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1話

1話 荒鷲の宴

25日、ペルシャ湾上空

ジャック(中隊指揮官)よりアロー中隊各機、レーダーやデータリンク情報を注視して敵さんの動向を見逃すな!』

そう言ったのはTAC名ジャックこと桜井善雄1尉だ。

部隊の4番機で、F-15DJ(複座型イーグル)に搭乗する操縦士である俺、村上信太2尉(スナイパー)は無線を聞いてすぐに航法士席の岡島翔一3尉(ガンマン)がレーダーに国籍不明機が映っている事を伝えて来た。それと同時に(Royal)空軍(Air Force)のE-3AWACSからMig機接近と伝えてきたのである。

『ジャックよりアロー隊各機、聞いたな?…………これより戦闘態勢に入る、準備は良いな?』

桜井1尉がそう言うと俺は「了解!」と言い、岡島3尉にスパローミサイル射撃管制装置のスイッチを入れる様に指示する。

そして俺がレーダーを確認し、敵機の位置を確認した。

そして英空軍のAWACS(早期警戒管制機)が『Sky watcher to All CAP fighter group. permit to firing to unknown aircraft!(スカイウォッチャーより全警戒中の戦闘機部隊に告ぐ。本機は国籍不明機の撃墜を許可する)』と言うと桜井隊長が『Roger(了解)JASDF(航空自衛隊) FSQ301(第301戦闘航空隊)Now on(これより) Engage(交戦を開始する)!』 と叫ぶ。

そして俺はスパローミサイル発射用のボタンに指をかざす。

操縦席前面に装備されたデジタル式照準(Head Up)装置(Display)は遥か先にいるであろうMig-29(ファルクラム戦闘機)の位置を示し、Rock Onと表示される。

そして桜井1尉が『ソード1、フォックス1!』と叫び、僚機も次々に発射コードを叫び、俺も遂に「ソード4、フォックス1」と叫び、中射程誘導弾(スパローミサイル)の発射ボタンを押す。 すると1発のスパローミサイルが胴体から切り離され、一気に加速する。

そして暫くすると慌てた敵が回避行動に移り5機の内2機が回避出来たので、俺は僚機と共に機体を加速させ格闘戦を挑む。

「逃げられると思ってるか?」

俺はそう言うと敵機の真上につきやがて後ろに位置する。

「ソード4、フォックス2!」

俺がそう言うと赤外線誘導弾であるサイドワインダーが主翼下のラックから飛び去る。

そして俺は愛機を急上昇させてその場を去る。

暫く上昇させて機体を宙返りさせると砕け散った敵の破片が海面へ落下するのが見えた。

「ふぅ…………2機目か…………」

俺はそう呟くと中隊長である桜井1尉が無線で『スナイパー。よくやったが、でしゃばり過ぎだぞ』と警告してきた。

俺は「すみませんね。中隊長」と言うと中隊長は半分呆れた声で『お前の腕は優秀だ。今回は何とか誤魔化してやるが、次は無いと思えよ』と言ったのですぐに「了解、反省してますよ」と俺は続いた。

そして俺らは某湾岸諸国の空軍基地へ帰還したのである。


このペルシャ湾上空の空自F-15(イーグル)とイラク空軍のMig-29(ファルクラム)との間で生起した空中戦は空自が勝利を飾ったが、この空戦は湾岸戦争最初の空戦となったのである。

村岡信太(27) 中尉

TAC名 ガンマン(銃手)

F-15操縦士で青森県三沢市出身。父は現三沢基地司令。

第2次列島戦争では小松基地の第306飛行隊に所属し、佐渡島防衛作戦において北日本軍札幌防空隊所属のSu-27フランカーとそれに護衛されたTu-95を合わせて4機撃墜し、日本人民軍のハンス・マルセイユ(※1)と称されたパイロットを撃墜し、戦死させている。村岡自身は部下に鷲虎徹(※2)と言われていた。

※1 ハンス・J・マルセイユ、ドイツ軍のスーパーエース。ハンサムで女性に大持てで、ドイツ軍の宣伝塔となっていた。

※2 イーグル虎徹は零戦虎徹すなわち帝国海軍のスーパーエース、岩本徹三に由来している。

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