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私を陽キャにしてください!

俺、成瀬春人(ハルト)は今、自分が通っている辻咲高校から歩いて5分程にある辻咲公園という場所に来ていた。

いや、呼び出されていた。

てかこの公園初めて来た…


公園内にあるベンチには既に呼び出し人が待っていた。


その人に声をかける

「ごめん、待たせたみたいで、もしかして昨日のことで?」


「ひゃ!?…あッ…成瀬くん…えと…よ、よびだしたの私なので…寧ろ来てくれてありがとうございます!

昨日のこととは別なお願いで…あの…あの…」


めちゃくちゃ驚かれてしまった。

大して大きな声はだしていなかったと思うが…罪悪感を少しだけ感じながら彼女の次の言葉を待っていた。


彼女は一呼吸置くと自分を後押しするかのように手をぎゅっと前に握ってから言葉を口にした。

「成瀬くん!

わ、わたしを陽キャにしてください!」


教室では聞いたことがない大きな声をだしながら、

彼女、成宮陽葵(ひまり)は狙いすましたかのように上目遣いでそうお願いをしてきた。


ゆさゆさと彼女の長すぎる髪が左右に揺れ動く


「え?…」

咄嗟に声が漏れてしまったことは許して欲しい。


彼女とは同じクラスメイトな関係が続いてるくらいしか接点と言える接点は「昨日のこと」まではなかった…

そもそも陽キャにするってなんだ?

何を持ってして陽キャになるんだ?

てかなんで俺?


そんなことを頭の中で考えながら予想外な彼女のお願いに予想通りであろう返答を返した。


「えっと…突然どうしたの?成宮さん…」


こうして彼女との物語は「再び」再開した。



遡ること前日の朝




「にーちゃん!」

「お、おきて〜!」



ドスッ…ドスッ


「ぐぉふッ」


無抵抗かつ無警戒の腹部に立て続けに衝撃が入り思わず声をもらしてしまった。

2回に分けて痛みを生じた際、目が冴え渡ると共に犯人が浮上した。


上半身を起こし答え合わせを行う。


そこには

年の離れた妹がいた。

それも2人…


妹の名前は桜と比奈


桜は子供らしいクリっとした目と大きな声に、


ショートカットの髪型が元気いっぱいで好奇心旺盛な彼女の性格によく似合っている。


成瀬家のアイドル的存在な小学6年生である。


比奈は桜とは対象的にまだ眠たげな瞳とおろおろとした気弱な性格であり、小動物を彷彿とさせる成瀬家のマスコット的存在な小学生5年生である。




「おはよう桜…比奈…あと毎朝言うけどせめて奇襲かけるのは1回までな」


そう、このシスターズ…こんな可愛いなりをしてやることはなかなか鬼畜娘である。


その証拠に俺を起こす時は決まって間髪入れずに二回のダイブを繰り出してくる。




「きしゅー??」


純真無垢な瞳をこちらに向けて意味をたずねる我が妹。




「可愛いからいいや」


成瀬家はみな、この桜に勝てるものはいないのである。




「よくわかんないけど…おかーさんが起こしてきてーって!にーちゃんご飯食べよう!!」




このあとめっちゃ朝飯食べた…




ーーーーーーーーーーー




「いってきまーす!」




朝食を食べ終わり、桜が一足先に元気に登校しに家を出たあとに自分も登校するために準備をしていた。




桜が通う小学校とは真逆の位置に高校へ行くための最寄り駅があるため、桜とは家の段階で別々に登校していた。




「さてと…母さん!俺も学校行ってくる!」




「はいよー!」


玄関から母さんがいる台所までそれなりに距離があるため、大きい声で挨拶した後に家を出る


この流れが成瀬家の平日の朝である。




因みに父さんは朝早すぎて滅多に朝に会うことはなかった。




ーーーーーーーー




俺が通う辻咲高校は自宅から2駅程で、徒歩の時間も30分もかからないほどで到着する。


そのため朝は他の人より遅く登校しても間に合っている。




高校に到着して真っ直ぐ自分のクラスに向かう。


その際に廊下で話していたほかのクラスの生徒何人かに挨拶して返してを何度か繰り返し教室に到着した。




「もう予鈴なるぞ!親友!」


ニヤニヤしながら長身のいかにもスポーツ万能と身体で自己紹介してるやつが俺に近づいて挨拶してきた


「よっ大和…電車が遅延しない限りはいつもこの時間に着くだろ?」




この男、高校からの友達で相澤大和という名前だ。


高校に入ってつるんでいる率はいちばん多い




「そういやみたか?っと今来たんだったな…


さっきまた夏姫が男に呼び出しくらってたぞ?


まだ朝会前だってのに流石のペースだよな」




「へぇ…」


興味は無いが、夏姫というのは愛称で、本名は夏江沙織といいどこの学校にも1人くらいいるであろうその学校のマドンナ的存在で、簡単に言うと1番可愛い女生徒だ。




「へぇってお前な…」


大和が責めるような呆れるような声で言う。




「だって嫌われてるし、そもそもそれを抜きにしてもなんか笑顔が胡散臭い」


そう、なぜだか俺は夏姫に嫌われている。




「お前らがいつまで経っても対立してるから…このクラスの纏まりも悪いんじゃねぇかよ…」




「そんなこと言われても俺にはどうしようもない」


前に何回か同じやりとりとしたなと思ってた時沙織が告白から帰ってきた。


仲のいい女生徒達と笑顔で喋りあっている


大方告白の結果についてだろう。




「ま、告白の方は耳を潜めなくてもわかってるとして…春人…まーた睨まれてっぞ」


何それ怖い




「じゃあ睨み返す勇気ないからそっち見ないわ…」


そうして俺は反対方向の窓際を見た。




「ん?成宮まだ来てないのか…珍しいな」


カバンもなかったためそう判断したが、いつも俺より朝早く来ては机に突っ伏してる人がいなかったため思わず呟いた。




「成宮さん?…たしかに、てか春影に言われて居ないことに気がついたわ」


そう大和が喋った時本鈴が鳴り、先生の入室と共に今の話の主役である成宮が同時に教室に入ってきた。




「遅れて、す、すみゃませんッ!//」


壮絶な噛みと共に…


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