22 クマと自己紹介
すぐに、北口勧誘組のメンバが広場に集まってきた。
ライジャ:「じゃ適当にモフモフしながらで」
ミケ太:「してますで」
北口勧誘組も加わって毛玉は巨大なかたまりと化した。
クマは完全に中央なので、もう身動きはとれない。
あちこちからモフモフされてるけど、なかなか後ろとかはモフモフしかえせないのが残念なところ。
ライジャ:「ギルド加入ありがとうございます」
ライジャ:「とりあえず、ギルマスの自分のほうから諸注意を」
ライジャ:「ギルドの加入条件は獣人のみとなってます」
ライジャ:「ギルドの目的は皆で気軽にモフモフしあうこと」
ライジャ:「ハラスメント設定を『相手がギルドメンバーの場合ハラスメントコールしない』の設定をONにしておいてください。
そんな設定のしかたもあったんだ。獣人の場合はONにしておいたけど、そっちもONにしておこう。
ライジャ:「あとギルドメンバだと言うことがわかりやすいように、ギルドタグを常に表示させておいてください」
どうやってやるんだろ?
ライジャ:「ギルドタグの表示方法はステータス画面で所属のところをタップすると選択できます。初期値は非表示のはずです」
ステータス画面をタップして……あ、できたできた。
皆の頭の上に
『モフモフ天国』
の名前が次々表示されていく。
こうして改めて見ると、ちょっと恥ずかしい名前な気がするぞ。
ライジャ:「皆できたみたいですね。ギルドタグの付いてない人にはいきなりモフモフしないようにしましょう」
ライジャ:「昨日いきなりウサギさんに抱きついてGM部屋に召喚されたバカな三毛猫もいます」
ミケ太:「ちょっ、それ誰か特定しちゃいすぎ」
ライジャ:「今のがそのバカですね」
ピーター:「あ、それ俺かもです。ごめんなさい、いきなりだったのでビックリしてハラスメント確認にYES押しちゃって」
ライジャ:「それは、いきなり抱きついたバカが悪いのでピーターさんは気にせずに」
ミケ太:「まことに申し訳ない。深く反省しております」
ピーター:「でもミケ太、俺中身男やで」
ミケ太:「ウサちゃんに中の人の性別など存在しない!」
ライジャ:「あー、いろいろ問題でるといけないのでリアル性別とかはギルドではなしってことで」
ライジャ:「せっかく獣人は性別関係ないステなんだから」
ピーター:「わかりました。すみません、さっきのことは忘れてください。かわいいウサちゃんです」
ライジャ:「自分からはこんなところで、では全員簡単に自己紹介を。メンバリスト順でいきましょう」
皆の自己紹介を聞きながらモフモフモフ。
本当に一言だけの人から、いろいろとネタを交えながらも喋る人など様々。
だんだん、うちの順番が近づいてきた。
どうしよう。
緊張で心臓バクバクしてきた。
ミュウ:「喋るのあまり得意じゃないので簡単に。クマのミュウです。料理とか釣りとかしようと思ってます。よろしく」
ウルフ:「ミュウさんもしかして、昨日の昼頃、クジラ釣ってなかった?」
ミュウ:「……え……見てたんですか……」
ミケ太:「おお!あの話題のクマが」
ライジャ:「なんと」
なんかギルチャが急に騒然としてしまった。
なぜ、そんなにクジラのことが皆に知られてるの?
ねぇどうして?




