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24話
「隆は、日継君と同じ匂いがしたの」
警察に連行される志田。パトカーに乗る前に、彼女はポツリと言った。
「相楽君も、息子と同じ体質だったのね」
崎守家が言っていた、相性の良い相手はそういう匂いを発しているという。
「知っていたんですね。じゃあ、龍人が行為を行う時の慣わしは知っていますか?」
「いいえ」
「龍の力を濃く受け継がせるには、十五夜の夜に子作りを行うと良い、そうですよ」
私は一瞬、思考が止まった。
「場所はどこ?」
「龍堂家、です」
私は倉持を見る。
「行きましょう。今日で全て、解決させます」
私は倉持の車に乗り込んだ。
「久遠さん」
すると奈緒が、声を掛けてきた。
「龍堂家は、龍の力をより濃く受け継いでいます。気をつけて下さい」
「分かった。ありがとう」
私たちは龍堂家へ向かった。