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第4説前半

いつも閲覧ありがとうございます!29人もの方々にブックマークしていただけで緊張しまくりですが本当に皆様ありがとうございます!

あと今回は短めになってしまっていますが近日中に後半を投稿させていただきますのでしばしお待ちください!

あれから1ヶ月の月日が経った。あれから俺は積極的に魔物と戦うことにしている。

相変わらずゴブリンやオークといった人型を斬ると気持ち悪いが最初の頃に比べると比較的にマシになったのでないだろうか。

だが、俺は斬ることへの迷いはない。享楽や快楽に溺れるつもりは毛頭ないし街を救っていると増長するつもりもないがあの時アリーシャに言われたようにアリーシャを護っているということくらいは思わせてほしい。

結局は増長していると言うことではあるが好きな女くらいは護りたい。

この一月の間も俺はアリーシャへ会いに行っている。さすがに毎日は無理なのだがそれでも3日に一度は足を運んでいる。

毎日通うくらいの財産はたそオンしていた時に散々貯めているし、いざとなれば倉庫にある宝石や魔法付与している剣などを売ってもいい。

そしてそんな生活をしている中でアリーシャと身体を重ねていて少し彼女のことが判ってきた。

彼女は今は表立って商を営んでいるものがいなくなったが元奴隷商で売られていた元奴隷らしい。そんなアリーシャを引き取り育てることにしたのはここの元オーナーだったそうだ。

オーナーも元奴隷で年端もいかない子たちを引き取って一般教養を身につけさせて社会に馴染めるようにしていたようだ。彼女がどのような経験を経てその考えに至ったかはアリーシャも知らないらしいがそんな彼女に恩返しをしたいため仕事を手伝いたいと言った所、気持ちは嬉しいが自分のような生き方はするものじゃない。と彼女に窘められたりもした。

だけど、その後も彼女に恩返しをしたいと言った所彼女が折れ自分は身体を売っていると話、そんな仕事に子供たちをさせるわけにはいかない。だから気にするなとそしてそんな生き方でしか生活を守れなくてごめんなさいと言った彼女の顔が悲痛に満ちており印象的だったようだ。

だが、アリーシャはそれでも恩返しをしたいこと自分も夜枷のやり方は奴隷の時に経験しているから大丈夫だと伝えた所なんとか承諾を得れたようだ。それが彼女の生き方の始まり。

俺はそんな彼女を生き方を否定するつもりはない。彼女が今、笑顔でいられることの方が大事なのだ。

だが時折、一瞬だけ見せる悲しそうな目が気にはなっている。娼館で働く女の子たちは事情知っているだろうが彼女の口から聞きたい。そして俺に解決出来るならば解決してあげたい。俺を彼女が救ってくれたように。


そんな悶々としながらも今日もアリーシャの元へ通うために娼館へ向かって歩いていると何やら店の前でボーイと口論になっている一人の男が居るのが見えた。


「どうして私が彼女に会えないのだ!?お前になんの権限があって私の邪魔をする!」

「申し訳ございませんバリッシュ様。彼女からの言伝で貴方に会うつもりは毛頭ないと言われておりますので」

「だから!それは本当に彼女が本心から言ったのかの真偽を確かめるから彼女に会わせろと何度も言っておるだろう!」

「ですから―」


状況として男はこの館の誰かに会うためにやってきたがそんな意中の女性は会うつもりがないから帰れと門前払いされ、それが納得できないということか。

何ともまぁしつこい男だ。確かに門前払いで納得出来ないのは分かるがここまで明確に拒否されているんだから引き下がるべきだろうと思っていると男はさらにヒートアップしていき周りの状況が見えていないのかなりふり構わず魔法を唱えようとし始めた。

目の前のボーイもまさかこんな手段に出るとは思っていなかったようで顔が真っ青になり足が震えている。

このままでは死人が出てしまう!と思った俺はマジックドレインを使い魔法を吸収し間髪入れずに魔法を使おうとしている男の元へ走りボーイとの間に立つ形で牽制をする。

目の前の男はいきなり現れた俺に対して一瞬驚いたが邪魔をされたと理解したのかわからないが顔を真っ赤にしている。見ると拳も握り拳を作り震えている。

あぁ、ちょっとばかりまずいことになったかな等と思ったが知り合いのボーイが死ぬ方が嫌だったのですぐに俺は気持ちを切り替えた。


「き、キサ―」

「貴方が何に対してそんなに怒っているのかは存じませんが、さすがに街中で魔法を使って脅すというのは少々問題があるのではないですか?それにもうすぐ街の騎士団の方も来ますしこれ以上の矛は収めませんか?」


そう言うやいなや遠くから街の騎士団の人たちが駆けつけてきた。その中には豪華な鎧を着ている騎士もおり、おそらくここの騎士団の隊長自ら飛んできたのだろう。


「一体何の騒ぎですか?街の人から騒ぎが起こっていると聞き駆けつけたのですが・・・貴方は貴族のバリッシュ様・・・」


そう言いながらボーイ、俺、バリッシュと呼ばれている貴族の3人を見ながら隊長らしき人はなんだか心底疲れたような目をして話かけてきた。


「なんでもない!私はただこの館の主に用事があるから会わせろとそこに居るボーイに言っていただけだ!」


溢れんばかりの怒気を含みながらボーイを指差し説明した。


「ですから・・・それはアリーシャさんが会う気は毛頭ないからお引取りをと言ってるではありませんか」


先程のもう少しで自分に魔法を使われ唯では済まなかっただろう光景を思い出したのか次第に声が震えている。見れば少し身体も震えていた。

それよりもこの男アリーシャに用事だったのか。そしてどんな関係なのかが気になっていた。

が、その光景を見ながら隊長さんは察したらしくボーイに事情を聞くのは一度止め間に入っている俺を見た。


「貴方はそこの彼を庇っているようですが何が起きたかご存知ですか?」

「ん?・・・あぁ、事の始まりを俺は見ていないからそこは知らないが途中から彼が熱くなり始めて魔法を使おうとしていたので俺が間に入って止めただけさ」


魔法の詠唱をキャンセルさせたことに関しては言わない方が良いだろうと思いそこだけは誤魔化しながら隊長さんに事情を説明し取りあえず被害はなかったが未遂だったためにバリッシュは騎士団の詰め所で説明を要求され騎士団に連れられ帰っていった。

そんな連れて行かれる最中に男は一度だけ振り返り俺を鋭く睨み付けた。

なんだか貴族に喧嘩を売ってしまう形になってしまったが知り合いを助けれたんだし、それで良しとしよう。


「さて、大丈夫ですか?どこか怪我とかしましたか?」

「い、いえ!大丈夫です!ありがとうございますガロン様!貴方が来てくれなかったら私はどうなっていたか・・・」


そう言いながら彼はヘタリこんで居た腰を上げズボンについた土や埃を払いのけた。

知り合いが困っていたのだから当然助けただけだったが彼のお礼の言葉を素直に受け取っておいた。

それよりも今の俺には気になることがある。さっきの男・・・バリッシュだったか彼はアリーシャに会いに来たと言ってた。ということは彼とアリーシャは関係者ということになるのだが


「すみません。私の口から言えたことではありませんので・・・」

「あぁ、気にすることはないですよ。君に聞きたかったわけではなくアリーシャがいるかどうかだけ聞きたかったんですよ」

「そういうことですか。はい、本日アリーシャさんは居ますよ。と言いますかアリーシャさんもガロン様が来ることを心待ちしているみたいです。ですが・・・」


そう言いながら彼は暗い顔をしてしまった。なるほど、俺が来ると思っていたらさっきの貴族が来て言い争いになってしまったという事か。

アリーシャとその貴族との問題だし出来るなら当事者同士で遺恨なく解決出来ればいいんだろうが恐らく無理だろう。

それならば俺は彼女の傍に立ち護ってやらないとな。


ボーイにアリーシャはいつもの部屋にいると聞いた俺は横の階段を上がっていく。その途中で騒ぎを聞いていただろう女の子たちが俺の元へ駆け寄ってきて


「ガロンさん、アリーシャさんを宜しくお願いします」


と頭を下げられた。彼女たちが言うにはアリーシャは俺に出会うまで元気そうに取り繕っているがどこか悲しい雰囲気をしていたそうだ。だが、俺に出会ってからはなんだかとても楽しそうで口を開けば俺の話ばかりしているらしい。

なんだかとても恥ずかしい気持ちになるがそれだけ彼女に愛されているのかと思うとすごく嬉しかった。

だからこそ、今度こそ俺はアリーシャの全てが知りたいと本気で思った。そして、俺も全てを打ち明けようと。


「アリーシャ、俺だ」

「入ってきて」


俺たちはいつしかこんな感じになっている。初めて出会った時から口調が素だったのもあるし一度敬語で話して見てると爆笑されて以来俺は素でアリーシャと話している。

ちなみに爆笑された日は俺はアリーシャにメイド服を着させて奉仕プレイしていた。あの時のあれはあれで可愛かったからまたいつかしてもらおう。

そして入ると彼女はソファーに座って紅酒を飲んでおり俺用のグラスもそこには置いてあった。そして俺も腰掛けて紅酒を入れてもらい一口飲みグラスを置いた。


「アリーシャ、最初に言っておく。俺はアリーシャのことが好きだ。全てを聞きたい。だけどもし、言いたくないのであれば俺は聞かない。聞けなくても俺はアリーシャが好きだその気持ちは変わらない」


そう言い終え彼女の顔を見ながら返事を待っていると彼女は唇を合わせてきた。そして


「私もガロンが好き大好きよ。でも、貴方とは一緒に居られないの・・・ごめんなさい」


好きだけど一緒に居られない・・・どう言った意味を持つのか俺にはわからなかった。


「理由を聞かせてくれるか・・・?」


困惑する俺を見て彼女は悲しそうに笑いながらコクリと頷きながら


「3年くらい前かしら。一度だけバリッシュさんをお相手したことがあるんだけどその時に私を自分の物になれと言ってきたんだけど私はお断りをしたの。元々バリッシュさんの噂聞いていて黒い噂があったのもあってね・・・色々と噂が絶えない人なの

それからもしつこく来てさっきと同じように門前払いをしてもらっていたんだけど一年くらい前かしら、突然ここの辺りの土地を買収してこの辺り一体に闘技場を建てるという話が出てきたわ。バリッシュさんの名前と共にね・・・もちろん周りのみんなは反対したし私を気遣ってくれたけど・・・もう限界かもしれないわね・・・

今日はまさかあそこまで実力行使で来るとは思っていなくて・・・でも貴方が来てくれたおかげで何事もなかったわ。ありがとう」


そう言って彼女は目を閉じて薄く涙を浮かべていた。

俺は許せなかった。一人の女のために周りまで苦しめる貴族のやり方に、なぜそこで生活している人たちのことを考えてやれないのかそしてどうしてアリーシャを苦しめることをするのか理解が出来なかった。


「でも、今日騎士団の詰め所に行ったんだし鳴りを潜めるんじゃないか?」


そうあって欲しいと俺が思っているだけなのか、そしてその考えがやはり俺の幻想だと思い知らせるように彼女は首を横に振る。


「無理よ。今日は確かに強引な手を使って居ったけど言ったでしょ?元々黒い噂が絶えない人なの。数日間は大人しいかも知れないけどここの上級貴族の後ろ盾やら色々と持っている人だから・・・」

「なるほどな」


恐らく、上の人間の手を使い不介入とかにするかもしれない。今まで通りの方法ではなく今日のような実力行使に訴えてくる可能性は増えるだろう

チラリと彼女の横顔を少し見ると綺麗だった顔が少しだけ陰りを差している。

そして彼女は一息つき覚悟を決めた顔になった。


「私が原因ですもの。私が彼のモノになればみんなを苦しめることがなくなるわ。それにここは私を拾ってくれたオーナーが残してくれた大切な思い出の場所でもあり今の子たちの大切な場所だから壊させる訳にはいかないの・・・んちゅっ、好きよ・・・そして今までありがとう。アナタに出会えて私は幸せだったわ」


やはりか、彼女は恐らく決めてはいたのだろう。だけど少しでも俺と居られる時間があるならと粘って居てくれた。

なら俺はどうする?いや、考えるまでもないな。好きな人のために頑張らないなんて男が廃る。


「アリーシャ!・・・「えっ?・・・んぅ!?」・・・ぷはっ!君に悲しい思いをさせるもの、俺が解決する!だから少しだけ待ってて欲しい。心配するな。全て解決させてやるさ」

「無理よ!だって色々とあの人は!」

「心配するな。大丈夫さ、上手く行けば明日には解決出来る。でだ、全てが終わったら君に伝えなきゃいけないことがあるんだ。君の人生に関わることだから真剣に考えて欲しい」

「それって・・・」

「とりあえず!俺は先に問題を解決してくる!」


そう言って俺は今からやることを整理しながら宿に戻り拠点へと移動した。

さて、バリッシュよ。アリーシャを苦しませていたことを後悔させてやるぞ!




==========================

※視点がバリッシュサイドに変わります

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「くそっ!何なのだあの男は!」


まず見た目が気に食わん。貴族である自分に対しての口の聞き様はもちろんのことアイツに関しては調べはついている。

ガロンと名乗っていたあの男はこともあろうことか冒険者でしかも自分が目を付けていたあの女と会っているというではないか!

あの女には会えないわ騎士団の連中にまで詰め所に連れていかれ何故自分が詰問を受けなければならないのだ。そのせいで上の方から数日は屋敷から出るなと処分されるは散々だ。


「忌々しい!」

「おやおや、ご機嫌が宜しくないようですねバリッシュ様」

「なんだ!今は貴様と話しているような時間はないのだ!」

「それはそれは」


この男は一年前に我が屋敷に商人として突然やって来た時から怪しかったが有益な情報やら手際を見せたから雇ったのだ。

私腹も肥え上の貴族に金を握らせある程度はお咎めがないようにすることが出来たのはコイツのおかげだ。だが、やはりどこか信頼の置けないヤツでもある。


「いいから下がっておれ!用が出来たら呼・・・ぶ・・・」

「おやおや?寝てしまわれたのですか?」

「なんだ・・・これは・・・なぜ・・・急にねむ・・・く」

「やれやれ、やっと寝たか」


この一年間少しずつ研究をするのにこいつの屋敷を選んだのは正解だった。

元から色々と悪事をしてきていた故に操るのは至極簡単すぎるくらだったのだ。

それに今コイツは憎悪を抱いている。恐らく例の女のところでひと悶着あったのだろう。実に好都合。


「さて、では研究の実験に協力してもらいますよ」


そう言って彼は懐から赤く光る小さな結晶を彼の手に握らせた。すると結晶は手の平からスゥっと内側へと沈んでいった。


「準備は完了ですね。さて、ここはもう用済みですので私は帰るとしますか・・・期待していますよ?バリッシュ殿?」


そう言い残し彼はその場から消えた。


「ん・・・なぜ、寝ていたのだ・・・」


            ・・

先程まで自分は怒りの余り誰かに当たっていたはずだが・・・思い出せない。

だが、今はとにかくあの女だ

暴力という手を使ったんだ。次は確実に手に入れるための力を使おう。もう迷いはない。

数日間の内は動けないがそれからゴロツキや盗賊などを集めよう。


「ふ、ふふっ・・・もう時期モノになるのだ。待っていろ」

「残念だがもう彼女は俺の女なんでな」

「だ、誰だ!?」


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異世界さんこんにちわ~不死王だけど元人間です~ 第4説前半「予感」

次回は木曜か金曜に上げさせて頂きます!東の都編はあと3話くらいで終わる予定です!

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