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009  家来を獲得!

首筋に剣を向けられて医者?は引きつっている。


「ちょ、な、何を?!」


「お前、医者じゃないな? これはただの香草だ グルというわけか?」

なるべくドスのきいた声のつもりだが、できてるかな。


「酒とつまみに毒を入れて偽医者の登場で金を取るのだな? いつもの事か?」

皆の顔色が変わった なぜバレたかと思ったのだろう?


「ま、待ってくれ、わたしゃ頼まれただけで・・・」

「何を頼まれた? 話を合わせろと・かな?」


「お客さん、そりゃ誤解だ! 誤解だよ、あんたの具合が悪いから来てもらっただけでな、ここらじゃ医者はこの人しか・・、薬を間違ったか? だな?」  

店主がかばおうとするが、苦し紛れが見え見えだ。


「おれは毒に詳しいから匂いでわかるし毒耐性があるんだ、何を企んでるかと思えばこんな事か? お前達皆切り捨てるかな?!」

剣を首に押し当てた。

「ひいっ」


「待った、いえ、お待ちください! わしらが悪かった、少々稼ぎを増やしたかっただけで毒と言ってもごく軽くて気分が悪くなる程度でな、死ぬほどでは・・」


「どうだろうと、毒を盛ったのは事実! そうだな?!」

また睨みつけると皆が黙った。


そろそろいいかな?  


「死にたくなければ私に協力しろ! この国の事を調べているんでな、正直に話せ」


「あ、あんた、スパイなのか?」

店主が硬直しつつも声を絞り出す。

「スパイではないが個人的にな、 余計な事を言うな! 黙って従えばいい」


「「「は、はいっ」」」

 

その後4人を壁際に座らせて、尋問を・・・・ でも何から聞こうか。


「お前たちのバックにもっと悪いのが付いてるのか?」


「バック? わしらは使われてるわけじゃない、自分の店の為だ」

「わたしゃこのおやっさんに頼まれて芝居しただけで、分け前貰うだけだ」

主犯格はこの二人か、せこいやり方だがな。  


「この街ではどこでもこんな事をしているのか?」


皆が顔を見合わせる。

「旅人に対してだけだがね、ほんの少し金を貰う程度だよ、殺しゃしないよ!」

「そうそう、裕福そうな人から多めに貰う程度さ、ねえ?」

「うん、乱暴しないしお金もらうだけ、ほんとだよ!」


みんながこくこくと頷く。


「ここの領主はどんな人物だ? ワルか? 冷酷か?」


「わ、ワルって程では・・・?この程度の事は見逃すが、命令するわけじゃねえし」

「重税って訳ではないしな? 少し細かいけどな」


領主もせこいようだが、細かい?  

「細かいとはどんなふうにだ?」


「あのね~~、 街をよく掃除しておけっ!て、汚れてると罰金取るぞ~って」

なに? 掃除?

「汚れてると旅人が来なくなるって、衛兵が見回るんです、毎日!」

娘とおかみが嫌な顔をするので、この二人が掃除担当か?


だからこの街は汚れていないのか、その点では賢いが・・・・


「この領地は旅人相手の宿や酒場などで収入を得るのか?」


「そうです、畑は有るけど出来はそれ程でなく、遠くに運ぶと鮮度が落ちるしで」

「長持ちするのが少なくて・・自分らが食べる分で精いっぱいなんす」


その辺を領主が考えていないんだな?  

う~~~ん


「よし、お前達金が欲しいか?」

金貨を4枚取り出してテーブルに置いた。

4人が目を剥いて固まっている、 先に出したのと合わせて6枚だ。


「欲しいよな?」

皆、コクコクと頷く、 正直でよろしい。


「では毒を盛るなどもうやめろ! こんなことを続ければいずれ痛い目を見るぞ、だから二度とするな、その代わり私に従えば金をやろう・・ いいな?」


4人が顔を見合わせる、話がうますぎると思うかな?


「なに、奴隷にするわけではないし、 少し情報集めと走り使い程度で危険は無い」 


「それだけで良いので?」

「当面はな、 厄介な事なら金を増やしてやるぞ」

「「「「おお!」」」」


乗り気なようで顔に出ている まったく正直だ。



「よ~し、 まず衛兵の情報だ! 見回りのルート全て、どこからどう回るか、時間、親しい住人、行きつけの店、遊ぶ所、友人、家族など、何でもだ」


「じゃあ、明日からやりますんで」

「ただしあからさまな尾行はするな! お前たちは素人だからな、さりげなくだぞ」

「へい」「うす!」「はい」「は~~~~い」


一人、妙に可愛いのがいて、大丈夫かと思うがこの方が怪しまれず良いか?  


剣を鞘に納めて兜の面を閉めた。

「今日はこれで帰るが、私を裏切れば・・・・どうなるかわかるな?」

「とんでもない、裏切りなど絶対にしませんて!」


「こんなにもらえるなら、できればずっとお付き合いを・・ねえ?」

「カミさんの言う通りで、へえ」


「ならば良し!」


後は任せてその店を後にした。

次は・・・・・・・領主の所へいくか?


『領主を調べるのですか?』

「やあアンジー、待たせて申し訳ないな 領主の館がわかるかな? 多分ここらで一番大きい建物と思う」


『それならあちらに、それらしいのが・・』


「では忍び込むかな? 勇者の技に隠密的なのが有れば良いが」


まだできるだけ穏便に行こう、できるだけ。


剣を握りしめ小走りに館へと向かう。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

始まったばかりですのでまだまだ続きますよ

よろしくお願いします。

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