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第23話 俺と後輩と約束

 俺が静香に告白をした? 日の翌日。俺達は元の先輩後輩の関係に戻っていた。


「全く、先輩は顔や普段の態度に似合わず、ロマンチストですから困ります」

「顔と普段の態度は関係ないだろうが」


 俺達がいつもの様に冗談を言い合って登校していると静香は俺の隣で笑みを浮かべて言った。


「約束は約束です。なので、先輩が卒業するまでは待ちますよ。先輩からの告白を」

「ああ、それでもしも俺ができなかったときは頼むな」

「わかってます。これでも私は約束を守る人間なので」

「本当かよ」



                 *



 昨日の夜。俺は風呂を出た後で静香にある頼みごとをした。


「頼む、静香。俺が高校を卒業するまで、今日の告白はなかったことにしてくれ」


 俺は床に両手を付き、そして額を擦りつけ頼み込んだ。


「別にいいですよ。私は先輩の気持ちが確認できたので、満足です。ですが先輩、改めて私に告白するつもりなら覚悟してくださいね。私は告白しようとして来る先輩を散々いじり倒すつもりなので」


 どうやらこいつには俺が考えていることがわかっている様だ。

 俺が今、考えていること。それは――こんな勢い任せの告白をしてしまって恥ずかしいだった。だからこそ俺はもう一度、ちゃんとした場面でこいつに告白をしないといけない。

 お前のことが好きだと。愛して……いや、それはまだやめておこう。

 とにかく俺は、あの告白劇に納得していなかった。


「お前は本当にいい性格してるな」


 こうして俺達は俺が卒業するまではあの告白をなかったことにした。だがもしも俺が告白できなかったときには、卒業式の夜にもう一度あの恥ずかしい告白劇をやらなければいけない。

 果たして俺は無事にちゃんとした告白をできるのだろうか。


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