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隙間に落ちた空白
大勢の人が周囲にいても、自分だけ誰の視界にも入っていない。
そんな感覚に苛まれて、孤独感と疎外感だけが増していく。
何か他に見つけようとしても、そこにあるのは不安や恐怖だけ。
たった一通のメールで息を吹き返しても、
相手との温度差を考えて悲しくなってしまう。
自分の内面に問題があるとわかっているから、
どれだけ気分が明るくなるのか伝えることもできない。
相手に負担をかけて、余計な心配をさせるだけだろう。
もしかしたら、伝えてほしかったと思われるのかもしれない。
でも、限られた時間の中で嘘でも笑っていたい。
幸いなことに、なんでもないふりをして笑うことだけは得意だから。
少しでも振り向いてもらえるように、笑顔を思い出してもらえるように。
僕の存在が、隙間に落ちた空白であったとしても。