第一章その1・日常が崩れる音
この物語はフィクションです。現実の如何なる国家、団体、個人との関係は無く、誹謗中傷する意図もありません。
<主な登場人物>
高橋 剛…笹山中学校3年生。ミリオタ。社交的。
大森 颯太…同3年生。サッカー好き。お調子者。
矢部 綾香…同3年生。アイドル好き。人見知り。
<第一章その1・日常が崩れる音>
俺たちは小学校の頃から仲がよかった。そして3人で一緒に遊んだり、バカ話をしていた。そんな日々がずっと続くと思っていた。しかし、その日々は段々と崩れ去っていった。中3の新学期、明けるはずだった春休みが明けることはなかった。新型ウィルスの世界的な流行を受けて政府は緊急事態宣言を発表、学校も臨時休校を余儀なくされた。そして、長い春休みが既に真夏に差し掛かった8月6日...
「毎年のことだけど、あっついよー!」
パソコンに向かって叫ぶ。暑さで頭がおかしくなったわけじゃない。外出自粛の風潮で幼馴染の親友とすらリモートで話すしかないのだ。
「うるさい!もうちょっと静かにしなさいよ剛!」
ヘッドホンの音量をデカくしていたのか、綾香が耳を抑えながら叫ぶ。
「お前も大概だけどな」
と颯太が笑いながら指摘する。
「そうだそうだー」
笑いながら颯太に同調すると、
「剛は一回黙って!」
綾香は若干頬を膨らませながら俺に噛みつく。
「はいはーい」
適当に流すと、
「『はい』は一回でしょ!」
と怒られた。この流れは不味いと思い話題を変えようと思い、
「そういやだけど今年俺らって受験生なんよなー」
と言うと、
「そういやだけどってもう少し自覚もてよ」
と颯太が乗ってくる。綾香も落ち着いたのか、
「でも私も実感ないわー」
と話に乗ってきた。そこから暫くその話で盛り上がった。
「今日はもうそろ勉強するからおちるねー」
と綾香が言ったので、ふと時計を見ると15時、話始めてからもう既に2時間以上が経っていた。
「それじゃ俺も勉強するかー」
と伸びをしてPCをシャットダウンしようとしたその時...
投稿ペースは気まぐれですが、長い物語になると思いますので、これからよろしくお願いします。