表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/72

60 クマと首飾り

「そうであったか。

 今の話では、アンナにこの村に入る許しをもらったということだが、なにかそのあかしがあるか?」


 観戦モードだからぼーっとしてたら急に話が振られちゃったよ。

 え、証?


 たしか、イベントアイテムもらったよね。

 あれ? ないぞ?

 あのアイテムってジャックに渡さなかったっけ?


 あ、持ってる持ってる。

 イベントアイテムだから普通のカバンにはいらないのね。

 なくしちゃったかと思って焦っちゃったよ。


 アンナの首飾りを取り出して、エルフの女性に渡した。


「なんと、これは首飾りではないか。

 アンナがもっとも大切にしているアクセサリーだ。

 たしか祖母の形見と言っていたものだ。

 普通、証なら別のものを渡すはずなのに……

 もしや、クマよ。

 アンナを殺して食べてしまって、この首飾りを奪ってきたのではなかろうな」


 食べないよ!

 そういえば、アンナも会ったときに、「きゃー、クマよ。食べないで!」とか叫んでたよね。

 エルフから見ると、クマってそれほど血に飢えた猛獣に見えるの?


 うーん、よく考えてみると、森にいるとクマってそういう存在なのかもしれないね。

 もしかして、クマってエルフの天敵?


「ふむ。

 殺したり食べたりしていないのだな。

 ならば、クマよ。

 お主はアンナからどのようにして、この首飾りをアンナから奪って来たのだ?」


 もう、奪ってきたってところは変わってないのね。

 わたしは、アンナとのいきさつをエルフの女性に話した。


「そうか、そのようなことがあったのだな。

 だが、食べ物1つでアンナが首飾りを渡したというのは、どうも信用できない。

 その『おはぎ』という食べ物を用意してみるがいい」


 え、またおはぎを作るの?

 んと、さっき作った餡はまだ残ってるし、米もあるから問題なく作れるかな?


「お待ち下さい」


 なんか後ろからエルフの男の人が口を出してきたよ。

 話が上手くいきそうだったのに邪魔しないでほしいな。

 このまま、おはぎを作って差し出せば、シナリオが進みそうな流れなんだからさ。


「その『おはぎ』という食べ物にはわたしも興味があります。

 またいきなりこのようなクマの作った食べ物を族長様に食べさせるわけにはいきません」


 失礼なことを言うね。クマは毒とか入れないよ!

 毒とか使い方もわからないし、持ってないし……


 そしてどうでもいいけど、このエルフの女性は族長なのね。


「それならば、その『おはぎ』を全員分用意させよう。

 そのクマを連れた男に最初に食べさせて、問題ないようなら順に皆で食べることにしよう」


 え、そんなに大量に作るの?

 ちょっと材料が足りるか心配だよ? 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] エルフ 食い意地がはってる疑惑(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ