3限目:仕返し
あまりにも理不尽極まりない出来事すぎてむしろこっちが泣きたい。
「何したの、スケ番。」
きたし。やっぱり井上。人の不幸は蜜の味だからすっげー楽しそうな顔して聞いてきたし。
「別に。スケ番って根拠は?」
いつも以上に冷ややかな態度の私に事の重大性にきずいたらしく井上はややはにかんだ笑顔をしてきた。
「泣かしたんでしょ?」
あぁこいつまじで嫌い。なんでこんな突っ込んだこといつも、、、。
「、、、おまえ、優しくしてやれよあの女に。」
「は?なんで?名前も知らないんだぜ?」
なんかアホらしい。私なんか巻き込まれただけじゃん。あの女は井上の事好きなんでしょ結局は。なんで泣いたかは知らないけど。
「女って恐いね。」
日高は真剣な顔で言う。
「なんで?」
チャリに鍵を差し込みながら聞き返した。
「俺さいつも彼女と放課後バス来るまでバス停にいるんだけどさ。」
「うん。」
「クラスの子がね近くにいてさ、」
「、、わかったからもういい。」
「あっきづいてくれた?」
「パンクわざと?」
私のチャリは見事にパンクさせられていた。
「女って恐いね。」
日高はアノ事知ってるのかな?暇さえあれば彼女さんのトコ行ってるんだから知らないか。
「乗せてくれる?」
「がってんだ!」
三十分というながい道のりを日高は完走した。私を乗せて。
「ありがとね。あっ明日は私バス乗り継いで行くからさ。」
「おう!おまえ負けんなよ!」
小刻みに息があがってる日高。ちょっとよろめきながら帰っていった。
私は早速電話を掛けていた。あの自転車を買った店、健の実家に。
「おじさんごめんねぇ。急で。」
私は一時間後自転車屋さんにいた。ここはなつかしい匂いのする場所だ。なんてったって初めて付き合った人の実家なんだから。
「はいっ。これでよし!乗って帰りな。」
でも健のおじさん変わらないなぁ。またタバコふかしてるよ。あっでも少しやせた?
「ありがとね。」
健居ないのかな?
キョロキョロする私を見ておじさんは
「健か?今バイトじゃねーか?」
私ははっとした。なんで健の事探してたんだろ?もううちらは終わったのに、、。
次の日教室に入るとあの女のまわりに四・五人いて私を見てニヤニヤしている。
はっきり言って頭にきている。ただほとぼりを冷めるのを待つなんて馬鹿馬鹿しい。おまえらの挑戦受けて立つ!!
「井上、おはよっ!」
びっくりして振り向く井上。優しくほほ笑み私は席に着いた。
「おーはよー。」
私は見逃さない。やや赤らめた表情に井上がなった事を。