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ドーピング  作者: 銀槍
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世界と誕生

創造神が創った世界には大小様々な大陸があり、その中でもひと際大きな大陸があり、その大陸を十字に四等分にし、右上から人間の国であるガイエス帝国、右下東側海に面した方から、商業国家グラナダ国、そして創造神が遺した迷宮を持つ迷宮国家リムノス国、そして左上から、神聖ローレリア国、左下亜人達の連合国であるトルメキア連合国がある。


ガイエス帝国と、ローレリア国の間には巨大な山脈が横たわっており、リムノス国とトルメキア連合国の間には強力な魔獣が存在する森が広大に広がっており、山脈を源流とする大河が2本、魔獣の森の両端を流れている。その2本の大河が天然の堀の役目を果たし、リムノス トルメキアに侵入しようとする強力な魔獣の侵入を防いでいる。


迷宮国家リムノスは王政を敷く国家であり、王の下には、数多くの貴族が存在する。数ある貴族の中でも有数の力を持つ貴族の一つであるシュタインベルク侯爵家に一人の赤ん坊がうまれようとしていた。


シュタインベルク家の領地は、リムノス国の中で左斜め下の海と魔獣の森に面している場所にある。


なぜ侯爵家程の位の高い家の領地が魔獣の森の隣にあるにはいくつか理由が存在する。

魔獣の森、及びその周辺でしか採取出来ない薬草が数多く植生しているからである。

それらの中で最も価値が高く扱いが難しいのが 魔力草 と呼ばれる植物だ


この魔力草の特徴は、食べれば生物が持つ潜在的な魔力値を上げることができる

例えば、魔力総量が3しかない人が魔力草を食べれば魔力総を4にも5にも出来るものだ。

当然人気も高い しかし相次ぐ乱獲でその数を減らしているし、魔力草自体も、採取から1日も経つと、その効力を失ってしまうのだ。しかも味も恐ろしいほど不味く、そのままではとてもではないが食べられないので、お湯で茹でて、それをこしてビンにいれて飲むのである。

だがそのおかげかビンに入れた薬草の液体は、1か月近く効果が持続する。

それを海岸に造った港からトルメキアに輸出するのだ。海路も当然魔獣が存在するが、魔獣の森を横切るよりは、はるかにマシというものだろう。


シュタインベルク家の本宅の一角の書斎に、中肉中背の一人の中年男性が仕事をしていた。


コンコンと扉を軽く叩く音が聞こえ扉から一人の中年のメイドが部屋に入室してきた。


「旦那様生まれました」


その言葉を聞いた男はすごく嬉しそうに


「おおそうかついに生まれたか、今度は男の子か女の子かどちらだ」


とメイドに尋ねたが、メイドは困った表情で


「男の子ですが、でも・・・・・」


「なんだどうしたんだ・・・まさか赤ん坊の身になにかあったのか?」


すぐれないメイドの表情を見て、不安を感じた男は、メイドを押しのけ、

扉を開けて全力で妻のいる部屋を目指す。


妻のいる部屋の扉を勢いよく開けて部屋に入ると、

妻の世話をしている数人のメイドが驚いて

男を見るが、男はそれを無視してベッドに横たわる妻に駆け寄る。

妻の顔を見ると申し訳ないような、済まない様な、今にも泣きそうな顔をして、


「あなたごめんなさい」


と言ったとたんに、大粒の涙をぽろぽろと流して泣いてしまった。


それを見た男は、妻に駆け寄り、妻の両手を握りしめると、


「どうした、一体何があったんだ」


その言葉を聞いた妻は無言で、生まれたばかりの赤ん坊に目をやると、

つられて男も赤ん坊を見ると赤ん坊は元気な声で泣いている。


「どうしたんだ、元気な赤ん坊じゃないか」


男は笑顔で赤ん坊見続けていたが、ある違和感に気づく


「まさか……この子は」










「くろかみ」


そう呟くと、しばらくの間絶句し立ちつくしていた。


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