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『好き』という言葉

「文化祭じゃあああああぁぁぁぁぁ!!」


「テンション高いな~」

今日は文化祭当日、おがさんはすごくテンション上がっていた

「だって一年のうちでめちゃくちゃフィーバー出来る日なんだぜ」

「他にあるだろ、体育祭とか修学旅行とか」

「いやいや、文化祭が俺にとっては生きててよかった瞬間なのだ!!」

「いいすぎだろ…」

「とか言いつつ、結局文化祭で食うことしか考えてないだろ?」

明石がそう言う

「ふ………当たり前だろ、文化祭は食べ物で出来ているのだからな!!」

今、他の展示ものを敵に回したよな?


「ところで今日は文化祭で倉見と一緒だよなぁ?ww」

「何か腹立つなその言い方」

「倉見と何か進展があるといいな?ww」

「あぁ…そうな」

昨日、俺は桜と仲直りして分かったことがあった。

それは普通の人が持っていて、俺にはなかったもの…昨日、ようやくそれが分かった。


そして今日、伝えるんだ………


~~~~~~~~~~~

「んじゃ俺は部室寄ってくよ」

「おう、じゃああとでな」

部室の鍵を取りにいくため、職員室に向かった


ガララ…

「すいませーん」

「あっ!!けん君」

職員室には堀屋先生がいた

「げ、先生…」

「げって何!?私がいると都合悪いの?」

「いえいえ(汗)にしても職員室にいるなんて珍しいですね」

「今日は文化祭だからね、今日くらいは出ないと」

「ところで部活の方は来れるんですか?」

「う~ん、食べるのに忙しいから、無理かも」


「そうですか……………は?食べる?」

「うん!今年は3年のクレープのお店が美味しいから食べに行くんだ!!」

「仕事してくださいよ…」

「だってぇ、文化祭の食べ物美味しいんだもん」

………この人、本当に学年主任か?


「ところでけん君は何しに来たの?」

「プロジェクターの確認をしたいので、部室の鍵を貸してほしいんですが」

「鍵ならさーちゃんが持ってったよ?」

「え?」


~~~~~~~~~~~

ガチャ…

「おはよう、桜」

「にゃ!?お、おはよう///」

部室には桜がいた

「珍しいな、先に来てるなんて」

「ちょっと機材の確認とかしたくて…」

「そういうのは俺がやっておくのに」

「いいの!いつも謙人にはやってもらっているから、その…お礼というか………///」

「そっか、ありがと」

なでなで


「ふにゃ!?///」

「あ、ダメだった?」パッ

「あぅ………」

「……………」なでなで

「ふにゃあ…///」

「……………」パッ

「はぅ………」

なにこれ和む………


ガチャ

「おはようございます、先輩達」

「おぉ、おはよう咲川さん、武蔵田君」

「今日遂に文化祭ですね!!」

「やっぱり楽しみだよな」

「高校の文化祭って結構スゴいと聞いたんで楽しみにゃんです」

「そして東崎先輩とあわよくば、文化祭に回れるかもしれないし…」ブツブツ

「え?何か言った?」

「な、なんでもにゃいです!」

なぜだろう……とても不吉な予感がするのは


「むぅ………」

ギュッ

「桜、なんで急に手を握ってくんの?」

「な、なんでもないよ」

キッ!!

「うむむ………」

バチバチバチバチバチバチ


う、なんか分からないけど…とても修羅場な雰囲気が(汗)

「と、東崎先輩!!そろそろ準備のほうをしないと…(汗)」

「そ、そうだな!!ほら、そろそろ行くぞ」

スルッ

「ショボーン…」

ふぅ、武蔵田君のおかげでなんとか抜け出せた…

「さぁ、準備をしに行くぞ」


~~~~~~~~~~~

『ただいまから文化祭1日目を開催いたします』


ガヤガヤ…

文化祭始まってすぐ、映画上映会は盛況だった。

上映時間毎に人がどんどん入っていく

「まもなく上映時間です、ご覧のお客様はお急ぎくださーい」


「おーい、東崎」

「おぅ、おがさん明石」

「やー盛況してますなぁ」

「そうだな。去年より人が多くてびっくりしたよ」

「よかったな、今年は安泰だな」

「なんならお前らも観に行ってくれよ」

「おう、じゃあお言葉に甘えて」


「ふははははは!!」

「う、この声は………」

その声の主に振り向くと

「久しぶりだな!!東崎謙人よ、乾久志だ!!」

「げ………乾」

「ずいぶんチンケなところで映画をやっているでないか」

「うるせぇな」

「まぁ私の高校では大シアターで開催出来るのだがな、はっはっはっはっ!!」

相変わらずのウザさだな

「つうか何しに来たんだよ」

「せっかくだし、東崎謙人の作品を観てやろうと思ってな」


「は?映画大賞でも観ただろ?」

「こういうのはここで見るこそいいじゃないか」

「そうかよ…」

「それに東崎謙人、君の作品は実に味が深い」

「え?」

「中学から君の作品はブレないし、面白さも悲しさも短い時間に全て詰め込んでいる。私には真似出来まい」

「そ、そうか」

「ではまた会おうじゃないか。はっはっはっ」

「……………」

ウザいといつも思うけど、なぜか憎めないんだよな…乾は


~~~~~~~~~~~

『上映を終了します。ありがとうございました』


「ふぅ、ようやく午前が終わったな」

午前中の上映が終わり、しばらく休憩に入ることになった。

「お疲れ様、謙人。お茶だよ」

「ありがとう」

「そういえばもうお昼だけど、謙人はどうするの?」

「あぁ、どうするかな…」

お昼に出たいのはやまやまだが、午後の上映会始まる前に機材の点検しときたいしな…


「先輩、お昼出ても大丈夫ですよ」

「え?いいのか?」

「いいですよ。俺と咲川さんで点検しときます」

「ありがとう。それじゃあ何かあったら、電話してくれ」

「分かりました」


「それじゃあお言葉に甘えて…行くか」

「はいにゃん!!」

ガシッ

「はいはい、咲川さんは残らないとね」

「いやだー!!私も東崎先輩と焼きそば食べたいの!!」

「ははは…(汗)」

あとで焼きそばでも買ってくるか


~~~~~~~~~~~

「それじゃあ何を食べに行く?」

パンフレットにはたくさんの店が並んでいる

「う~ん…いろいろあるけど」

「午後もあるし、出来るだけ食べておきたいよな」

「あ、せっかくだし自分のクラスに行ってみる?」

「そうだな、確かお好み焼き屋やってるって言うし」

「じゃあ決まりだね」


ガラガラ

「あ、東崎君」

「芝山さん、今シフトなんだ」

芝山さんは可愛らしいエプロンを着ていた

「へぇ、芝山さんが作ってたのはそういうのなんだ」

「私、裁縫とか得意だから。こういうの好きなんだ」

「スゴいな、不器用な俺には真似出来んな」


「ところで東崎君と倉見さんは何しに来たの?」

「上映会が休憩に入ったから、その間にご飯でも食べておこうと思ってな」

「じゃあうちのオススメの『ミックス焼』とか食べる?」

「いいね。じゃあよろしく」


~~~~~~~~~~~

「は~い、お待たせ」

目の前には美味しそうなお好み焼きが

「それじゃあ食べるか」

パクッ

「お、美味いな」

これはなかなかイケる

「ん?どうした食べないのか?」

見ると桜は箸にすら手を付けていない

「にゃ…私、猫舌だから」

「そっか、それじゃあ………ほれ」


スッ

謙人がお好み焼きを私の前に出してきた

「熱いから、食べさせてあげるよ」


「え、えええええぇぇぇぇぇ!!///」

こ、これは伝統のあーんじゃないの!?

「一応冷ましてあるから大丈夫だぞ」

け、謙人からこんなご褒美がもらえるなんて…夢じゃないよね!?

と、とにかくどうしよう…こんな人の前であーんなんて…///

「どうした?食べないのか?」

「あ…あぅ」

「~~~~~!!/////」

えぇい、ままよ!!


パクッ

「どう?美味しいだろ?」

「……………/////」

あれ?なんで黙りこくってんだ?

なんかスゴく顔が赤いし………あ


「わぁー食べさせあいっこしてるー」

「ママ~リア充がいる~」

「末長く爆発しろ」


周りからの視線が痛い…(汗)

もしかしてスゴく恥ずかしいことしてるってことか?

「……………///」

なんか俺も恥ずかしくなってきた

「……………/////」

「……………/////」

うぐ…気まずい…

「ど、どうだ?美味しいよな」

「う、うん。美味しいよ」

「そ、そうか」

「……………」


スッ

すると桜が箸でお好み焼きを掴んで

「あ、あーん…/////」

「!!?!?///」

こ、これは俺にも食べさせるってことか!?

そ、それはいろいろマズい気が…


「食べないの…?」シュン

「う………///」

そんな顔で言われたら、断るのも悪い気がするじゃないか(汗)

うぅ…食べるか


パクッ

「……………///」

「ど、どう?美味しいかな?///」

さっき食べたから美味しいのは分かってるけど…

「お、美味しいよ」

「えへへ…そっか/////」


ドキッ///

桜の笑顔に思わずドキッっとしてしまった

………やっぱ俺がドキドキしてしまうのは俺が桜を…

いや、それは分かりきってるんだ

あとは伝えるだけなんだ




~~~~~~~~~~~

夕方

「…………………………」


ガチャ

「謙人、ここにいたの?」

「あ、桜」

いきなりドアが開いたと思うと、桜が部室に入ってきた

「どうしてここにいるって分かったんだ?」

「ずっと探していたんだけど、もしかして部室にいるんじゃないかって…」

「そっか…」

「謙人は帰らないの?」

「あぁ、もうちょっとしたら帰るよ」

「ん、分かった。それじゃあ私ももうちょっとしたら帰るよ」

そう言って桜は隣に腰掛ける

「わぁ、キレイだね…」

部室には夕焼けが射し込んでいる

「だな」

夕焼けに浮かぶ桜の顔がとてもキレイに見える


「……………あのさ、桜。」

「なに?」

「桜はさ…恋愛とかしたことあるか?」

……………

……………


「にゃあ!?///」

「いや、ないんだったらいいんだけど」

「で、でもどうしてそんなこと…///」

「………俺さ、実は恋愛とかよく分かってないんだよな」

「え……………?」

「恋愛モノ書いてるヤツが何言ってんだ?って思うけど、俺は好きになるってことが分からないんだ」


「よく聞く恋愛話や恋愛小説を見てもなぜか何も思わないのが自分でも不思議なくらいにな」

「……………」

「でも…俺は最近分かったことがあるんだ」

「分かったこと…?」

「俺のそばにいつも居てくれて、俺の手助けをしてくれた人がいるんだ」

謙人は窓の方を向いて語り始めた


「その人はちょっと情緒不安定で顔を赤くしたり、少しドジな人なんだけど、その人は俺が見せてくれる笑顔が好きでさ」

「その人といると楽しくて、ふとドキドキさせられるんだ」

「だからもしかしてと思ったんだけど、あながち間違いではなかったみたいだ」

「っ……………それって…」

「俺は確信したんだ」

そういって私の方を振り返った




「桜、君が好きだ」




ジワッ…

「あ……………」

すると桜の頬に涙が

「えっ!?な、なんで泣いてるの?(汗)」

「あ…その………」

「や、やっぱり俺に告白されるのは嫌じゃ…」

「ち、違うの!!そ、その…嬉しくて…」

「……………」


ぎゅっ

「ふにゃ!?///」

「ありがとう、好きだよ桜」

「わ、私も謙人が好き…大好き…」

「うん…ありがとう」

「本当に嬉しいよ。私もずっと好きだったよ」

「………そうだったのか、ゴメンなずっと待たせて」

「うぅん、分かってたから」

「………そっか」


「こ、これからもよろしくお願いします///」

「あぁ、よろしくお願いします」


~~~~~~~~~~~

テクテク…

すっかり日が落ちて、暗い道を俺と桜は歩いていた

「はぁ…なんか不思議だな」

「なにが?」

「いや、さっきまでは友達だったのに今は恋人なのは不思議だなって」

「そ、そうだね…///」

「なんだか実感わかないけどな」

「じゃあ私のことは恋人と思ってないの…?」

「あ、そ、そうではなくてな(汗)」

「ふふふ、冗談だよ」


「にしても明日も文化祭だし、頑張らないとな」

「あ…それでちょっとお願いがあるんだけど…///」

「なに?」

「明日の文化祭…い、一緒に回らない?/////」

「え、でも部活は…」

「それは武蔵田君や咲川さんに任せればいいよ、それに…」

「それに?」

「付き合ったのなら、デ、デートをしてみたい…なんて…///」

「……………」


ポンッ

「いいよ、明日は一緒に回ろうか」

「………うん♪」

桜は満面の笑顔を向けた

「………ねぇ、謙人///」

「ん?」

「好きだよ/////」






チュッ


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