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3話

3話 襲撃

英駆逐艦エジンバラCIC(戦闘指揮所)

「レーダーに反応!IFF(敵味方識別装置)に反応なし、恐らくI国空軍機と思われます!」

レーダー員のジョンソン二等軍曹がそう言うと俺、砲雷長のスティーブ少佐が「そう言えばこの間、日本海軍への襲撃があったみたいだから、我々も警戒せねばな…………」と呟いた次の瞬間、護衛とおぼしき8機を除くミラージュから8発のエグゾゼミサイルが、MiG-21から16発の中国製対艦ミサイル(シルクワームの偽物)がこちらへ向かって来たのである。

艦隊防空ミサイルを備えるインビンシブル、エジンバラ、カーディフは連装発射機に対空ミサイル(シーダート)を装填し、ブレイヴ、コーンウォールにチャタムの6連装発射機に対空ミサイル(シーウルフ)を装填し、発射に備える。

まず最初に艦隊防空用ミサイルであるシーダートが発射されると、同ミサイルが発射を引いて空へと舞い上がった。

数分後、シーダートは16発の対艦誘導弾の内4発を撃墜したが12発を逃してしまった。

すぐさま英艦隊はシーダートミサイルの第2陣を発射し、再び迎撃を試みる。

そして今回の迎撃ミサイルで3発の敵ミサイル撃墜に成功。

残った9発は高度を低下させ、英艦隊へと接近を続ける。

第2防衛ラインを突破した対艦ミサイルを迎撃すべく汎用フリゲートがシーウルフ対空ミサイルを矢継ぎ早に放ち、同様に|114㍉艦載砲が左舷に向き、20㍉CIWSファランクスも仰角を上げて射撃に備える。

発射されたシーウルフミサイルは5発の撃墜に成功するも4発には突破されてしまった。

そしてCIWSや艦砲が最終防衛線を形成するが……………

『インビンシブル被弾!』と言う報告が艦橋から入ったのである。すると艦長はすぐに「それで被害状況は!」と叫び、艦橋から『か、艦橋が炎上しています!』と報告が入ると物凄い衝撃が襲い掛かった。

『2発目被弾!』と報告が入ると遂に3発目がブレイヴ着弾と報告が入ったのである。だが、4発目は撃墜出来たとの報告が入り、俺は安堵した。

そして次の瞬間、レーダーに友軍機を示す航空機反応があり、それはF-14《トムキャット》戦闘機を示していた。

つまり我々への奇襲を聞き付けた日米どちらかの機動部隊が駆け付けたと言うのだ。

さっきのF-14に先程の敵機が追い払われた30分後に3基9門の大砲を持つ巨大な濃灰色の戦艦が出現したのである。

俺は唖然とした。あれが俺の祖父が米空母へ派遣された際に攻撃して数時間に渡るものすごい攻撃を食らって沈んだ伝説の巨大戦艦(バトルシップ)である大和(ヤマト)の同型艦にして、幾多もの戦いに参加した武蔵か…………

艦橋の上にはイージス艦の特徴である4つの八角形の大きなフェイズド・アレイ・レーダーを備え、その上には恐らく主砲用と思われる巨大な光学観測装置とその上には射撃用と思われるレーダー用のドームを備えていた。更には艦橋前後と左右に12.7㌢くらいの艦載砲を備え、第1主砲の前と第3主砲の後には埋込式ミサイル発射機(VLS)が備わっていた。そしてその横を進むのもこれまた大きな巡洋艦だ。この船も12.7㎝の速射砲とVLSを備えているイージス艦だ。

どうやら同型艦3隻が存在しているが、いつもの海軍年鑑の写真によるとヘリの搭載能力があるのはこの75番の船だけらしい。

その船首に75と書かれた大型巡洋艦から探照灯によって『我・海・上・自・衛・隊・こ・れ・よ・り・救・助・支・援・を・行・う』とのメッセージが送られてきた。我が艦隊は日本艦隊と協力し、戦傷者の救出を終えると、翌日に入港したバーレーンの米軍病院へと収容されたのである。

そして武蔵らは再びイラク軍に対する艦砲射撃任務に戻ったのである……………


だが、武蔵を見て俺は沈みゆくインビンシブルを見た結果、あの日(フォークランド沖)での奪還直後にあったあの恐竜の生き残り(妙高型重巡洋艦)との戦いで敗れた祖国の艦隊の夢を見たのである。

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