第2話 『畳』って三種類くらいなかったっけ?
○LANNADを発売日当日に買いました。現在、誰を攻略しようか迷っています。優柔不断なので気がついたらBAD ENDになっていそうで怖いです。
気がつくと、俺はベッドで寝ていた。
かといって俺の部屋のベッドではない。そうであってほしいのは山々だが、生憎この掛け布団は俺がいつも使っているものとは全く違うし、そもそも俺の部屋はこんなにも広くない。
見た感じ、この部屋は軽く俺の部屋の三倍はあった。因みに俺の部屋は八畳。
……それにしても、俺は何故こんな所にいるのだろうか。
首を捻らせながらベッドから降りようとしたその時、部屋に誰かが入ってきた。
「おう、やっと目を覚ましやがったか」
そいつは紫色の肌をしていた。なんつーか、ファンタジック? それに耳が少し尖っている。RPG好きの奴ならエルフだ、と歓喜しただろうが、生憎俺はそこまでゲームはやらないし、そもそも起きたばかりでそんなにテンションを上げてなどいられない。
でも、そいつはエルフとか少しばかり違う外見をしていた。
眼と髪が黒いのだ。金や銀など神々しい色ではなく、だからといって禍々しくもなく、ただただ落ち着いた色だった。その髪を八分に刈って全体的にサッパリとした雰囲気だった。
「なんだ、喋られないのか?」
言われて気づいた。そういえば、何故俺はこの世界の言語を理解できるのだろう。
「……ここは」
言語を理解できるのは分かったが、俺の言葉が通用するとは限らない。だが、試してみる価値はあった。
「ここは、どこだ?」
ハッキリとゆっくり喋ってみる。
「ここか? ここはライネーグの村だよ」
通じた。会話が可能だと分かると途端に気が抜けて体から力が抜けていく。
「ってオイ! 大丈夫か!?」
男が俺に向かって叫ぶ。少しずつ遠くなっていく声を聞きながら、俺は冷静に次に男に会ったときに聞くことを考えて、ゆっくりと意識を失っていった。