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006  刀鍛冶の開始

サブタイトルを少し変更しました。


帰りには出店に寄ってお菓子などを買う。


「え~~っ、買ってくれるんですか~」

「ああ、皆の分もな、どれが良いと思う?」

「それじゃあ、ええと、ええと・・・」

ルアンは辺りの店を見ながら行ったり来たりで、なかなか決まらない。


「すみません私達の分まで、あの子ったら甘えて」

「いいんだ、お金を多めに貰ったし、自分もお茶菓子が欲しいから」


「決まりました!」

カゴにお菓子を山盛りにしてきて、崩れそうで危ういほどだ。

「少しは遠慮しなさい!」   

アンジーが怒るのをなだめて払っておく。

他に茶葉を買っていこうと思ったが緑茶は無いので、お薦めの紅茶にする。


10種類以上ある中で、4種を選んでくれた。

「これは魔力、こちらは神力(じんりょく)を強化します、こっちはですね・・」

「まりょく? それにジンリョク?」

「ええ、聞いていませんか? 司祭様から」


??? 何の事やら、わからないが・・・・?


「魔力は魔法を使うため、神力は神の御力で浄化の力でもあり、亡者に対抗します」

???? (あやかし)を払うのか? 修験者や巫女の範疇なのか?


「魔物を退治するためかな?」  

「そうです、時には人相手もありますけど、魔物に対する力を得るためです」


なるほど、それが勇者で、その為の剣を打てと。

「では自分も魔力を持つべきか?」

「はい、我々も協力致しますが、剣に魔力等を込める為です」


「薬草もあるんですけどね~ あれ苦くって~~っ 」

ルアンが渋い顔で言うがアリシアに睨まれる。

「それも仕事のうちですよ、甘えてはいけません」


「苦いのか、ハチミツや黒砂糖を使うとかは? 胡椒では苦みは消せんか?」

「蜂蜜は高級品で・・ 黒砂糖とは?」


「養蜂業者は少ないのかな? 黒砂糖はこちらには無いのか?」  

「養蜂? 蜂を飼うのですか? こちらでは狩で蜂の巣を取るだけですが」


「へえ」

蜂を育てないとは、それでは高くなるか、それに黒砂糖は・・サトウキビからか?

こちらに無いのだろうか。


  

教会に着いて袋一杯のお菓子を見てシスター達から歓声が上がっている。

自分は茶葉と菓子を少し貰って、買った剣をさっそく鍛冶場に持ち込む。


よーく見るがやはり日本刀とはだいぶ違って厚く重い。

「これを振るとはかなり力が、・・違うか、力で振るのではなく体でだな、そして

これは引くのではなく、押すか叩くための物か、ゆえに真っすぐの形」


それなら刃もそれに合わせないと・・・・・   

剣士の手や体にも合うようにだな?

魔力とやらのこともあるのか、 う~~~~~ん それはどうやるのか。


「熱心ですねえ」

急にそばで声が聞こえた、 今のは天使 アンジーか? 姿は無いが。

「お邪魔しますね、さっそくお仕事とは・・神の祝福がありますように」


茶菓子をかじりながらなので褒められるほどではないんだが、まあいいか。

「少し聞きたいことがあるんだが、このあたりにサトウキビは無いのかな? 

それに蜂を飼う事は可能だろうか? 蜜を手に入れるために」


「サトウキビなら野生でありますね、この国では使われませんが・・少し事情があって、それに小さな蜂なら飼えます」   


「事情というのが気になるが、近くにあるなら取りに行くがどの辺かな」

「徒歩なら2時間ほどで、事情はですね・・昔に滅びた国の特産品で、その国王が奴隷に採らせていたそうで、そのイメージの悪さですね、今は他の砂糖があるので」


「使うとまずいかな? 宗教的問題は?」

「それは無いですよ、禁止されてはいないので 売らない限り問題無いかと」


なら自分達が使う分だけで済まそう。

「養蜂は子供の頃、故郷でしていたんだ 両親はもういないが」

物心つく前に死んだと聞いた。

だからこそ、ここへ来るのに未練はなかった。


数日後、馬を借りて両方を取りに行く。   

案内はルアンより少し大きく、乗馬の上手い娘が付き2頭で駆けていく。

名前はユーユといったか、隣国から来た娘だそうだ。

乗馬は久しぶりと言いながら早く、ついていくのがしんどいほどだがおかげで早い。

1時間もかからず着いたのは林に近い原野。


シスター服ではなく、ツナギの作業服で外の作業に慣れているのか活動的な子だ。

蜂の巣を取るのは魔法で眠らせていたし、刺されず巣を袋に入れている。

自分はサトウキビを取っただけだ。


夕方までに巣を2つとサトウキビを二抱えも採れたので十分だ。

「蜂の巣も食べられるんですよねぇ 以前少し食べた事が・・」

と、今にも噛り付きそうな顔をするが止める。   

蜂箱ができてからでないとまずいのだ、明日までにできるらしいが。


「そろそろ帰りますか、夜はこの辺も危ないから!」

元気ながらも警戒したように馬に乗る。

一応は剣を持って来たが自分は侍ではないので小さな獣相手がせいぜいだ。



帰るとまたシスター達に歓待された。

甘い物が食べられると喜んでいるんだろう。

「蜂の箱は大体できましたよ、明日には完成ですし、サトウキビはすぐ煮ますね」

「鍋持って来た~~」

アリシアとルアンがすぐに準備して煮込んでいくので、今晩中にできるかな?


自分は刀鍛冶の準備をしておこう。   

いよいよ製作開始だが、まずは試作品からだな・・・・・・。




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