようぜ(汗)」
「じゃあ、こんなのはどうですかにゃ?」
また咲川さんが案を出してくる
「また訳分からん案じゃないよね?」
「今度は大丈夫ですよ。私の案はですね、アニメみたいな映画はどうでしょうか?」
「アニメ映画か…最近やってるよな」
「そうです。それでオリジナルアニメ映画を作るんですにゃ」
「ふむ…悪くないかもしれないね」
「でも、咲川さん。それって衣装の準備とか必要じゃないの?」
桜が聞いてくる
「その点はモーマンタイですにゃん!私、いっぱいコスプレ衣装持ってますから」
「持ってんのか………いっぱい」
「せっかくですから、バッグに偶然コスプレ衣装があったので着替えてきますにゃん」
「いや…着替えなくても………」
「行ってきますにゃん!!」
咲川さんは衣装を持って部室から出て行った。
10分後…
ガチャ
「あるゲームのコスプレをしてみましたにゃん///」
着ていたのは…
「それって…D.C.2の天枷m…」
「武蔵田君。それを知っている人は少数だから、コスプレキャラの名前言わなくていいぞ」
何か言ったら、いろいろまずそうなので止めておいた。
「これはですね、D.C.2の天枷m…」
「咲川さん!!それを言ったらアカンて!!」
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「なかなか決まらないな…」
その後いろいろ案が出たのだが、どれもイマイチ…というか各方面に迷惑がかかりそうなものばかりであった。
「謙人君…」
「ん?」
すると桜が声を掛けてくる
「あのね…私も案出していいかな?」
「いいよ。何かいい案あるのか?」
「いいかどうか分からないけど、日記風の恋愛物がいいと思うの」
「日記風?具体的には?」
「ある男の子を好きになった女の子が日記を書いて、話を進めていくような…」
「日記風か…いいかもしれないな」
「本当?」
け、謙人君に褒められた…///
「じゃあ、これで行こうか」
というわけで、この4人で新生映画部がスタートすることになった。
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放課後
テクテク…
「それにしても、新入部員が入ってくれて良かったよ」
「そ、そうだね…」
「まぁ、咲川さんのあの告白には驚いたがな」
「う、うん…」
………告白なんか思い出さなくてもいいのに…
「それにしても、桜のアイデア。素晴らしいと思うよ」
「ふみゃ!?///」
カァァ…/////
「桜がせっかく出してくれたんだから、頑張らないとな」
「……………///」
「桜?どうかしたか?」
顔赤くなってるから、見ないで…
「な、なんでもないのっ!!///」
「?」