第1話 お嬢様は基本的には淑女です
結構前に投稿したものを改稿して、連載版にしました。
よろしくお願いします!
私はタナー侯爵家で使用人をしているサラといいます。私はご令嬢の乳兄弟をしております。
お坊ちゃまは……いけないピエトロ様は世界一格好いいと私は思うのです。
剣術の腕も一流です。欠点あるのかなぁ?寝起きに寝ぐせ?あ、これは口が滑りました。
ステファニーお嬢様は、そりゃあ美しいですよ?
容姿は世界一です。でも、性格に問題がありました。
遡る事それはお嬢様が10才になる頃でしたでしょうか?
良家の子女というものは淑女教育に余念がなかったでしょうね。ああ、遠い眼をしてしまいます。
ステファニーお嬢様ときたら、自分のことを「ステフと呼んで」と私に言いました。
さらに、ええさらに加えて、もともとお転婆でしたが、剣術をしたいと言い出す始末……。
旦那様は「護衛にかかる予算が減るなぁ。はっはっはっ」とか笑っていましたけど、笑い事じゃありませんよ。良家の子女が剣術などもってのほか!奥様はもちろん反対……しなかったんですよね……。
「それなら、剣術をするときは我が家の家宝のこのブレスレットをしなさい。性別が変わるから。着てる服も同時に変わる優れものよ?」とお嬢様に渡しました。
……そういうわけで、ピエトロ様と言うのはステフお嬢様のもう一つの姿です。
さらに領地経営の勉強などの勉学にも手を出しました。領地経営については、旦那様曰く「いやぁ、ステフのおかげで仕事が捗って助かる。領民も喜ぶ」
……奥様はもう何も仰らなくなりました。
お嬢様は放っておけば見目麗しい女性で、引く手が数多であろうと私は思うのです。でも、本人に全くその気もなく、デビュタントもしてないような?です。興味がないようです。
もちろん侯爵家の令嬢ですから、毎日のように釣り書きは送ってきますが碌に目を通しません。
まぁ、そうですよね。男性化をしたご自分の方が見た目がよく、剣術の腕もよいのですから。
そんなお嬢様たち(?)も貴族学園に入学する年齢になりました。
私も侍女としてついて行く所存です。
入学試験で首席だったようで、ピエトロ様が新入学生の挨拶をするようです。
「今年度より入学することになりましたタナー侯爵家長男のピエトロと申します。俺、ンンっ……僕の妹ステファニーは病弱でなかなか学園に来れないようですが、来た際には仲良くしていただきたいものです」
などと言っていました。どうやら、兄妹設定のようです。ステフ様は病弱らしいです。今まで風邪の一つもひいたことがないんですけどね!
試験……どうやって受けたのか不思議です。ピエトロ様としても受験し、ステフ様としても受験。どうやったのでしょう?
そんなことはステフ様には些事なのでしょうか?後でみっちりお聞きしましょう。
ピエトロ様の演説(?)で、子女はうっとりと目が♡になっていました。まぁ、ピエトロ様の容姿と学力、加えて『侯爵家の長男』というところに惹かれたのでしょう。
一方、子息様たちは一瞬殺気が出ていましたが(ステフ様にはわかりますよ?)妹も入学してくるという情報で、期待をしているようです。
……超がつくお転婆で知識大好きの容姿の良いステフ様でよろしければですけれども。剣術、あなた方よりも強いですよ?
最近は騎士団に混ざって訓練をしているようです。
剣術だけは、騎士副団長直々に指南していただいているようです。他の騎士の方では相手にならなくなりました。騎士団長様からは騎士団にスカウトされています。……無理です、申し訳ございません。
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「ステフ様、入学試験はどのようにしたのですか?」
「あら、簡単よ。午前中はステフが試験を受けるの。午後からはピエトロが試験を受けるの。ね?簡単でしょ?」
私は頭を抱えてしまいました。
「旦那様はステフ様がピエトロ様としても学園に通う事をお許しに?」
「いいんじゃない?うちは幸い侯爵家だし、学費に困ることはないでしょ」
私はため息を出す以外ありませんでした。どうしてこんなふうに育ったのでしょう?
便利グッズ…美形だからいいんだよなぁ。凡人は美女になれるわけでもイケメンになれるわけでもないよね。いいなぁ、ステフ。




