67 クマとフレンド
ユウ:(お姉ちゃんだよね。由宇だよん)
噴水でぼっと待ってたら、いきなり耳元に声が飛んできた。
え、これはなになに?
思わずまわりをきょろきょろしてみると、右側にウサギの人が。
これが由宇なのかな?
それにしても、さっきのメッセージはなんだ?
「ユウ?」
ユウ:(もしかしてお姉ちゃん、『ささやき』を知らない?)
「ささやき?」
ユウ:(説明終わるまでしゃべらないで!)
なんか、ユウが怒ってるね。うんうんと頷いてみる。
ユウ:チャットモードを『ささやき』に変えるか、相手の上方を2回タップしてウィンドウを出して『ささやき』を選べば使えるから、やってみて)
とりあえず、ユウの上方を2回タップしてみると、何やらメニューが出現した。
こんな機能があるとは知らなかったよ。
言われたとおりに、『ささやき』を選んで……
ミュウ:(これでいいのかな)
ユウ:(お、できたね)
ミュウ:(こんな機能があるんだね)
ユウ:(さすがゲーム初心者……まぁ、別にこういうのを知らなくたって楽しめるからね)
ミュウ:(そうそう)
チャットしながらも、横でユウはいろいろしぐさを試してる。
すっごく可愛らしい。
おや、今のしぐさは耳を片方だけまげてるぞ。
ウサギの獣人はあんなことができるのか。
いいなぁあれ。
ユウ:(じゃ、さっそくフレンド送るね)
ミュウ:(フレンド?)
ユウ:(それも知らなかったか……)
ユウ:(フレンドになっておくと、離れた場所からでも会話できるし、パーティーも誘えるのよ)
ミュウ:(ギルドみたいな感じ?)
ユウ:(そうそう。それの個人版ね。でもギルドは知ってるんだ)
ミュウ:(うん、誘われて入ったの。獣人限定だからユウも大丈夫だよ。入る?)
ユウ:(うーん、どれだけこのゲームするかわからないから、とりあえずやめておくよ)
ミュウ:(そっか)
ユウ:(んじゃ、フレンド送るね)
『ユウさんから、フレンド申請があります。
受諾しますか?』
YES
NO
クエスト受けるときとかと同じだね。
YESをポチリと。
それにしても、初日からずっとプレイしてるのに、このゲームをさっき始めた妹相手に教えられまくってるわたしって……
『ユウさんとフレンドになりました』
ユウ:<よし、これでフレチャで会話できるね>
ミュウ:(フレチャ?)
ユウ:<チャット欄タップして『フレンド』ってところに切り替えるといいよ>
ん、これかな?
ミュウ:<これでいいのかな?>
ユウ:<うん、OK>
ミュウ:<うーん、これはチャットがいろいろあって、ギルチャとかに誤爆しそうだぞ>
ユウ:<それはあるあるだね。どんなゲームでも誤爆はありがちだよ。まぁ内緒の話するときは要注意で、それ以外は笑ってごまかすしかないね>
ミュウ:<そういうものなのね>
ユウ:<うんうん>
ミュウ:<それにしても、ユウははじめての割になんでもよく知ってるねぇ>
ユウ:<まぁこういうゲームのインターフェイスはどれもこれも似たようなものだからね>
ミュウ:<そういうものなんだ……それでユウはどうする? いっしょになんかしてみる?>
ユウ:<うーん、とりあえずソロでいろいろやってみるよ。ちょっと慣れたらいっしょになんかしよ>
ミュウ:<わかった。またね>
ユウのことだからきっと2・3日でわたしより、はるかに強くなってるんだろうなぁ。
間違いなさそうだ。
すっごーくひさびさの更新になります。
プライベートでいろいろあったのと、大スランプで全く書けなくなってました。
不定期になるかもしれませんが、また更新再開しますのでよろしくね。




