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異界の刀鍛冶 ~1日5分の最強勇者!!~  作者: 前田  裕也


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0028  突入

「本当に一緒に行くのかい」


「ええ、いけませんか」

「荒っぽい所だからな、今までとは違う、やめとく方が良いんじゃないか」

「私、逃げ足速いんですよ、それに護衛の役目でもあるんです」


護衛? 神の力が有るからなのか、でも天使が荒事に関わっていいのかな。

神様は許可しているのか。

どうにもヤンチャな天使様だな、神様は心配してないのだろうか。


「私の事心配してます?」


思っていることが顔に出たかな、言われてしまった。


「あ、もしかして世間知らずの純情娘みたいに思ってませんか」  

「うん、 少し、思ってる」

「クスクス、これでも人類の営みをずっと見てますよ、戦争だってさんざん」


そりゃ天使だもんな、人間とは寿命が違うか。 外見とはちがうよな。


「すまん、つい自分の印象で思い込んでしまう」

「いいですけどね」


笑いをこらえるように口元を抑えているのがいたずらっ子のようだが、前にもこんなことがあったような・?



----------------------------------



そして指定の時刻、とある町の集合場所である空家には既に隊員たちが揃っていた。


「早めに来たつもりだが待たせたかな」

「構わんさ、俺達は打ち合わせでもっと早かっただけだ」  


隊長が思わせぶりで妙な感じがするが、こちらはよそ者だから仕方あるまい。

すぐに信用されるわけが無いしな。

30人ほどの隊員達は薄笑いを浮かべてるのもいるが訝し気な方が多い。


「逃げなかったのは見込み有るな、度胸は有ると見える」

「それはどうも。 一次試験は通ったかな、問題はこれからだろう?」

「ああ、凶暴なのが山ほどいるぞ、覚悟はいいか」

「全員切り捨てればいいんだな? 他にやることは無いか」


周りからおおおと声が上がる。 驚くようなからかうような態度だ。

出来るのかよと言いたげなのが伝わって来る。


「他には・・・ 生き残れ、だな。 俺達はそれが一番大事だ、忘れるな」  

「わかった」



皆で家を出てすぐ、小走りに移動していく。

誰も話さず、音を立てず、闇の中を素早く移動し盗賊達のアジトを目指す。

にやけていた隊員も今は真剣で眼光鋭くひたすら走る。

無駄のない動きで誰も息が乱れないのは相当体力に余裕がありそうだ。


やがてアジトに着き隊員兵士達が配置に着いた。

そこは郊外の牧場だろうか、夜なので家畜は見えないが廃牧場なのかもしれない。

あたりに他の家は無く木々と藪が囲み目立たないので隠れ家に最適だろうし、万一の場合逃げるにも都合が良さげに見える。  


「さて、部下達が包囲したから準備完了だぞ。 後はお前の出番だ」


部下達は散って、今は隊長だけが残り茂みに隠れてアジトを伺うが静まり返って気配は無い。

もう敵は眠っているのだろう。

寝込みを襲うのは気が引けるが仕方がない。


「甘い考えは捨てろよ、死ぬぞ」


顔に出てしまったのか体調がニヤリとして言う。


「ああ、行くとしよう」


剣を左手で抑えながら茂みから出、足音を消して家に近づいていく。

見張りがいるはずだが姿が見えないので屋内にいるのか、罠を注意しつつ侵入しやすい所を探すが窓はすべて締め切ってあり後はドアだけだ。

姿を消そうかとも考えたが兵士たちが見ているからやめておくか、手の内はできるだけ隠している方が良いからな。


臨時のアジトだから鍵は簡易な物だろうとナイフで隙間を探ると小さな閂が有る。

こじってずらすとドアが開くが、紐が付いていてたぶんこれは音が出る仕組みだ。

剣を隙間から差し込んで切った。

小さなランプのそばの椅子にに見張りが座っているのが見えるが、居眠り中か?

しかし、その足元に獣がいてゆっくりと目が開き闇の中で目が光った。


剣を抜いているので即座に部屋に飛び込むが獣の反応も速い。

一瞬で飛び掛かってきて、目の前にいる。  

声を出させないよう喉を狙って一閃すると首が切り離されて二つとなり落ちた。

その音で見張りが動き、目を開けたが声を出す間は与えない。

驚いた顔のまま、その首も床に落ちることになった。


取りあえず侵入成功かと思ったその時、部屋の隅であと二つの目が光った。

もう一体いたのか!?

大型犬らしきのがグオッと鳴いて飛び掛かって来たのを袈裟懸けに斬ったが、今度は反応が遅れたか首は落ちない。

おまけにテーブルを倒して大きな音を立て、天井近くにいた鳥が騒ぎ出した。

ここは警報用の部屋なのだろう、だが盗賊ならその程度は当然の事だ。


すぐに隣の部屋から入ってきたのが剣を持った大柄の若い男だ。  

剣を抜こうとするがその間は与えず首を撥ねる。と、後ろから更に大きな男が続き首の無くなった仲間を邪魔とばかりに脇へ弾き飛ばした。


寝ていたはずが甲冑を付けて重装備だ。

剣もすでに抜いて構え、小さな盾を左手に付けている。


「何者だてめえ」


野太い声で言うが問答無用である。

盾の下を狙って踏み込み撥ねあげながら突きを放つと剣で受けるが、構わず剣を滑らせて懐へ入り喉を斬り体当たりをし、のけ反ったところを甲冑の隙間に突き刺した。

ガシャンとでかい音を立てて倒れ鳥が更に騒ぐのでナイフを投げて黙らせた。


しかし敵がなだれ込んでくると思ったが、そこで途切れた。   

気付いていないわけがない。 これほど騒々しかったのが気付かないなど・・?

そう思ったとたん、壁が動いた。

何と壁全体が倒れこんできて、その向こうには10以上の光る目が並んでいた。


闇の中で体格は牛程度、歯は肉食獣の鋭さで、しかも鎧を纏っている。

なるほど、こんなのがいるから一人で飛び込ませたわけか。





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