異世界
ある時一人の創造神が、ある場所へと降り立った。
彼は自身の力を使い大地を創り、海、空を創造した。
そして自身の指先に傷をつけて、流れ出る血を海に垂らすと、海の神が生まれ、
同じように大地や空にも血を振り掛けると大地や 光 闇などの数多くの様々な神が生まれた。
生まれたばかりの神々の前で、創造神は問いました
「お前たちは、どのような世界を望むか」と
ある神は木々や緑を望み、またある神達はエルフ、ドワーフ、獣人などの亜人を、そしてある神は、
強力な力を持つ魔獣などの様々な生き物の創造を願いました。
何もない 無 から生命や無機物を生み出せる力をもつのは、創造神だけだったのです。
創造神は、全ての神々の願いを叶えました。
やがて命は、大地や海に溢れて行きました。やがて長い時が過ぎ去った時、ある問題が発生しました
種族によって力の差があまりにもあり過ぎたのです。そして弱い種族ほどその数を減らし
この世界からどんどん駆逐されていきました。
その種族の名は普通種と呼ばれる人間でした
人間の創造を願った神は、創造神に願いました。
「人間をもっと強くしてほしい」と
創造神はその願いを聞き入れ叶えてあげました。まず、他の生物を自らが殺すことで、殺した生物の力を取り込めるレベルアップという概念と、人間達を鍛え上げるために、各地に迷宮を創り、さらに魔力を与え、イメージすることで様々な奇跡が行えるようにしました
更に時は過ぎ去り、創造神が与えた力によって、人間の数は少しずつではあるが増えていきました。
そして人間の数の増加と反対に、今度は 亜人 の数が減ってきたのです。
この世界最強の力を持つ魔獣達が、力を付けた人間達を狙うのを辞め、亜人などを襲い始めたのです
亜人達を創造すること願った神々は、同じ様に創造神に助けを求めました。
創造神はその願いを聞き届け、同じ様に亜人達にも力を与えました。
それによってようやく世界はバランスがとれるようになったのです。
調和のとれた世界を見届けた創造神は、世界の管理を神々に託すと、いずこかへ去って行きました。
創造神が去った世界で一部不満を持つ神がいました。
その神は魔獣の創造を願った神々でした。
魔獣の創造を願った神々たちは、自らの血肉を魔獣達に与え、またある時は魔獣と交わり、
魔獣の力を強くしていきました。
これに対して困ったのは、人間、亜人達の創造を願った神々達です。同じ様に人間に神の血肉を分け与えようとしても、神の血肉の力に、人間や亜人の体が耐えきれずに内側から爆発して死んでしまう者がほとんどだった。
人間や亜人と交わり、子を成しても、神の力を制御出来ずに自滅してしまった。
人間や亜人にとって、神の力は余りにも強すぎたのだ。
ただほんの極一握りの者が存在するだけである。
日増しに力を増してゆく魔獣達に対して苦肉の策として人間や亜人に対して
神々の加護 を与える事にしたのだ。
神々の加護 とは、神が人間に対して、その人間が耐えられるギリギリの力を神が直に与えるというものだ。
これによってギリギリではあるが世界の均衡が保たれたのである。
そしてさらに時はながれる