53 クマとエルフの女の子 後編
「あんた、ノリが悪いって言われない?
ここは『ガオー』って襲う真似くらいするものだと思うわよ」
ひどい……どうせ、コミュ障のクマですよ……
「それで、わたしに何の用なの?
エルフの隠れ里に行きたいって……ノリの悪いクマとか別に連れて行きたくないんだけど……」
なんか、ひどいシナリオだと思わない?
「なんかいいものくれたら、連れて行ってあげてもいいんだけどなぁ。
チラチラ」
これは、なんかいいものを出せってことだよね。
いいものってなんだろう?
食べ物でいいかな?
焼き肉でもあげてみようか。
「なにこれ? いったい何の肉よ。
エルフに焼き肉?
これのどこがいいものなのよ」
焼き肉はダメだったようですね。
じゃ、何がいいんだろう?
お米が余ってるけどこれはどうだろう?
「お米? ちゃんとごはんは食べたわよ!
そうね、甘いものなら食べてもいいわよ」
甘いもの!
そういえば農場で小豆を採取したついでに砂糖も買っておいたんだった。
これで餡かなにか作れそうだね。
んー、パンは作れそうにないね。
お米から、おはぎとかできないかな?
んー、おはぎは
米と餡でできるのか。
餡のレシピは、
・小豆×5
・砂糖×3
・塩×1
さっそく、餡を作りましょう。
『餡を5個作成しました。』
『技量スキルが21になりました』
よし!
『おはぎを1個を作成しました。品質B』
これで、どうかな?
「おはぎ? 美味しそうじゃない……
もらっていいのかな?
むしゃむしゃむしゃ
うん、甘くてそれでいてくどくなく、この口の中に膨らむ豊満な味わいは……」
なんかいきなり饒舌になって語りだしたぞ。
「うん、なかなか見どころのあるクマね。気に入ったわ。
エルフの隠れ里に行きたいって言ってたね?
それなら、これを上げるわ。
これを見せてアンナの紹介だって言えば、隠れ里に入れてもらえるはずよ」
そう言って、アンナは首飾りをはずしてくれた。
『クエストアイテム:アンナの首飾りを入手しました』
『シナリオが進みました』
よーし、シナリオが進んだよ。
これで、エルフの隠れ里に行けるのかな?
とりあえず、冒険者ギルドに戻ることにしましょうか。
それにしても、選択肢で根負けして、「女の子を食べる」って方を選んだら、シナリオはどんなふうに進んだんでしょう?
決して試したくはないですね。
☆☆☆
職業 料理人
スキル
【ステータス系】
生命 7.3 精神 3.8 筋力 4.8 頑強 1.5 敏捷 1.2 技量 21.1 知力 3.7
【戦闘系】
魔法 8.7 格闘 4.1 投擲 3.8 防御 3.4 回避 2.5
【生産系】
料理 20.5 釣り 14.2 採集 18.1
【その他】
水泳 12.8 疾走 8.0